2011年9月23日(金)愛知工業高校での例会の記録です。
写真は、NHKで放映された「宇宙の渚(なぎさ)」の一場面です。 雷雲内で落雷がおこるとき、雷雲の上空で宇宙に向かう放電現象が起こっている、その瞬間の記録です。これを「スプライト」と呼ぶようです。 地上から雷を見ている限り、このような現象が起きていることはまったくわかりません。 番組では、国際宇宙ステーションからの実況中継、雷雲上空での飛行機からの観測記録などのいくつかのスプライトの映像を放映しましたが、初めて見る現象に驚くばかりです。 地上への落雷現象も完全に解明されているわけではありませんが、宇宙空間に向かう放電現象は、さらに未解明のできごとです。 見慣れた視点からの観察だけでなく、視点を変えた現象の観察から、未知の現象に遭遇することができるのだなあと強く感じました。 よく知られた実験も、視点を変えて行うことで新たな事実を発見できるかもしれませんね。 |
ミニブーメラン発射銃 (児島さん) |
ミニブーメランと発射銃をつくりました。 工作用紙で3枚羽根のブーメランを、幅2cmの木材で写真のような銃を作ります。 |
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ゴムにつけた厚紙をクリップ部に挟みます。 ブーメランをゴムにかけます。 |
ゴムを伸ばしてブーメランの羽根を押す厚紙をクリップ部ではさみます。次に、ブーメランを写真のようにゴムにはさみます。 (羽根のV字の切込みが輪ゴムの位置に来るようにします。ブーメランの羽根は切り込みより先のところで山折にしてあります。この角度で、ブーメランの回転半径が大きく変わります。) 銃の先端を、右のように斜め上に向けクリップ部を開きます。 ブーメランがくるっと回って戻ってきます。 手首の角度や山折の角度などを調整して、ブーメランがうまく戻ってくるようにします。 <参考> 工楽研究所<機楽研究室> |
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奇妙な電池 (前田さん) |
100円ショップで購入した電池がうまく働かないので、一つ一つ電圧を調べてみたところ、何と逆電圧を示すものが見つかりました。 テスターの針が逆向きに振れています。 こんなことってあるんですね。 +−で電極の形が違いますから、何らかの理由で表示(印刷)が逆転したとしても、正しい電圧が出るはずだと思われるのですが・・・。 |
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電極にあわせてテスターのリード線を接続します。 |
何と、針が逆向きに振れています。 |
ドーナツ型磁石の中心に磁石をおくと? (前田さん) |
大小2つのドーナツ型磁石を用意します。 (極性がわかるようN極は白く塗ってあります。) 小さいほうの磁石をN極を上にして、大きい磁石の中に落とすとどうなるでしょう。 |
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何と浮いて止まります。 小さいほうの磁石のS極と大きいほうの磁石のN極が向かい合っているので、2つの磁石は引き合うように思われますが、事実は写真のとおり浮いた状態で静止します。 では、小さいほうの極を逆転させたらどうでしょう。 |
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小さい磁石をS極を上にして落とすと・・・。 |
大きい磁石の中心部分で止まります。 |
小さい磁石をS極を上にして落としてやると、今度は大きい磁石の中心部で止まります。 手で軽く押してやると、復元力を受けていることがわかります。 |
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どうしてこうなるのか、磁力線で説明を試みました。 大きい磁石のドーナツ内部の磁場は、上から下向きで、小さな磁石の外側と同じ向きであり、同じ向きの磁力線は互いに反発することで説明できそうです。 S極を上にしたときは、ドーナツ内部の磁場の大きさが、上下方向では中心ほど大きいということで説明できそうです。 小さな磁石ならひっくり返って押し出されるのでは?という意見が出されたので、早速実験です。 |
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小さなフェライト磁石を入れてみると(もちろん上がS極になっているようにしています)、ひっくり返らずに安定して中心部にとどまります。 小さい磁石が、ほとんど傾かずに、中心から外れて安定する理由はうまく説明できていません。 |
渦電流 (前田さん) |
金属パイプの中に磁石を落下させると、自由落下より時間がかかるという実験があります。 渦電流によるブレーキで、ほとんど等速運動で落ちます。 見えないパイプの中の動きを何とか見えるようにできないかということで、アクリルパイプとアルミ管で、一部金属の透明パイプを作りました。 磁石を落とすと、透明部分では加速して、金属部分ではゆっくり運動していることがよくわかります。 |
アルミとアクリルのまだらパイプを作りました。⇒ |
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パイプだけでなく、坂道でも渦電流によるブレーキが働くことを見せるために、装置が用意されていました。 パイプから落ちた磁石は、アルミでできた坂道をゆっくり落ちていきます。 |
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電磁誘導の波形 (前田さん) |
アクリルパイプに等間隔にコイルを巻いて、これをコンピューターのマイク入力につなぎます。 パイプに円柱形の磁石を落とすと、各コイルに生じる誘導起電力を音声信号としてコンピュータで記録できます。 解析は、音声信号解析ソフトで、時間軸を拡大して波形を見ることで行います。 ピークの時間間隔を測定して、落下の加速度を測定する予定でしたが、波形を拡大すると予想と異なる形になっていることに気がつきました。 |
1回の振動波形が時間を置いて続くパターンを予想していましたが、実際には、右の写真のような波形が得られました。 1つのコイルを通るときに、ピークが3つある波形になっています。 |
こんな信号パターンを予想していましたが・・・ |
詳しく見るために、コイルを長めに巻いたパイプで測定してみました。 下の写真がその結果です。 (右の写真はパイプを傾けて、落下速度を遅くなるようにして測定) 波形の左側が磁石がコイルに入るとき、右側が出るときに対応しています。もし コイルが短ければ、この2つの信号が重ねあわされた波形になると思われます。 (1巻きコイルでも測定を試みましたが、電圧が低いせいか信号がうまく捕らえられませんでした。) |
鉛直に落下させたときの信号。 |
パイプを斜めにして磁石を落下させたときの信号。 |
磁極がコイルに入っていくときの誘導起電力は、右のような3つの山を持つ波形になります。 この形を電磁誘導の法則で説明できるでしょうか。 |
前田さんは次のように解釈しました。 コイルが短く磁石が長いとして、N極がコイルに近づいてコイルから出るときに発生する起電力と、S極が同様に発生する起電力との重ねあわせが、3つの山を持つ波形を作っている。 NとS両方がコイル内に入っているときは起電力は生じないはずですから、磁石が入り込む時間と、出て行く時間にのみ起電力が発生することになります。 |
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