2012年5月12日(土)愛知工業高校での例会の記録です。

 5月の21日に金環食が予定されています。
 太陽については黒点数の11年周期がよく知られていますが、現サイクルでは黒点の見られない時期が長く、周期が延びていました。最近ようやく活動が上昇に転じ黒点やフレアが見られるようになってきたようですが、その活動レベルは必ずしも高くないようです。この太陽に関して、2つの興味深いデータが発表されました。

一つは国立天文台からです。

 「現在、太陽活動は極小期を過ぎ、やや上昇してきています。太陽の南北両極の極性は、2013年5月に予想される太陽活動極大期にほぼ同時に反転すると予想されていました。ところが、2012年1月の「ひので」による観測で、予想される時期より約1年早く北極磁場がほぼゼロ近くになっていることが発見されました。現在太陽の北極域では、逆極性の磁場が大規模に消滅しつつあり、太陽の北極磁場がまもなく反転すると予想されます。一方、南極は安定しており、極性反転の兆候がほとんどみられていません。


 2つめはNASAからです。
 太陽の表面にある巨大な黒点群が地球側に出現し、3月の太陽嵐に続いて再び太陽活動の活発化が予想されている。

 巨大黒点群は「AR1476」と呼ばれ、直径9万6000キロを超す巨大さで「怪物級の黒点」だという。黒点群の活動は既に活発化していて、既に太陽フレアは過去数日で複数確認されたという。
 太陽の赤道付近は約26日の周期で自転していることから、巨大黒点は少なくともあと13日間地球側にある。



 2つの話のつながりがよくわかりませんが、母なる太陽の活動は、私たちに大きな影響を与えます。長期的な観測データが未来の予測につながります。
 どの分野でも地道な活動が大切ですね。   

 100円ショップのお役立ちおもちゃ (前田さん  

 100円ショップで売られていたおもちゃで、物理の授業に役立ちそうなものをまとめて紹介してくれました。いまでは販売停止になっているものもあるかもしれません。
 それにしても、作るより安価で買ったほうがはやい。 
 これでいいのでしょうか・・・・?? 





 右はおなじみのバランス鳥。
 部屋のインテリアとしても使えそうですね。
  
 
 パンチングカンガルーです。背中のボタンを押すと、カンガルーがパンチを出します。
 これを教材としてどう使うかは難問ですが・・・・
 パンチングパンダもあります。
 ぷにゅぷにゅたまごです。
 机などにぶつけると、平たく潰れますがやがてもとの形に戻ります。
 使える分野は衝突の跳ね返り係数のあたりでしょうか。
   
 放り投げると内外入れ替わって色が変わるボール(スイッチピッチ)です。
 どうして色が変わるのかを、実物を触らせて生徒に考えさせるという使い方がありそうですね。
   
 光を当てると、花と葉がゆらゆらゆれます。
 分解すると、磁石とコイルで動きを作り出していることがわかります。電磁力の教材になりそうですね。
(光に対する応答にはICを使っているようです)
  
 あひるコースター。
 ボタンをガチャガチャ何度も押すと、アヒル君が階段を上って行きます。上まで達すると、スロープを滑って下まで直滑降!

 仕事とエネルギーの分野に使えます。
   
 ピューピューリコーダーです。
 棒を出し入れして音程を変えられます。
 気柱の固有振動の例に使えますね。
 御存じ木登りざるです。
 摩擦力の教材として有名なものですね。
   
 描いた絵が飛び出して見える、というもの。
 紙に赤線と青線が印刷してあります。
 赤青セロファンの眼鏡で見ると浮き上がって見えます。
   
 まほうペーパーです。
 この紙にマジックで文字を書き、水に浮かべます。
 しばらくすると、字の部分だけが残り、白地の部分は水に溶けます。
 水性ペンで書いたらどうなるか、を予想させるというような使い方ができそう・・・・・。
   
 粘土のような、プラスチックのような・・・
 あえてたとえれば、かんだ後のチューイングガム。
 引くと、まるでゴムのように引き伸ばせます。ボールのようにまるく固めると、スーパーボールのように弾みます。
 暗いところでわずかに光る・・・。

 正体不明???                             
  引くとまるでゴムのように伸びます。
   
 プラスチックのばね(スリンキー)を静かにつるします。
 その状態でバネを落下させたら、どんな落ち方をするでしょうか。

 運動方程式の利用の教材として使えますね。
 
 結果は下の写真のとおり。
 バネが縮むほうが全体が落下するよりうんと速い!。
  

 間欠泉 (前田さん  
 一定周期で水蒸気や熱湯を噴出する温泉、間欠泉の仕組みについて調べました。

 間欠泉の仕組みの説明には「空洞説」「垂直管説」などがあります。
 この垂直管説のモデルを作って動作を確かめました。

 <参考> 間欠泉
  装置の上部は噴出孔に対応しています。                                    
 噴出管に水を供給する導管に水を入れています。
 左側のパイプ(保護用)の中に細い噴出管があります。
 この噴出管の中を温水が上がっていって噴出孔から噴出します。
 銅管がトランスの1巻き2次コイルになっており、通電すると発熱して中の水を温めます。

 十分高温になると、噴出管の水中に泡が出てきて、上に上がっていきます。泡が噴出孔に達すると、お湯が噴出します。
 
 この泡は、水に溶けた空気が出てきたものか、あるいは水蒸気の泡か、はっきりできませんでした。
 ひょっとすると、両方かもしれません。

 噴出管の泡が上に上がっていき、上部の噴出孔から噴水(噴湯?)が噴出します。                                  
 噴出管の水が減少するため、導管の水が噴出管に入り噴出管の水が冷やされ、最初と同じ動作が繰り返されます。  

 日本にある間欠泉の多くは、人工的に圧縮空気で噴出させているようです。
 一度観光資源になってしまうと、人工的でも続けたいのですね。
 自然現象だからこそ興味深いと思うのですが・・・。


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