2012年7月14日(土)愛知工業高校での例会の記録の第2ページです
瓶を使ったクントの実験 (杉本さん) |
クントの実験は大出力のスピーカーと大きな筒を使うのが普通です。 でも、空気塊の固有振動はどんな容器でも起こるのですから、それを見られれば立派なクントの実験です。 ハンドマイクのスピーカーと角瓶をつかってやってみました。 |
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ハンドマイクのスピーカー部分を取り出しました。 | ゴムのチューブで角瓶とつなぎます。 |
角瓶内に、発泡スチロール球を少量いれ、スピーカーを低周波発振器につなぎます。 振動数をあげていくと、突然、中央部の発泡スチロール球が立ち上がります。 1kHzの音の波長は約34cmなので、中央部は定常波の腹の状態と考えられます。 |
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振動数を約2倍にすると、発泡スチロール球が立ち上がる場所が2箇所になります。 小さな瓶内でも、振動の様子が確かめられます。 |
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底に穴を開けた瓶を使うと、端が外気と通じているので、この部分が腹になると考えられます。 共鳴させると、中の発泡スチロール球が立ち上がりながら、少しずつ外に出てきます。 |
瓶を立てて、同様にやってみると、共鳴すると発泡スチロール球が膜状に浮き上がります。 横の状態のときでも、なぜ発泡スチロール球が立ち上がるのか説明できません。 この場合も、なぜ空気の振動が、正味の上向きの力を発泡スチロール球に及ぼすことができるのか不思議です。 |
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発泡スチロールではなく、チョークの粉ではどうでしょう。 早速実験です。 粉は節の部分に集まり始め、腹の部分では縞状に粉が立ち上がります。これもなぜ縞ができるのか不思議です。 |
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中央部で、粉が立ち上がります。 | |
水ではどうでしょう。 水量を加減してやってみると、共鳴すると、中央部で水がはねます。 圧力で吸い上げられたというより、中央部で水波が衝突して水がはねたというようにみえます。このとき1Hz程度のうなりも聞こえます。 小さな瓶内での空気の振動にも、たくさんの不思議がありますね。 |
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写真では見にくいですが、中央部で水が上に噴出しています。 |
ロジェの跳躍コイル (前田さん) |
ロジェの跳躍コイルを作りました。 参考にしたのは、理科アイデアカード(広島県高等学校教育研究会理科部会物化部発行)Web版です。 コイルに電流を流すと、 @平行な導線間に働く引力によって、ばねが縮む。 ↓ A下端が離れて電流が流れなくなる。 ↓ B重力によって再びばねが伸びる。 ↓ C下端が接触して電流が流れる。 →(繰り返し) ○鉄芯を入れると磁束密度が増し、引力が大きくなる。→より激しくはねる。 こうしてバネは振動し続けます。(水銀は危険なので銅板を使います) |
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5V、3A程度で振動が持続します。 銅板との接点では、青白い火花が飛びます。 |
理論的には、鉄心がなくても、コイルの平行導線間に力が働くので振動が起こるはずです。 やってみると、電流が少ないため力が小さいせいか、うまく振動しません。 バッテリーなどで大電流を流せばいいのでしょうが、今度は導線と銅板が溶接状態になりくっついてしまいます。 |
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鉄心があるとなぜうまくいくのでしょうか。 鉄心の位置を右のように上部に移動すると、このときもうまく振動しません。 |
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コイルに電流が流れることにより、鉄心が磁化されて、鉄の磁界が電流に力を及ぼし(鉄心の上部付近と下部付近は磁界が逆向きなので、上下で力は逆向きになります)、導線には、電流間の力より大きな力が働くので、これが駆動力になり振動すると説明できます。 鉄心の位置が上部にあると、逆向きの力を受けないので、力が小さく振動しないと考えられます。 そうだとすると、これは平行電流間の力ではなく、電磁力で駆動される振動をしていることになります。 |
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平行電流間の力だけで振動させるには、焼きつかない接点の工夫が必要なようです。 |
磁気振り子 (前田さん) |
コイルの内部に2枚の鉄板が、振り子のように振動できる状態でつるされています。 コイルに電流を流すと、鉄板はどうなるでしょうか。 直流を流しても、交流を流しても、鉄板は開きます。 電流による磁界で鉄板が磁化されるためですね。 |
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直流でも、交流でも同じ結果になります。 | 同じ方向に磁化されて、2枚の鉄板は反発しあいます。 |
ワイヤレス充電 (前田さん) |
家庭内電話や髭剃りの充電などで、ワイヤレスで充電できる仕組みが使われています。 これは、電磁誘導を利用した方式ですが、従来は効率が悪く、送った電気の大部分が熱に変わっていましたが、現在では、送受のコイルの周波数をマッチングさせることなどで、伝送効率が70%を超えているようです。 (ワイヤレス充電方式には、他にも、電波式、共鳴方式などがあるようです) |
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送受部分を分解してみると、コイルが見えます。これで電磁誘導を介して電力を送る仕組みなのですね。 送信部分にコイルを置き、オシロで波形を見てみると、121kHzの振動磁界を観測できます。 受信側は、これを受信コイルで受け、信号を整流して直流電圧を得ているのでしょう。 |
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電話器を送信部に近づけると、充電中のマークが出ます。 | |
最近のワイヤレス充電は、金属を探知して電気を送らない場合を判断するような「送電中異物検知機能」を搭載しているものがあるそうです。この装置で試してみました。 10円玉を送信部においてみました。しばらくすると、10円玉はやや暖かく・・・・ どうも、この装置の時代にはまだ、送電中異物検知機能は搭載していないようです。 |
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