2014年9月27日(土)愛知工業高校での例会の記録です。

   

 フレネルレンズ(凸)の像は実像?  (鈴木久さん)  

 今夏の科教協の東京大会で和歌山の先生が紹介していたフレネルレンズの実験です。
 直接覗くのも可能ですが、透明な窓ガラスなどに貼ると、景色が逆さまに見えます。ちなみに東京大会ではそのままの向きの物を同時に見えるようにしてありました。

凸レンズですから光線等を作図をすれば焦点より遠い物体は逆さまに、焦点より近い位置にある物体はそのままの向きになるこが分かりますが、スクリーンを作ってやりることで、実像か虚像かの違いがはっきりします。
 東京大会で見た、スクリーンで近くにある物体の虚像が見事に消える様は感動的でした。   
 ガラスに貼ると角度により見える景色が異なるとはいえ、全員が見ることができます。
 また、鈴木さんはレンズに顔を近づけたとき、像が2つに分かれて見えることにも気付きました。
 当たり前と言えば、そうですが、大きなレンズを使ったからこそ認知できる現象です。
 大きなレンズというだけでも使い様は色々あります。


 科教協全国大会のまとめDVD (鈴木久さん)  

 科教協の全国大会の記録も時代の流れには逆らえず、今年から電子媒体のDVDのみになりました。
鈴木久さんは編集担当をされている関係から、映像等も収録し、参加できなかった方でも十分利用できるようにしているそうです。
 DVDの購入は科教協のホームページからできます。


 共鳴箱を教えよう! (鈴木久さん

 中学校の教科書では、おんさの共鳴を載せているものの「音は媒質(空気)中を伝搬する」ことを強調しただけの内容で、共鳴の原理の説明は不十分、教科書によってはお粗末に思えるものもあります。

 鈴木久さんは、おんさもおんさそのものの振動は聞こえるかどうかの大きさであり、おんさの共鳴はおんさの振動が共鳴箱を振動させ、それが空気を振動させ、もう一方の音叉の共鳴箱をしんどうさせるというように説明すべきではないかという提案でした。

 音の拡がりを表そうとした図ですが、おんさの共鳴箱からの影響は図示されておりません。

 音のレンズは本当に機能する?(佐野さん  

 これまで、音のレンズに関して何度か取り上げてきた佐野さん。今回は実験結果を紹介してくれました。

 まず、水面波の実験では、レンズの境界ではレンズの外側から回り込んだ波ややレンズの境界での反射波との干渉の結果と考えられる波面の変化が見られます。また、振動数による屈折率の変化などがはっきり確認できました。

 このとき、市販の水波投影機を利用し、アクリル板を置くことで、一部分のみ可能な限り水深を浅くし、水面波が遅くなるようにしています。
 この結果と踏まえると、波長が2桁ほど大きい音の実験ではより回り込みが顕著になることが予想されました。
 振動数による屈折率の変化
 直径80pほどのビーチボールを使った実験では、振動数を150、500、1500Hzで行ったところ、500Hzではレンズ効果が見られましたが、150Hzでは音の大きさに有意な差は表れず、1200Hzでは5pごとに極小極大が現れ、レンズの集音効果より音の干渉の影響が大きくなってしまいました。

 同様に普通の大きさの風船でも実験を行いましたが、レンズの効果は確認できませんでした。

 レンズ効果がでない理由を、佐野さんは低音では回り込み、高音では干渉が原因ではないかと主張し、振動数により音が集まる点も定まず、適当な音の高さと、レンズの大きさ、反射音の防止等、相当厳しい条件を揃えないと音のレンズは作れないのでは指摘しました。
 参加者からは、振動数による音の分散は初めて聞いたが、本当に音の集まる点が変わる程度の効果があるのか、評価が難しいとの意見が出ていました。  
 限定された条件でないと音のレンズにはなりませんでした。

 変位を拾う!ベロシティマイク (林ヒロさん  
 コンデンサーマイクで拾うと音圧を拾うため、音の干渉は粗密の重ね合わせで考えるべきと川田さんが主張されてきましたが、それなら教科書に合わせて、変位で測れるマイクを作ろうと実際に作ってみました。

 原理はフレミングの左手の法則、電流、磁場、力の関係を用い、一定の磁場中に一定の電流を流し、その電流が受ける力による変位を誘導起電力で拾うという仕組みです。

 
 その仕組みを使うために、電流を流す部分は動きやすい、極薄のアルミ箔を、拾った起電力はトランスで10倍に昇圧し、オシロスコープに繋ぐなど工夫がされています。  
 電流I、磁場μB、力Lの関係を利用し、アルミ箔の振動をとらえます。
 実際に長さ2mのアクリルパイプに定常波を発生させ、腹と節の変位が最大、最小となっているか調べました。

 251Hzで3倍振動、そして、337Hzで4倍振動が発生し、波長が約1mの4倍振動の場合は、おおよそ25cmごとに変位の極大、極小を繰り返しました。
 これは、ちょうど波長の1/4ほどで、腹と節の間隔の理論値に一致します。  
 スペーサーとして、木片を使用しています。

 霧箱の最終形? (林ヒロさん  
 前回も発展をみた霧箱ですが、さらに簡単に安価に実験できる形に改良されました。
 まず、外箱ですが、発泡スチロールの箱の底にドライアイスを全体に敷き、その上に、温度差を極力なくすため熱伝導が良いアルミ板を置き、完成です。
 次に、内箱ですが、段ボールの上下だけ抜き、側面に、黒画用紙を一巻きした後、ダンボールを何重か巻き、下には底面に合うように切ったベルベット布を敷きます。
 手に触れるため、燃料用アルコールではなく、医療機関で消毒に用いられるプロパノールを利用しています。

  再利用可能ですが、ダンボールを使うので、作り直すのも簡単です。

 色々なおもちゃ (加藤俊さん  
 加藤さんは手持ちのおもちゃを紹介してくれました。

 1つ目は、しばらく時間が経つと開いてくる卵です。中からはなんとアンパンマンが!
 まだか、まだかと開くまでかなり待ちます。
 続いて、水着のコップ乗り人形!

 力のつりあいの教材に使えるかもです。
 コップに載って安定します。
 次は、タロットつき、トランプです。

 これでは、トランプをしていても絵柄で何か考えてしまい集中できなさそうですね。
 このように絵柄がタロットカードになっております。
 これは、桜玉という民芸品です。

 立体として興味深い形ですね。
 折り紙等でも作ることもできるようです。
 最後に、3Dプリンターを使って作った立体です。入れ子構造といっていいのでしょうか、相似形が内側に入っています。

 3Dプリンターにより、これまで考えられない立体が作れますね。
 どのように作ったのかというと...

     [次ページヘ]