2014年12月13日(土)愛知工業高校での例会の記録の第3ページです


  潮汐力と潮の満ち引き (奥村さん  
 主に月の影響により、潮汐力が最大となるはずの時間に潮は干潮になっています。そして、ちょうど6時間後に満潮が来ます。この理由について奥村さんは色々文献をあたりましたが、どの説も納得できるものがなかったため、議題として持ってきてくれました。
 最も胡散臭い説は、引力によっての変形は、海水より地球そのものの方が大きいという中国の教授(?)の説。
 冗談はさておき、次に説です。地球の自転を考えると水と地面の摩擦がかかり、潮位の変化が伝わるのに時間がかかり、それが6時間になるというもの。
 しかし、慣性で海水も自転しているようにも思え、何か不自然さが拭えません。  
 約6時間差というのには意味がありそうですが、偶然なのでしょうか?

 また、J.トムソンがとなえたコリオリ力により北半球の湾内では反時計回りに波が伝わるというケルビン波の考え方もあります。

 さらに、万有引力と自転による遠心力の合力、つまり起潮力のベクトルが半日や1日周期等で変化することにより、生じる起潮力ポテンシャルも関係しそうです。

 この辺りに明るい山本さんからは、大潮のときでも、潮位の変化がない定常波の節のような場所が必ず現れるとの指摘がありましたが、どちらにせよ『6時間の壁』は厚そうです。

 地球物理学に関わる内容は、様々な要素がありすぎてシンプルな考え方が適用するのが難しいですが、すっきりしないのは私たちが物理屋さんの集まりだからでしょうか?


 偽造防止に紫外線利用 (山本さん  
 山本さんは、「光る石」というおもちゃの説明書で、紫外線を用いた偽造防止の技術が紙幣の印刷等に使われていると知ったそうです。

 1つ目は、パスポートです。ブラックライトを当てると蛍光塗料で写真と日本の印が浮かび上がります。

 安全面も考えて、紫外線ではなく、比較的安全な近紫外線を使っているようです。

 入国審査のとき、係官が机の手元で顔の確認をしているのかと思っていましたが、実はこれだったんですね。
 写真や印、サクラのイラストも浮かび上がります。
 1万円札も見ての通り、同じ技術が使われています。

 これなら、偽造をするのも簡単ではありませんね。

 このような情報は、銀行はさておき、一般のお店にも伝わっているのですかね?
 円安で価値が下がっている円ですが1万円以上の価値に思えました。

 キックバックトランスを用いた放電実験 (市川さん  
 日が沈んだ時間恒例の市川さんの危険な実験です。

 キックバックトランスを使っているそうですが、もの凄い放電が起きました。

 徐々に煙が上がってきたので、危険だという周りの声に押され終了となりました。


 ※ くれぐれも真似はしないでください。
 激しい放電でした。

 断熱不変量 (石川さん  
 石川さんは、振動・回転するものの持つエネルギーEと振動数fの関係の類似性について持論まとめ紹介してくれました。
@ 水平面での円運動
 円運動の半径を外力による仕事を加え変化させる
A 円錐振り子
 円錐振り子で円錐部分の糸の長さRを外力による仕事を加え変化させる
B 粒子の運動
 直方体内で運動する1つの粒子を外力を加え断熱変化させる
 目新しい論でした。今後の発展はあるのでしょうか?
C ドブロイ波
 ポテンシャルの壁にはさまれたドブロイ波の壁の幅を変化させる

 上記@〜Cすべてで、Eとfが正比例するという説明でした。

 Cに関して、石川さんは、運動量p=h/λ、運動エネルギーE=p2/2m、E=hf と3本の式を示しました。川田さん、井階さんなどからは、運動エネルギーの式は粒子の式で、それが波動の式と両立するのかという異論が出ました。


 放射線学習用の映像 (井階さん  

 中学校理科の新指導要領に『放射線の性質と利用に触れること』と記述されるなど、放射線の学習をしなくてはならない教員が増えています。

 実験を見せるのが、一番かもしれませんが、詳しくない先生もいる中で、長年、実践を行ってきた井階さんは、基本事項を学べる映像教材を5分程にまとめました。

 映像を見て意見を募りたいということで、試写会(?)が行われました。

 分かりやすいよう説明もしばらく表示されます。
 放射線についてイラストで分かりやすく説明されており、映像も様々な放射線源のものが収録されています。

  コンパクトにまとめられており、サークル内では概ね高い評価を得ていました。
 映像もたっぷり収められています。

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