2015年2月14日の記録の第2ページです


 超!簡易分光計 (飯田さん、山本さん  

 前回紹介した簡易分光計ですが、サイズを変え、さらに使い勝手をよくしました。

 まず、飯田さんは直径約10cmのヨーグルトの蓋で作り、2倍すれば計算できるように改良を加えました。
 
 ヨーグルトの蓋が都合よい長さでした。
 さらに、sinθの計算を正確にするべきとの川田さんの指摘に従い、金属スケールを使いました。

 しかし、このことにより解消できる誤差は4%ほど、測定が目視である事が考えると、ここまでしなくてもとの意見も一理あります。
 手間をかける価値があるのかどうか。
 何やら得意気な顔の山本さんが机の上に作品を置いてくれました。

 これは、直径約20cmの100円ショップで買った円筒形の紙箱です。これなら、計算いらず、目盛を読んでμmを単位にすれば波長が分かります。



<参考> 超簡易分光計(飯田さん)
 直径約20p。探せばあるものですね。

 五重の塔はなぜ倒れない (飯田さん  

 地震に弱そうに見えるものの今も現存する五重の塔の構造に興味を持っていた飯田さんは「五重の塔はなぜ倒れないか」という本を読み、学んだことを報告してくれました。

 五重塔には建物の中央に柱があり心柱とよばれます。

 この心柱、実は固定されているものではなく、遊ばせてあり、中には床から浮いた構造になっているものもあります。

 これが飯田さんの読んだ本です。
 飯田さんは、実際に心柱の効果を確かめるべく、模型を作って実験を行いました。

 まずは、2本の柱に床として厚紙を4層通し、偏心モーターで振動を加えます。次に、2本柱の間に心柱を入れて、揺れを起こしてみました。

 結果は、心柱ありの方は、揺れがかなり軽減され、歴然とした違いが生じました。

 心柱があることで、心柱が振動し、エネルギーがそこで消費されるため、全体の揺れを軽減するのでしょうか。
 モデルでは心柱の効果は絶大でした。
 続いて、プラケースと工作用紙で作った五重の塔モデルでも同様の実験を行いました。

 各階は載せてあるだけにも関わらず、心柱を入れただけで劇的に揺れが軽減されました。

 東京スカイツリーにも使われたという伝統工法に感嘆の声が上がっていました。
 昔ながらの知恵です。

 錯視の素材集 (加藤俊さん  

 錯視の研究で知られている立命館大学の北岡明佳教授のfacebook上のページoptical illusionを紹介です。

 右の写真はそのページの一枚の画像である色の濃さの錯視です。
 正方形を濃さを見比べて下さい。

 物理シミュレーション (植田さん 
 「物理は実物を見せてなんぼ」という意見が強い参加者が多いため、前回のシミュレーションはそれほど好意的な意見は多くなかった中、  植田さんは、新作のシュミレーション動画を紹介してくれました。

 1つ目は、斜方投射の説明です。水平方向の速度は変わらないが鉛直方向の速度変化し、合成ベクトルが変化することから速さの向きが変わるため、軌道が放物線を描くことを示しています。
  斜方投射のシミュレーション
 次は、面積あたりの磁力線と距離の関係です。

 これは、画像ですが、光の明るさや電気力線等でも同様で、1つあると便利です。

 生徒に定着させるという意味では、他に工夫はいるものの、分かった気にさせるには黒板や図より、ずっといいですね。
 こちらは画像ですが、仮に図示するとなると大変ですね。


 ネオジム磁石で質量と終端速度の実験 (佐野さん 
     
 終端速度に関する話題は、身近なものであり、高校の教科書に記述はあるものの、雨粒などでは測定するには終端速度が大きすぎて、適当な定量実験が思い浮かびません。

 そこで抵抗が大きい、ネオジム磁石のアルミパイプ中での落下を用いて、物体の質量と終端速度の関係を定量的に調べてみました。
 質量は、ネオジム磁石に同じ径の鉄球をつけることで変化させます。
 すぐに終端速度に達するため、経過時間でおよその終端速度比が求められます。

 径の近いネオジム磁石をアルミパイプに落とすとき、渦電流による抵抗が非常に強いため、磁石はすぐに終端速度に達して落下すると考え、1mパイプを通り過ぎるのにかかる時間から速度を計算します。

 実験では、磁石1個(13g)に比べ、磁石1個+鉄球1個(24g)が0.6倍ほどの落下時間となりました。



 物理クイズ「終端速度」 (佐野さん 

 終端速度に関するクイズ形式の問題を考えました。

 使うものは、ネオジム磁石直径10o、ガイドとして透明の塩ビパイプ外径14o、内径12o、外側にアルミパイプ外径18o、内径15oを使います。

 1mの塩ビパイプを一方は、上から50pアルミパイプで覆い(ア)、もう一方は上から20pアルミパイプの下に30pのスペースを空けたのち、30pのアルミパイプで覆います(イ)。 アルミパイプは1mの長さのものを半分に切り、さらにそれを30pと20pとしたもの2セットとしました。  同時にネオジム磁石を静かに落としたとき、磁石が早く落ちてくるのは(ア)、(イ)のどちらでしょうか?

 (a) (ア)の方が早い (b) (イ)の方が早い (c) 同時
 アルミパイプに巻かれているのは磁気シートです。  スローにするため斜面を緩やかにすると、差は歴然です。
  結果は(イ)の方がわずかですか早く落ちます。
パイプを傾け、斜面にすると差がはっきりします。

 この結果の説明は、v-tグラフを描くと非常にスマートです。
 


 回折格子を使った万華鏡 (山本さん) 

 100円ショップで買った万華鏡に回折格子を使うことで、点光源が綺麗に見えると山本さんが教えてくれました。

 これまた100円で買ったLEDの光源を使いましたが、実際覗いて見ると、光源そのものが強烈に光って見えるため、光源からの直接光が眩しく、万華鏡で反射した光は強さが減衰しているため、綺麗かどうかの確認も困難でした。

  
 100円ショップで購入した万華鏡キットです。
 光源を隠すなどしたら、見やすくなるでしょうか。

  
 どうしても光源からの刺激に反応してしまいます。


[前ページへ]    [次ページヘ]