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浴室の工事が終わった翌日、浴槽の水をぬくと、真っ白な浴槽の底に直径1~2mmの茶色いシミがたくさんついていました。工事業者さんに相談すると、「もらいさび」だろうとの話。工事の際に配管内に残っていた鉄の細かい切りくずなどが浴槽に流れだし、水に触れてできた鉄さびが浴槽のプラスチック(FRP)に沈着したものを「もらいさび」と呼ぶのだそうです。さっそく処理してもらえることに・・・。
「もらいさび」は決して強くこすって落とそうとしてはいけないのだそうで、専用の洗剤で溶かして落とすとのこと。「もらいさび」の主成分は酸化鉄(Ⅲ)で、チオグリコール酸アンモニウム(HS-CH2COONH4)の強い還元作用により、Fe3+イオンを水に溶けやすいFe2+イオンにして洗い流すのだそうです。
この反応で活躍するチオール基(-SH)はチオール類独特の強烈な臭い(硫化水素臭、腐ったタマネギの臭い)のもとで、処理中は悪臭が漂っていました。チオール類はガス漏れ検知のため、都市ガスやプロパンガスの付臭剤としても使われています。人間も含め、動物はこの臭いに極めて敏感なのだそうです。
チオグリコール酸アンモニウムはFRPとは反応せず、酸化鉄(Ⅲ)とだけ選択的に反応します。反応が進むとFe2+はキレート錯体を形成して紫色を呈します。こうして色が変われば水に溶ける物質になったしるし。あとは水で流して、もとのきれいな浴槽に戻りました。 (2026/08/12更新)
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