成田層貝化石の産状 99/03/26 神奈川県高等学校理科部会春季地学研修より
千葉県印旛郡印旛村鶴巻の橋本組が所有する土砂採取場の露頭(木下層、上岩橋層)から、第四紀更新世、約13〜15万年前の貝化石が多産する。同社のご厚意で採集をさせていただいた。産出する化石資料については、別項「成田層の貝化石」参照。
現地の事務所。ここでことわって化石を採取させていただく。
露頭へのアプローチ。雨上がりでぬかるんでいた。関係者以外立入禁止。
露頭遠望。ショベルカーから上が木下層、下が上岩橋層。
相原先生の解説を聞く研修団一行。
木下層遠景。ショベルカーが乗っていたステップから撮影。中段に貝化石を含む。
木下層近景。上の写真の崖下に接近して見上げたところ。
同上。中粒砂層の上に、高密度で貝化石を含む厚さ1mほどの層がある。
同ステップから見下ろしたズリ。貝を含む土砂は売り物にならないので捨てられる。
一段下の、上岩橋層の露頭。この上がショベルカーの乗っていたステップ。
おびただしい貝化石を含む3mほどの厚さの層がある。
木下層にはないエゾマテガイやビノスガイも多く含む。
これでもかといわんばかりの大型貝が高密度で産出する。
おまけ:ナウマン象発掘の地
上記の露頭のすぐ近くに、わが国で初めて、ナウマンゾウの一個体が完全発掘されたという現場(印旛村瀬戸)がある。
印旛沼放水路にかかる山田橋(下左写真)のたもとに左の説明板がある。山田橋からすぐ上流に見える市井橋(下の写真の赤い橋)の下のあたりが発掘現場だという。すでに護岸がなされていて面影はない。地層は上岩橋層に属する。