電気の史料館オフ 2002年4月6日(土)

 @nifty【理科の部屋】の主催で、横浜市鶴見区に東京電力が新しく開いた「電気の史料館」を見学するオフラインミーティングを行いました。27名の参加で盛大なオフになりました。案内役は同館の企画・設計・製作にたずさわったガンダルフさん。館の職員も合流してメモをとるほどの詳しい解説で、充実した研修会となりました。


 電気の史料館は東電の研究所の敷地内に新築された比較的小規模な博物館です。14:30 電気の史料館入口ロビーに集合。オフのスタートです

 2階のオリエンテーションホールで、日本の電気事業史を綴ったVTRを見たあと、ガンダルフさんによる特別講義が始まりました。

 おとなりの電気の科学コーナーは、科学技術の先人の業績をふり返るコーナー。電気の科学史の展示と電磁気の基礎実験の体験施設があります。企画上工夫した点などをガンダルフさんが語ってくれます。

 エジソン式直流発電機。1890年頃、エジソンが開発し、白熱電灯用の電源として実際に使用されたもの。

 日光金谷ホテルは明治初期から洋風リゾートホテルとして栄え、いち早く水力による自家発電設備を導入して電燈による照明を始めました。この発電機はドイツのシーメンス製で1950年頃まで稼働していました。

 日立製横軸フランシス水車発電機。1989年まで日光第一発電所で稼働していた本物。横口水車は珍しいのだそうです。こういう本物が圧倒的なボリュームで、でーんと置いてあるのがこの博物館の特色です。

 栃木県の鬼怒川温泉から東京方面への送電に使われた「バンザイ鉄塔」の前でガンダルフさんの説明を聞いているところ。大きな発電機・変圧器やお化けのようなコンデンサーが所狭しと並べられています。

 足元にはマンホールのコレクション。昔は四角いマンホール蓋もあったそうですが、落下の危険があるため、しだいに丸形に統一されていったそうです。一風変わった展示がウケていました。

 信濃川発電所(1939年建設)で実際に使用されていた立軸フランシス水車発電機。一応本物ですが、重量オーバーのためフライホイールは模型、コイルなどはカットしてあります。

 水車の羽根車の部分は本物。水中にできる真空の泡がつぶれるときの水の衝撃(キャビテーション)によって削られた傷跡が実物の証です。

 1階のフロアに降りると、圧倒的な重量感のある、千葉火力発電所1号タービン発電機が展示されています。タービン部分も発電機もアメリカGE社の製品。

 タービンの羽根車の実際の構造がよくわかります。実は重すぎて、構造上床がたえられないので、カットモデルにして軽量化を図ったというのは、ガンダルフさんの裏話。

 発電用の国産実用ガスタービン第一号。第2次世界大戦中に高速魚雷艇用のエンジンとして開発されたものが原型で、終戦時に秘匿のため地中に埋設され、鉄道技研による研究再開を機に発掘されたといういわくつきの展示物です。

 原子力発電プラントのエンジニアリングモデル。1983年から88年に柏崎刈羽原子力発電所第2号機および第3号機設計用として制作されたもの。今のようにCADが普及していない時代には、こうした精密モデルを実際に組むことが、重要なプロセスだったそうです。

川崎駅前に戻って記念撮影。ここで中締めとし、時間の許す方々は引き続き二次会へ。

 二次会会場は川崎駅東口前・ タワーリバーク21階・「甘太郎・川崎1号店」。窓から一望する工業都市川崎の市街。

 眼下を見下ろすと足がすくみそうです。こんな高いところにある居酒屋なんて珍しいですよね。

ガンダルフさんを囲んで、二次会に参加した12名の人々。日本の電気事業史や電気の史料館建設の裏話もたっぷりうかがって大満足。またその科学教育に寄せる熱い情熱に感動したものでした。
ガンダルフさん、ありがとうございました。皆さんもお疲れさま。

電気の史料館のデータ
〒230-8510 横浜市鶴見区江ヶ崎町4−1
Tel.045−613−2400
URL http://www.tepco.co.jp/shiryokan/index-j.html
入場料:大人¥500、中高生¥300、小学生¥200
開館時間:10:00〜18:00

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