12月活動:重曹(炭酸水素ナトリウム)の科学 2004/12/12

12月活動は藤沢市教育文化センターで「重曹の科学」です。重曹は炭酸水素ナトリウムという薬品で、ベーキングパウダー
(ふくらし粉)や汚れ落としとして台所でも使われています。今日は、重曹を使って蒸しパンとカルメ焼きを作ります。


 今日の主役は炭酸水素ナトリウム、一般には重曹の名で親しまれています。「重炭酸ソーダ」とも呼ばれたことからついた略称です。ちょっとつまんで観察してみましょう。

 重曹とクエン酸をひとつまみずつ手のひらにとり、指先でよく混ぜて、水を一滴垂らすとたくさん泡が出てきます。ちょっとなめると懐かしい味。そう、これはラムネ菓子の成分なのです。

 ここで突然ムラサキイモ登場。九州や沖縄地方で栽培されている食用のイモです。これはずいぶんでっかいなあ。

 その名の通り中身は濃い赤紫色。これと重曹とどういう関係があるの?まずは、この色をよく覚えておいてね。

 ホットケーキミックスにムラサキイモの粉を小さじ一杯混ぜます。水でといてよく練ります。ちょっと赤味をおびたドロドロの液体になります。

 アルミカップに半分ぐらい入れて、蒸し器で蒸します。ついでにムラサキイモも一緒に蒸してみましょう。

 約10分後。そろそろ蒸し上がったかな。さてどうなっているでしょう。あつあつの蒸しパンのできあがり。

 あれれ、みんな緑色になってるぞ。ホットケーキミックスにはふくらし粉として重曹が入っています。ムラサキイモの色素は重曹のアルカリと反応して緑色になるのです。

 蒸しパンの一部にレモン汁を垂らすとピンク色になります。ムラサキイモの色素(アントシアニン)は酸に反応して赤くなるのです。

 蒸し器の下のお湯は、ムラサキイモの汁と、重曹から出た二酸化炭素が反応して緑色になっています。ここにクエン酸やレモン汁を垂らすと、液体の色がピンク色に変わります。

 次はカルメ焼きに挑戦。砂糖液を熱してドロドロにし、重曹卵をまぜてふくらませて作る昔ながらのお菓子です。

 ザラメ30gとグラニュー15gを混ぜて、大さじ一杯の水でとき、銅のオタマジャクシで熱します。200℃用の棒温度計を割り箸ではさんだものでかき混ぜながら127℃になるのを待ちます。

 火からおろして、泡がすっかりおさまるのを待って、重曹卵を先につけたすりこぎで、すばやくかき混ぜます。重曹がまんべんなく行き渡るようにすばやく丁寧にまぜるのがコツです。

 すりこぎを抜いて待つこと10秒。真っ白になった砂糖液が突然盛り上がってきます。重曹が熱分解して、二酸化炭素が発生したのです。

 大きくふくれておまんじゅうのような形になったら大成功。表面にひびわれができるぐらいがいい感じです。

 冷え固まった後、オタマジャクシを再加熱してとりはずせば、おいしいカルメ焼きのできあがりです。

 ムラサキイモの粉をまぜて、緑色のカルメ焼きを作った班もありました。おいしいのかなあ。

 最後に、夏季活動の冊子が配られました。夏季活動に参加した全員の感想文が載っています。

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