ブロッケンの虹 
2007.10.13 7時05分ごろ 羽田→札幌千歳行JAL503便から


 東北地方を覆う雲海に同心円状の虹の輪が現れた。「ブロッケンの虹」と呼ばれる現象で、飛行機で雲海の上を飛ぶときによく見かける。飛行機で観察するときは日陰側に席をとるとよい。山の稜線で日光が日陰側の霧に影を投じるときにも見られる。ドイツのブロッケン山で「ブロッケンの妖怪」として有名になりこの名が付いたという。

 雨上がりの空に現れる普通の虹は雨滴による光の屈折と反射による現象だが、ブロッケンの虹は雲粒による「ミー散乱」と呼ばれる回折散乱によって起こるので、物理的に異なる現象である。普通の虹の視半径(約42°)に比べるとブロッケンの虹の視半径はせいぜい数度でかなり小さい輪になる。 

 拡大しカラーを強調した画像。中央の黒い点は撮影者(飛行機)の影で、太陽と正反対の方向になる。これを中心に内側から青→赤という虹色が3回ほど繰り返して現れている。輪が完全な円ではなくいびつなのは、ミー散乱を起こしている雲粒の粒径が雲の高さにより異なるためで、雲粒の半径が小さいほど虹輪は大きくなる。 

BACK一つ前のページへ

天神のページ・メニューへ戻る

To HOMEホームページに戻る