例会速報 2000/08/31 鎌倉学園中高等学校


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消えるピカチュウ 喜多さんの紹介

 青少年のための科学の祭典・全国大会で熊本大の相浦さんと、長洲中の水村さんが出展していた実験「消える、変わる、不思議なカード」の紹介。絵を描いた紙の上に耐熱OHPシートを載せ、さらにその上からラミネート用フィルムをかぶせてラミネーターで圧着する。間に薄い空気層ができるので全反射が起こって表面が鏡のように光り、絵が見えなくなる。


 原理がわかったらすぐに応用・改良してみるのがYPC魂。たまたま例会の売り物でその場にあった透明CDを2枚貼り合わせ、間に水が入らないようにビニルテープでシールして水中に立てる。一見透明に見えるが(左)、後ろに指を入れると指が消える。微妙な角度の違いがトリックだ。マジックに使えそう。


科教協千葉大会とサークル交流会の報告 鈴木さんの報告

 夏休みは各地で教育学会や研究集会が開かれる。参加した会員がそれぞれの帰朝報告をして情報を共有する。

 鈴木さんからは千葉で行われた科教協全国大会と浦和で開かれた物理サークル交流会のもようがレポートされた。

 写真は土肥さんのトーキングコップの紹介。同じ例会で右近さんからその原理と歴史の紹介があった。このページ、下の記事を参照されたい。

18in1 LASER UFO 市江さんの発表と即売会

 市江さんが大量購入してきたのはレーザーポインター。それ自体は珍しくないが、18パターンのホログラムフィルターがターレット式で内蔵されているのと、400円という安さが魅力だ。

 さらに、このポインターのいいところは、レーザー発信回路が取り出せること。よく出回っているペン型のものだとシリンダーに樹脂でモールドされていて取り出せないが、ご覧のとおり2cmほどの長さの基盤が簡単にはずせる。つまり他の工作に応用しやすいということだ。

中村理科の光源装置 山本の発表

 中村理科の光源装置(高輝度型)D20−1503(定価\16500)は平行光線が出せるというだけのシンプルな光源に見えるが、光線束が明るく、色温度も高いなかなかのスグレモノだ。これを使った光学実験をご紹介しよう。

 まずはスタンダードに半切レンズによる光の屈折。遠くまで光線の幅が広がらず輝度も落ちないのがよい。

 虹の原理を示すアクリル円柱による屈折の実験。虹を作るのは円柱内部で一回反射して外へ出てくる下側の淡い光だ。光源がよほど明るくないとこの光線は観察できない。反射率はわずかでほとんどの光線は後ろへ透過してしまうからだ。

 透過型回折格子による分光の実験。一次、二次のスペクトルが鮮やかに見える。分散の小さいグレーティングシートの方が演示には向いている。

 CDによる反射光の干渉。CDを直径に沿って切断して用いている。これも二次のスペクトルまではっきり見えている。CDが作る虹の解説にはこれを見せると説得力があるだろう。

 スリット部をスライドさせるだけで、白色1ビーム、白色3ビーム、色つき3ビームの3種類の光線束がワンタッチで切り替えられる。写真は色つき3ビーム。

FLASCHEN TAUCHER 市江さんの発表

 この夏も欧州を旅行した市江さんが、ドイツの街頭で見かけた浮沈子をおみやげに買ってきてくれた。ガラスでできたユーモラスな形だが、面白いのは浮かび上がってくるときにクルクルとスピンすること。ツイストした足先が水の排出口となってジェットを吹き出すためだ。しかし、沈んでいくとき、すなわち水を吸い込むときにはほとんど回転しない。これって例のファインマンの逆スプリンクラー問題に通じる?お値段はゴムふた付きで一体500円ぐらいだそうだ。


エスカレータのしくみ 市江さんの発表

 海外旅行先で1時間もかけてエスカレータの観察をする人も珍しいと思うが、市江さんが特に気に入ったのはこのシースルー・エスカレータ。階段がどのように折り畳まれ、循環するのかがよくわかったという。できればビデオで動画に撮りたかったなあ。

フレッシュキーパー 平松さんの発表

 おなじみの真空保存容器だが、このごろずいぶん安くなった?藤沢のさるディスカウントショップで3個セットでポンプがついて1480円だった。実験してみると0.5気圧以下まで引けている。気体の性質を示す実験ぐらいには十分使えることがわかった。

真空中のマシュマロ 小河原さんの発表

 これも真空ネタ。マシュマロを容器に入れて周囲を真空にするとどうなると思う?例会ではまず予想アンケートがとられた。

 結果はこうなる。体積で10倍以上に膨らんでいるみたいだ。しかし、このぐらいになると気泡が破裂して逆に縮みはじめる。

 そのため再び空気を戻すとこんなふうにつぶれてしまい、ケシゴムのように硬くなる。一応食べられるが、果汁グミを噛んでいるみたいだ。

廃物利用の落下実験器 小河原さんの発表

 100円ショップの肩たたきを例の「弾性非弾性ハンマー」に加工した際に出た廃品の木製パーツを利用して、落下実験器を作った。長さが1,4,9,16となる位置に木片を取りつけておく。これを落下させると床への衝突音が等間隔に聞こえる。よくナットを使って作るやつだ。

光って鳴るフリスビー 小河原さんの発表

 外周の3箇所に笛がついたフリスビー。投げると風を切ってヒュルヒュルと鳴る。ドップラー効果の演示に使えるのではないかとさっそく実験が始まった。でも部屋の中じゃちょっとあぶないね。


お手軽気体実験 徳永さんの紹介

 科学の祭典の交流会で仕入れてきた実験の紹介。発信元は村田さん。小型のフィズキーパー、PETボトルの口にねじ込んでゴムの部分を強く押すと圧縮空気が送り込まれるしくみ。ロックをはずすとご覧のように口金が分離して一気に減圧される。ボトル内に霧が発生して白く曇った。サーモテープを入れると温度も測れるので、断熱圧縮・断熱膨張の実験がお手軽にできる。なお、使用するPETボトルは「ちびれもん」の容器が最適とか。


圧気発汗器? 平野さんの報告

 8/29の県立教育センター理科テーマ別研修講座「海洋科学技術センターを訪ねて」にはYPCからも4名が参加した。平野さんが撮影したビデオ映像を見た。特に面白かったのは潜水訓練用の施設による高圧環境体験実習。参加者は実際に4気圧の世界を体験できた。4気圧でぺちゃんこにつぶれたボールは簡単に瓶詰めにできる。隣のラーメンカップは6500m相当の水圧で押しつぶした記念品。
 なぜ「発汗器」かといえば、加圧時のタンク内は断熱圧縮で気温が急上昇し、サウナ状態だからだ。詳しいレポートはここ


しゃべる機械 右近さんの発表

 人間の発声をまねる機械の開発史は18世紀にさかのぼる。右近さんは、クラッツェンスタインやケンペレンらの業績を紹介すると共に、手近な素材で彼らの装置を模倣した。写真は母音「ウ」を発音する装置。ストローのギザギザをツメでしごくと、それらしい音が聞こえる。
 右近さんが作ってくれた資料には、ホイートストンの「しゃべる機械」や、フェイバーの「Euphonia」なども紹介されていて興味深かった。


二次会 大船駅前「甘太郎」1号店にて

 11名が参加。明日から新学期だがまだまだ残暑は厳しい。暑い夏にはビールが最高!お疲れさまでした。カンパーイ!!


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