例会速報 2005/08/27 富士河口湖高校


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授業研究:続・物体の運動 黒瀬さんの発表
  前回に引き続き、力学分野の授業報告がなされた。授業をしていて悩んだ点、気になった点として以下のことがらが取り上げられ、みんなで議論が盛り上がった。いずれも大きな問題で、1時間では終わらず、宿で深夜まで議論が続くことに・・・。

・「力」の授業展開をどうするか。
・動摩擦力はどこで扱う?
・力の釣り合い、モーメントの式は、A=Bでたてるか、A+B=0にするか。
・おもりを引っ張って糸を切り分ける演示実験は慣性の説明に適切か?
・エネルギーの原理の式の立て方
・負の仕事というのはイメージが湧きにくい。
・どの公式を使えばいいのか、わからない生徒がいる。どうする?
・習熟度別に分けることの意義

滑車の実験 清水さんの発表
 岐阜からはるばる参加してくれた清水さんの出し物は、百円ショップの滑車や戸車で作った実験道具の数々。4連滑車のエキスパンダ状の道具は力を8倍に増幅する。マッチョな男性二人が、女性の細腕一本でなすすべもなく引き寄せられていく。
 

 動滑車による力のちがいを体験する装置。左から普通の動滑車1個(力が半分)、動滑車2個力が(4分の1)、逆動滑車(力が2倍)。同じ水入りPETボトルだが、手応えが歴然と違う。特に逆動滑車の実験は、「動滑車1個につき力は半分」などと、丸暗記している生徒に効果的。

ジャンボかみつきヘビ 清水さんの発表・即売
 清水さんは手作り実験器具の即売もしてくれた。歌舞伎ひもで編む「かみつきヘビ」はおなじみだが、これは荷造りひもで編み上げたジャンボバージョン。両手を突っ込むともはや自力でははずせない。指先も使えないから手錠以上の拘束具になる。警察に売り込んだら?

ジャンボチョロQ 平松さんの発表
 ドンキホーテで衝動買いしたという大型のチョロQ。重々しく加速していく様子が視覚的にわかりやすく、「力を受けながら運動する物体」として中学生にはわかりやすい例と思われる。高校でも等加速度運動の導入に使えそうだ。実際に等加速度運動か、記録テープをつけて実験してみることが宿題として課された。

コンデンサーを含む直流回路の演示 水上さんの発表
 何でも教室に持ち込み、黒板にはりつけてしまう水上さん。 今回は、「黒板上の演示実験」シリーズの一つ、「1F(ファラド)コンデンサーの充放電」の演示実験を披露してくれた。
 左は充電したコンデンサーをモーター+ギアーに接続し、おもりを巻き上げているところ。「おもりをりを持ち上げる仕事をするので、コンデンサーはエネルギーを持っていることがわかる。」というつかみ実験だ。
 豆電球を「電流制限&電流モニター」として用い、効果的に演示している。教科書の記述(コンデンサーの端子電圧が電源の電圧と等しくなると電流が流れなくなる)を厳密に確認する際には、右のように電圧計・電流計を追加し、ビデオカメラ+29インチテレビまたはプロジェクターで拡大提示する。
 

 データロガー 「イージーセンス」も磁石ではりつけてしまう。過渡現象の演示実験で「メモリーオシロ」として利用している。写真はコンデンサーの充電曲線を描かせているところ。赤いグラフが電流、青いグラフが電圧である。きれいな指数関数のグラフにするためには、制限抵抗に豆電球ではなく本物の抵抗器を使う。
 

巨大ゲルマラジオ 竹内さんの発表
 ゲルマニウムラジオは、放送局に近い都市部で聞こえても電波強度の弱いところではなかなかうまく聞こえない。実験教室で全国行脚をする竹内さんは、電波の弱い土地でも受信できるアンテナを開発している。基本的にはアンテナが囲む面積の勝負だ。左はビニル傘のへりにビニル導線を数回巻いたもの。展開・格納が楽。右は百円の釣り竿4本を組み合わせた高感度タイプ。一片約3mの正方形を囲むアンテナになる。釣り竿をたためば持ち歩きも可能。
 

カタツムリトレーサー 竹内さんの発表
 前回の例会でも紹介があったタミヤのかたつむり型ライントレーサー工作セット、LINE TRACING SNAIL KIT エレクラフト シリーズNO.20(\2000)。黒いラインを見つけながらよちよち歩きをする様子がユーモラス。

低温度差スターリングエンジン 高橋さんの発表
 栃木県の中学校教員の湯沢光男さんが自作したスターリングエンジン。タッパー容器やゴム手袋、ゴム風船などを巧みに使って組み立てられている。熱湯を入れたカップの上では底面が高温部、上面が低温部として働いて勢いよく回る。例会会場では、1時間以上にわたって動き続けた。
 直射日光に当てると、逆に上面が高温部となってソーラーエンジンとして動く。太陽熱をよく吸収するように上面を黒く塗ってあるが、これは低温部として働く時にも放熱をよくする効果があるはずだ。 この日は、天気がいまひとつだったので、太陽光で回すデモはできなかった。
 

科教協鹿児島大会でのYPC 平松さんの報告
 科教協鹿児島大会におけるYPCのナイターと、神奈川科教協のミッドナイターの様子をデジカメで撮影したものを、iPhoto(Powerbook)のスライドショウで紹介。写真は「回る浮沈子」を演じる神谷氏。

エジソンミュージアム 平松さんの発表
 鹿児島の帰路、水俣に立ち寄る道中で「球泉洞」の前に「エジソンミュージアム」を発見。当時日本でもブームを呼んだエジソンの発明品のコレクションが多数ある。お土産の頒布会も行われた。

京都奈良AP研公開講座見学記 宮崎さんの報告
 今年で3回目になる生徒向けアドバンシング物理(AP)の公開講座の見学報告である。
 今回の内容は材料工学。2日間の中で,生徒に物質の性質を調べる実験を紹介し,各班に分かれて探求活動を行い,発表をするという忙しいスケジュール。集まった生徒も優秀だが,生徒4人に教師が2人つく体制で2日間みっちりと指導が行われる。村田先生の「実験ノート」の講義や転位のモデルの「泡いかだ」モデルなどとても刺激的だったそうだ。

井上健先生の物理実験動画集 宮崎さんの紹介
 すぐれた実験技術で著名な井上健先生が撮りためていた実験ビデオが2枚のDVDに収められたもの。地下鉄の速度表示板の映像やレーザーによる回折光などは非常にクリアですぐにでも授業に使える。
 宮崎さんは,以前から井上先生にビデオを分けてくださいとお願いをしていたが、この夏のAPEJの研究大会で発表,DVD販売が実現した。一般頒布については不明。

GoogleMoon 宮崎さんの紹介
 マップサテライトやGoogle Earth(世界各地の衛星画像などを表示できるソフト)などいろいろと新しい,楽しいものを提供してくれるGoogleだが,今度はGoogleMoonというサービスが公開された。
 NASA提供画像を使い、アポロ計画で着陸船が降下した「静かの海」周辺を公開している。公開日は1969年のアポロ初着陸の日に合わせて7月20日だ。公開地域が限られているのは、NASAの提供画像に制限があるためだそうだ。
 各着陸船の位置もわかるようになっている。冗談だろうが,1969年7月20日の100年後となる2069年7月20日には、Google MoonにGoogle Localの検索機能を統合させ、月における住所や電話番号なども検索できるようにするとのこと。
 Google Earthと共にぜひ一度おためしあれ。

オオモクゲンジ種子模型 加藤俊さんの発表
 加藤さんが紹介してくれたのは空飛ぶタネの一種。写真の模型は1つの実からできる3個分のグライダー模型。 普通紙で作って、種子錘の代わりにゼムクリップを使うとよい。ゼムクリップの取り付け位置は翼の先端にするとグ ライダーのように飛ばすことができた。
 

フィンランドのパズルなど 加藤俊さんの発表
 加藤さんはこの夏フィンランドで開かれた国際パズル家パーティに参加してきた。例会ではその時入手してきたパズルなどの一部を紹介してくれた。
(左)Bar-6というリンク機構おもちゃ。Do nothing的。http://www.cotinual-motion.com
(右)両面形の木製ラトルバック。ウラとオモテで回転方向が異なる。ロシア製。
 

(左)Savolainen Kihlausという知恵の輪。フィンランド製。この知恵の輪は会場でだれも解けなかった。
(右)プラスチックの回転歯車を用いたパズル。たぶんオランダ製。
 

  そのほか、太いクギ2本を三角に曲げたパズル、レンチキャラー・ランダムドット3Dカード、ロシアのパズル本、エストニアの面白科学の本など数々の紹介があった。「所変われば品変わる」外国には面白いものがいっぱいあるなあ。

紙のパンフルート 山本の発表
 小学生向けの実験教室用に開発した紙笛。先曲げストローで歌口を吹く。原理的には目新しいものではないが、ケント紙1枚からドレミファソラシの7音を作れるように型紙が工夫してある。直径15ミリの丸棒に巻き付けるようにして工作すると小学生でも比較的能率よく作れる。7本束ねるとパンフルートのようになるが、複数のストローを選んで同時に吹くことができるので和音が出せるのがミソ。材料費が安いのも長所。

アルミ皿のたてごと 山本の発表
 同じく小学生でも簡単に工作できるよう工夫したモノコードたてごと。ダイソーのアルミプレート(皿形大、42×28cm、2枚入り\105)を共鳴板として使い、裏側に背骨を両面テープで貼り付けて強度を持たせている。弦はナイロンテグス10号を張り、裏側に回して輪ゴム3本で緊張してある。音階は「音階三角形」の型紙に合わせて印を付ければ任意の調で簡単に作れる。鉛筆や割り箸の琴柱(ことじ)を移動させながら演奏する。

二次会 山中湖畔の保養所にて
 20名が参加してカンパーイ!昨年も好評だった山中湖畔の保養所に宿泊することになった。近くの紅富士の湯の温泉で疲れを癒し、ボリュームたっぷりの夕食をいただきながら、さらに夜の部への鋭気を養う。

そして、夜の例会へ 
 いつもの例会ならここでレポートも終わるところだが、今回は宿泊例会である。部屋に帰ってからもエタノール水溶液を摂取しながら、果てることなく実験披露・科学談義が続くのだった。今回は特に充実していた「夜の部」もレポートしよう。

弓曳童子 竹内さんの紹介
 学研「大人の科学」シリーズの中でも最高傑作の「弓曳童子(ゆみひきどうじ)」を竹内さんが持ち込んだ。江戸時代末期の「からくり儀右衛門」こと田中久重の作品をプラモデルで再現したものだ。歯車とカム機構だけで童子が矢を取ってつがえ、弓を引いて実際に矢を放つ。ねらいを定めるために首をかしげる仕草もあってなかなか芸が細かい。「噂には聞いていたが、動くのを見るのは初めて」という人もいて、一同感嘆の声を上げながら見入った。
 

線香花火 高杉さんの製作会
 飲み会の傍らで線香花火作りが始まった。高杉さんは花火屋仲間の先生方と一緒に、青少年のための科学の祭典全国大会に、毎年出展している。今年の祭典の余りの材料を夜の余興にと持参したのだ。
 「線香花火作りは、和剤(火薬)の調合よりも、『巻き上げ』の方が難しい。ちょっとしたこつをつかめば、何とか花火らしい火花になってはくれますが...。名人めざして「修業」に励みましょう。」とは指導してくれた高杉さんの弁。

DNA模型 高杉さんの発表
 今年の第16回英国科学実験講座クリスマス・レクチャーは南極の話。講義の途中で講師の先生が取り出したのは、グリーっとねじって伸ばしたり小さく巻き込んだりできるDNAのモデル。講演後、入手先を尋ねたら「大学生レベルくらいの講義用の教材で、市販品(アメリカ製)だよ。」とのこと。
http://sciencekit.com/category.asp_Q_c_E_436285
 何だか簡単に模造品が作れそうだというので、高杉さんはツマヨウジと細く切ったOHPシートで自作してみた。楊枝の長さの組み合わせをちょっと変えて、それぞれ4色に塗り分けるとそれらしくなる。主材料のほかセロテープと千枚通し・ハサミくらいで簡単にできる。小中学生向けの工作にもよいかも。

スターリングエンジン製作会から・ジャンピングローラー 越さんの報告
 今年夏、8/1に土浦工業高校で行われた第6回スターリング製作講座に参加した越さんは、その成果物を披露してくれた。開発者は同校の小林義行先生である。
 

 上はコショウ缶を用いたスターリングエンジンジャンピングタイプ。100円ショップで売られているステンレス製のコショウ缶をシリンダーに用いたもの。スチール製の空き缶よりも熱伝導が悪いので、両端の温度差が長続きし、エンジンとしても長い時間動く。都合が良いことに、蓋に小さな穴がたくさん開いていて、一切加工せずに使用できる。

スターリングクーラー 越さんの紹介
 同じく、土浦工業高校のスターリングエンジン製作会で作ったスターリングクーラー。試験管利用のフリーピストンタイプ・スターリングエンジンをモーターにより強制的に往復運動させると、シリンダーの両端に温度差が生じる一種のヒートポンプになる。車載用のクーラーボックスとしても実用化されているという。例会では、シリンダーの先端に断熱のカバーと熱伝対温度計を取り付け数分間作動させると、室温より15℃以上下がった。
 

ホームスター 越さんの紹介
 セガトイズから話題のホームスターが発売された(\20790)。例会の、夜の部で、暫し鑑賞会。投影数1万、天井には、素晴らしい天の川が広がる。メガスターのコンセプトである「天の川が星の集まり」であることをリアルに表現している。
 全天ではなく日本から見える星空が星座早見と同じ形で投影される。星野はゆっくりと自動的に回転するが北極星を中心とした実際の日周運動を再現しているわけではない。「星座ライン入り」の恒星原版(スタープレート)に取り替えることにより、簡単な星座の紹介は可能。周辺部の星座は形がゆがんでいるので、少し分かりにくい。本来のプラネタリウムとしてではなく、星空投影機として、感動的な天の川を、自宅の天井で楽しむことができる。
 


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