例会速報 2016/12/18 株式会社ナリカ


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授業研究:「力学的エネルギーと仕事の実験」の授業から 高橋和光さんの発表
 高橋さんは、今年になって、授業の進め方と評価の方法を改めてみることにした。参考にしたのは、千葉県市川市などで長くご指導されていた高城英子先生(現JST、工学院大学)の実践だ。昨年12月、〔「(自由記述型)実験シート」への記述と「ルーブリック評価」を中心とした科学的思考力・表現力の育成〕という発表を聴いて触発されたのがきっかけという。
 生徒実験を中心に授業を推進するようになり、中学教科書の生徒実験をほとんど実施できるようになった。生徒実験の後は、必ず報告書を提出するように指導している。今回の例会では、その中の一つ、「力学的エネルギーと仕事の実験」の生徒の報告書から、日頃の授業の様子を紹介してくれた。
 

 この取組を通じて、評価方法も改めることができた。これまでの評価方法では思うような評価ができなかった、「実験の技能」や「科学的思考・表現」観点についても、実験を通して詳しい評価資料が手に入るようになった。
 ところで、今回紹介する実験ではすべての生徒に共通の系統的誤差がみつかり、実験方法や装置に課題があることがわかった。グラフが直線にならないのである。
 写真はケニスの「衝突実験器」。右側の支柱のところで出発点の高さを変更する。高くなると斜面の傾きがきつくなる。斜面を転がり降りた球は、水平面上の木のブロックに衝突し、摩擦に抗してこれを押す。その移動距離を測定して仕事を見積もるという原理である。なぜか衝突地点に針金のストッパーがあって、球はここで止められる。回転運動に分配されるエネルギーを取り除くための仕掛けだろうか。しかし、ここで外力(しかも撃力)を加えてしまっては、エネルギーと仕事の変換を正しく評価することなどできそうにない。
 

 左の写真の奥、高橋さんが操作しているのはナリカの旧型の装置である。これも原理は同じだが、木のブロックはレールの溝の内側にあり、溝に沿って動く。どちらの装置でも、出発点の高さを横軸、木のブロックの移動距離を縦軸にとってグラフを描くと、出発点の高さが高くなるにつれ、測定点が直線から下にずれてくる。摩擦や回転運動のせいだろうか。
 高橋さんが研究会で検討してみたところ、斜面の角度がデータに影響を与えることがわかったので、例会では角度を変えない実験方法が提案された。レールの位置は固定して、高さに応じてレール上の出発点の位置を変える。こうすると、右の写真のように直線性はだいぶ向上する。
 

レジンでアクセサリー作り 舩田さんの発表
 ネイルアートのブームで紫外線硬化樹脂「レジン」が安価に出回るようになった。百均でも購入できる。写真左のようなアクセサリーも簡単に工作できる。
 硬化処理用の安価な紫外線ライトも販売されている(36Wで2000円弱、9Wで1000円程度)。36Wの説明書には2~4分で硬化するとあり、2分で自動停止の機能もある。硬化不十分な場合は再度照射する。舩田さんは科学の祭典には5分にプログラムしたタイマーを持参した。
 右の写真のブラックライトの管を紫外線管に変えたものは、簡易紫外線測定器では4mw/m2 だった。同じ測定器で測定すると、硬化処理用の9wライト400、直射日光70、ガラス越し日光40mw/m2 だった。硬化処理用の紫外線ライトはかなり紫外線強度が強いようだ。説明書に4つの注意事項がある。
  注意1:使用中にライトを直視しないように。短時間でも直視すると目を痛める場合があります。
  注意2:ライト点灯中にレジンがついた手を入れないように。
  注意3:紫外線に敏感な人は日焼け止めクリームやUVグローブを使いましょう。
  注意4:UVライトの電球は使用しない状態でも半年~1年で紫外線を放出しなくなります。
 

ダボ落とし 舩田さんの発表
 慣性の法則を示す演示実験の定番は「鉛筆落とし」だが、刺繍枠と鉛筆ではセッティングが大変。そこで舩田さんは、安価で手軽にできて成功率も高い「ダボ落とし」を開発した。「ダボ」とは木製家具の隠しジョイントのこと。輪の材料はポリプロピレン20mm×400mm×0.75mm。これを輪にしてステープラーでとめる。ペットボトルはエビアン330または750mLがよい。3クラス実施で成功率は50~80%以上と好成績。初めての生徒でも達成感が味わえる。動画(movファイル3.2MB)はここ
 

安価にリングキャッチャー 舩田さんの発表
  リングキャッチャーのセットは以前、王様のアイディアで1セット1000円で売られていた(写真の右側)。舩田さんが提案するのは、ダイソーのカードリング40mmと、ボールチェーン60cm-4.7"を使ったもの(写真の左側)。材料は1セット100円程度で揃う。それでも50%超の成功率。チェーンにこだわった。

偏光シートで?な現象 舩田さんの発表
 縦偏光シートと横偏光シートを重ねると黒くなる。黒くなった偏光シートの間に斜めの偏光シートを入れると半分の明るさになる(計算式:Icos45°×cos45°=I×0.5)ことは周知のことだろう。
 ところで、縦偏光シートと横偏光シートを重ねて黒くした間に、塩ビ板(光弾性を示す)を斜めに入れると明るくなる。このときの明るさは、上記斜め偏光シートの2倍の明るさになる。5mm厚と2mm厚で厚みを変えても同じ明るさだ。円偏光なら厚さに関係するので円偏光ではない??塩ビは光弾性の実験にも使うので複屈折が関与しているとも思うがうまく説明できていない。求む情報。

ちょうどよい・・ 天野さんの発表
 モンキーハンティングの実験用の「吹き矢」の改良に取り組んでいる天野さんから、「ちょうどよい」材料の経過報告があった。
マンガン単四乾電池の外装(金属板)を取り・被覆のビニルを除いたものを弾丸に使う場合、ちょうど良く入る管
 ◎#302 丸パイプ(ブラック)15×1000 丸パイプ/丸棒(硬質ABS) 356円
マンガン単三乾電池の外装(金属板)を取り・被覆のビニルを除いたものを弾丸に使う場合、ちょうど良く入る管
 ◎未来工業・硬質ビニル電線管14 2M VE-14J2  198円
散水ホース15mmもマンガン単三の径にちょうど合う。ぐねぐねなのでガイドとして硬質ビニル電線管22を使う。
 ◎未来工業・硬質ビニル電線管(J管)VE-22DB (濃紺・4m) 560円
 この散水ホースは単三電池の電池ボックスとしても使えそうだ。
 

ゴム動力おもちゃ 天野さんの発表
 ゴム動力で飛ぶ竹とんぼ型おもちゃの作り方を天野さんが説明してくれた。材料は以下の通り。
・0.7mm径の針金 ・タピオカストロー(ダイソー108円) ・一般のストロー ・ハトメの玉 5mm 8mm ・糸ゴム1mm角2.8m
・熱収縮チューブアラカルト(ダイソー108円) ・ジョイントカラーマット  ・ラジオペンチ
 タピオカストローは、単四乾電池の外装(金属板)取り除いたものを無理矢理押し込んで、ストロー径を少し大きくする。これにより、ストローを2本つなぎ合わせることができるようになる。
 次に、針金を22cmくらいに切る。針金は二つ折りにし、折り目と反対側の先を普通のストローを8cmに切ったものの中央に通し、左の写真のようにストローを縫うようにする。風が下方に向かうようにストロー中央を折って、上反角をつける。
 ジョイントカラーマットを2.5cm×6cmの長方形に切り、17cmに切り出した針金を U字に曲げ、ジョイントカラーマットにさし込む。針金が入ることで自由な形がつくれる。フロペラと逆のよじれにして上反角をつける。(写真右)
 適当な厚紙を3cm×7cmほどの長方形に切り、このストロー部分とジョイントカラーマットに接着すればプロペラ部は完成。
 

 次に動力部分にとりかかる。左の写真のように、T字の針金部分に5mmと8mmのハトメを通しておく。これがちょうどよい軸受けになる。ゴムの保護のため熱収縮チューブに2本のゴムを通し、チューブの部分で二つ折りにして針金にかける。針金で長いJ字型の通し金をつくり、二段にしたタピオカストローにゴムを通す。針金でW字のゴムの留め金をつくり、ゴムをかけて駆動部は完成。コストは高いが輪ゴムよりは糸ゴムを使うと良い。
 90~110回巻くと、飛びあがる。1.5または2Lのペットボトルを発射台にすると良い。動画(movファイル3.4MB)はここ
 

ゴム動力おもちゃ2 天野さんの発表
 紙(プラ)コップで作る、昔の「糸巻き戦車」(といってわかる人は相当ご年配?)の作り方紹介。
材料: ・0.7mm径の針金(130mm先を曲げJの字にし、治具として使用) ・一般のストロー(15mm) ・ハトメの玉(5mm×2) ・輪ゴム(×2) ・180cc 紙コップ(orプラコップ、×2) ・割り箸(2つに割り、1つは長いまま使う、他方は25~30mmに折っておく)
作り方:
①紙コップ1個を2つに切断(写真左)、もうひとつのコップと組んで鼓(つづみ)の形にする。両者の底の中央に直径3mmほどの穴を開けておく。
②2本の輪ゴムに長い割り箸を通す。
③J字にした針金を使ってストロー(15mm)、ハトメの玉 5mm(2個を頭同士合わせる)の順でゴムに通す。(写真右)
 

④J字の針金の先を、①で作ったコップの2つの穴に通し、反対側に短い割り箸を通して固定する。(写真左)
ポイント:ハトメの玉2つを向き合わせることで回転の摩擦を少なくしている。ストローがハトメの玉 5mm とピッタリはまり、直角を維持してコップと割り箸のこすれをなくしている。
 

折板構造 加藤さんの発表
 加藤さんは『理科教育ニュース』2015年7月8日号 No. 951に載せた「1枚の紙で重なった本を支える」の実験を実演してくれた。
 1枚のケント紙を丸めてアーチ状にしても、上に本を置くと1冊で潰れてしまう。ところが、写真のように折ってアーチを作ると、上に本を何冊か載せても崩れない。きちんと折れば、4〜5kg載せても大丈夫。このように板状の物を折り曲げて強くした構造を「折板構造」(せつばんこうぞう)といい、建物の壁や天井の強度を上げるために使われている。
 

 例会では、660g程度の本3冊に加え、重い写真集を載せてみた(写真左)。後で測ると10kgほどだった。さらにスプレー缶を載せたところ間もなく崩れてしまった。右はその直前の写真。この実験のコツは、「折り目どおりに綺麗に折ること」と、「本を積む時にバランスをとること」。1冊載せる度に前後左右からよく見てバランスをとらないと、本を積んでいくうちに大きく傾いてしまう。
 なお、この号は、2017年2月発行予定の『理科教育ニュース』縮刷版『理科実験大百科第17集』に再収録される予定だ。作り方も掲載されているので、ぜひご覧を。
 

雪の上り坂の運転 小河原さんの発表
 小河原さんが、大学生だった頃の経験を実験で再現して紹介してくれた。
 当時、先輩の車でスキー場に着くと、駐車場の入口がちょっとした上り坂になっていた。そこまではノーチェーンでたどり着いたのだが、あと少しのところで本の数メートルの雪の坂を登り切ることができない。駐車場の係員が押してくれたり、少し下がって助走をつけたりしたが、あと一歩だった。そこで、同じく理系だった先輩は、少し考えた後、ある方法により見事ノーチェーンで坂を登り切った。その方法とは?ヒントは下の写真。
 

  小河原さんは、この題材を論文にしてThe Physics Teacherに投稿したところ、2016年11月号に掲載されたそうである。正解は、下記のオンラインストレージにある資料をご覧いただきたい。
https://onedrive.live.com/?id=BCE1FC796089DF80%213660&cid=BCE1FC796089DF80

平面鏡(その3) 田代さんの発表
 9月例会10月例会に続く平面鏡シリーズ第3弾。鬼のお面2枚を使って、一方の像と、鏡の後ろに置いたもう一枚のお面が重なって一体に見える様に位置を調整する。一度位置合わせをすれば視点を移動しても像と実物がつながって見える。
 

 「鏡に映すと左右が入れ替わる」という人がよくいるが、この表現は正しくない。正しくは「鏡に向かって手前と奥が入れ替わる」である。これが鏡像変換だ。右左という向きの決め方がそれぞれの観測者の座標系に依存していて不確定なのが混乱の元なのである。つい鏡の中の「相手」の身になって考えてしまうのだ。東西南北のような観測者に依らない方向表現をするのがよい。
 写真のように鏡を水平にすれば上下が入れ替わるわけだが、この場合重力という絶対的な基準がある。鏡の前の鬼は下を向いているが、鏡の中の鬼は上を向いていると誰もが思うので混乱しにくい。

アマノ方式を採用した「イッテコイ」新版 古谷さんの発表
 前回報告のあった、①グルコサミンの容器を利用したもの②かき氷容器等利用した「スケルトン」タイプに加えて、上で開発者の天野さん自身が発表している紙コップを2個(1個はおよそ半分に切断)を組み合わせつ方式(写真左)、さらにはデオドラント用のスプレー缶を利用した金属製のもの(写真右)の紹介があった。前者は材料の入手が容易なため作り易い。後者は金属製らしい独特の音を発しながらの回転や玩具らしくない風貌(?)に面白さがある。動画(movファイル3.0MB)はここ
 

ボールベアリングモーター 宮崎さんの発表
 10月頃、宮崎さんはfacebook上で知り合いになった方のページを見ていて「ボールベアリングモーター」なるものを知った。金属シャフトの両端に2つのボールベアリングを固定し、ボールベアリングを介して大きな電流を流すと、磁石もないのにシャフトが回転するという。しかもシャフトの回転の向きは、初期回転の向きで決まり、電流の向きとは無関係だというのだ。「ボールベアリングモータ」のタイトルでWikipediaにも記事が載っている。けっこう有名らしく、web上には他にもたくさんの記事がある。
 

  宮崎さんは職場にあった力学台車の壊れた車輪からボールベアリングを取り出し、これを利用して実験をしてみた。職場には適当な大電流電源がなかったのでナリカの渡辺さんにお願いして、大電流電源と自動車バッテリ充電用ケーブル状のプラグを持つコードを用意してもらった。例会発表時は今ひとつだったが(動画movファイル3.5MBはここ)、予備実験では15A程度を流して回転のきっかけをつけてやるとよく回っていた。
 動作原理については、ネット上にも諸説あるが定説はないようだ。例会でもすっきりとはしなかった。ご存知の方はぜひお教えいただきたい。

中2・電流による発熱 宮田さんの発表
 ナリカの、電流による抵抗の発熱実験用抵抗を用いての実験。水につけた抵抗(写真左)に電流を流して発熱させ、温度変化を測定して、水の得た熱量が抵抗の消費電力量に比例することを確かめる。温度測定には秋月電子で売っているデジタル温度計DE-20W高速応答型(600円)を使用。
 実験テキストVer.1は、抵抗ごとに水を替えて、全測定データを利用してグラフを作成する仕様。温度センサーが水温になじむのに1分程度かかり、生徒はそれを待てないで実験するので、最初の測定データがどうしても低めに出て測定誤差が大きくなる。
 Ver.2では、その最初のデータを捨てて、1分後からのデータでグラフを作成する仕様とした。これでも、温度の時間変化のグラフが3本重なり温度上昇分が読みにくい難点があった。(写真右)
 

  そこで、カップに水を入れたら、そのまま水を替えずに抵抗だけを替えるようにしたテキストがVer.3だ。温度変化が求めやすいグラフが得られるが、温度変化のグラフが縦に長くなるので、電力量と温度変化のグラフと併せると1枚のグラフに収まりきらない。グラフ用紙を2枚使わないといけないところが生徒の負担になる(写真)。
 また、かき混ぜ中に水をこぼす班がでてくると、こぼした水の量によっては測定値に誤差を含むようにもなる。いまだ決定打のテキストになっていないが、途中経過として報告するとのこと。
 なお、実験は実験室備え付けの総合電源装置で行ったが、これだと、一つの班が抵抗をはずしたり、つけたりするだけで、電圧が変動して実験誤差が出る。よって、総合電源装置で行うときは、あらかじめ各班に電流が流れることを確認して、各班でいっせいに実験を開始・終了する必要がある。できれば、各班個別の安定化電源装置がほしいところである。(実は例会当日のガレージセールで破格で販売されていた。)
 なお、ナリカの発熱用抵抗(ニクロム線)はテキストでは、2Ω(青)、、4Ω(赤)、6Ω(黄色)、の組み合わせであるが、2016年12月現在では、4Ω(赤)、6Ω(黄色)、12Ω(白)、の組み合わせになっている。

神楽坂サイエンスアカデミー2016の報告 櫻井さんの発表
 櫻井さんは東京理科大学川村研における研究活動の一環として、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)との共同企画である高校生対象の研究体験イベント「神楽坂サイエンスアカデミー2016」に携わっていた。この企画は、同じ学校の高校生3,4名が1チームとしてエントリーし、スタッフの指導の下で製作した大型のサボニウス型風車風力発電機を各学校に持ち帰り、夏休みの研究期間に創意工夫を凝らして改良し、最後に成果発表としてプレゼンターションを行うものである。
 

 期間中の発電量は、風力発電機と並行して製作するデータ収集・送信用IoTモジュール(下の写真)を通じてIIJのサーバに記録され、インターネットを通じて常に確認できる。また、日誌的な研究の記録や他チームとの意見交換、スタッフとの質疑応答のためにConfluenceというチーム内Wikiを利用して行われる。立ち上げとなる本年度の参加は6チームと多くなかったが、参加者にはすこぶる好評で、来年の開催も予定されており、できればもっと賑やかにしたいと考えている。
 最後に櫻井さん本人からのメッセージ:「詳しい予定が決まり次第またアナウンスするので、奮ってご参加下さい。よろしくお願いいたします。」
 

高校生活最後の授業 鈴木亨さんの発表
 去る12月3日、鈴木亨さんの勤務校で開催された教育研究大会での公開授業で、12月で授業が終わってしまう高校3年生を対象とし、ビッグバン宇宙論の講義を行った。ビッグバンは相対論同様、「知名度」は高いが内容はよく理解されていない。鈴木さんによると、宇宙の話は、大学受験に出る出ないに関係なく関心は高く、まずまずの評判だったそうだ。
 

 文科省が制作・配布している「宇宙図2013」なども例示して解説したが、138億年前にできた宇宙の観測可能な範囲、いわゆる宇宙の地平線が現在、460億光年かなたという事実などはわかりにくかったようだ。授業終わりに配布した生徒質問紙の内容とそれに対する回答の紹介もあった。授業をしっかりと受け止め、真剣に質問している生徒の姿勢に感心した。
 

乗り出す板・プロジェクト 成見さんの発表
 成見さんが以前から細々と手づくりで製作していた「乗り出す板・乗っている人」というオリジナルのおもちゃが、9月から仮説社にて実店舗とオンラインにて販売されることになった。このおもちゃを通して、サイエンスの楽しさ、そして、人と人がつながる喜びを共感できたらとの思いから、成見さんは個人的に「乗り出す板・プロジェクト」と称する、絵付けをした賛同者の作品をHPに掲載していく活動を始めた。
 スタートして3か月、私塾、都立高の授業、大学の講座などの参加があった。成見さん自身が出張講座そしてもいるが、個人や団体でこの企画に参加してくれる輪が広がることを願っている。
 詳しくはここ→http://colorfulscience.cocolog-nifty.com/chiezou/
 

Googleを利用したデータ共有 市原さんの発表
 Googleのブラウザ上で動くアプリ、「スプレッドシート」を使ったデータ共有方法の紹介。「インターネット上で同時に編集できるエクセルファイル」というイメージをするとわかりやすい。授業での活用方法は、各班にデバイス(PCでもタブレット端末でもスマートフォンでも、webにアクセス可能なら何でもよい)があれば、共通ファイルのアドレスを教えるだけで、どこからでもデータの入力が可能になる。統計的に処理をしたかったり、データ数がたくさんあるような実験をするときに便利だ。今までは「黒板に数値を書きに来て」とやっていたことが、各実験卓からリアルタイムで集計できる。活用方法はまだまだありそうなので、アイディアがあれば教えてほしい。
 参考になるサイト→ https://www.iscle.com/web-it/g-drive/doc-edi.html
 

物理授業公開in神奈川 西村さんの発表
 西村さんは、来年の夏休みに開催予定の研修会について紹介してくれた。今年の夏休みに東京学芸大学で開催した、物理教育研究会PS研究班主催の研修会の、神奈川版とのことである。
 今年は生徒を集めて模擬授業の形式で行ったが、来年はワークショップ形式にして、教員が生徒役になり、AL型物理授業をまずは体験してもらうことを計画しているそうだ。西村さんはワークショップの授業案について、ぜひYPC例会でも議論し、先生方にアドバイスや支援いただきながら、より良いものを作っていきたいと話していた。当日配付資料はここ

二次会御徒町駅前「まつうら」にて
 27人が参加してカンパーイ!今年もナリカ例会は盛り上がった。例会本体は53名、二次会もこの人数。盛大な忘年会になった。ますます若い人たちも増え、活気にあふれるYPC例会。新システム、新体制のもとで、来年はどんな年になるだろうと、期待が膨らむ。


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