例会速報 2024/04/21 筑波大附属高校・Zoomハイブリッド
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授業研究:授業開きの報告 みんなの発表
毎年、4月の例会は各自の「授業開き」を報告し合っている。今回は3人から報告があった。
市原さんは授業では、なるだけ生徒が自らデータを取って自分たちで分析していく展開を目指している。3年間持ち上がった学年の授業なので、新たな「授業開き」感は無いが、「レポート書くといいことあるよ」とアナウンスをした。
レポートの体裁にIMRAD方式というものがある。Introduction (導入), Method (方法論), Result (結果),
and Discussion(考察)である。これに従って書くことに慣れていると、アカデミックな議論をするための作法を学ぶことができる。大学生になってからレポートが書けなくて苦労する学生の話を聞くことがあるが、いまのうちからこの形式になれておくと、大学生になったときに困ることはないだろう、と伝えている。実際卒業生からそんな報告も聞かれる。勤務校に一番近い国立大学では、英語でこのIMRAD形式の論文を書くALESSという授業もある。
市原さんはこの授業を「大学に入ったあとに役立つことはこうやって教えておくから、入るまでのことは自分でやりなさい」と〆るようにしている。生徒からは苦笑が漏れる。
峯岸さんは、高1の授業開きの報告をした。高校生になった彼らの興味はやっぱり受験にあり、授業で問題演習や解説を行ってほしいという要望が少なくない。しかし、峯岸さんは、物理の理解は「定性的な理解」と「定量的な理解」の二人三脚で育まれると考えている。問題演習をしたい生徒と、まずは定性的な理解をさせたい授業者とのバトルを続けたくない峯岸さんは、授業開きで授業者の意図を生徒と共有することにした。
* 物理が難しい原因は、「自分の予想と実際の現象が違う」という点と、「どの式を使えばいいか分からなくなる」という点にある。
* それらを克服するためには、「定性的な理解」と「定量的な理解」をする必要がある。
* 「定性的な理解」をするためには、自分の持っている「なんとなく物理」を白日のもとに晒す。 (現象の予想、自分の考えの言語化)
→「なんとなく物理」と「真の物理」を徹底的に勝負させる。 (グループでの徹底討論)
→目の前の実験事実を目の当たりにする。 (徹底討論の決着)
が効果的である。「そのような授業を私は1年間行う。」と宣言した。さらに、
* 「定量的な理解」をするためには、数式を、定義、原理・法則、公式の3つに分類し、ランクを付けることが効果的である。
ということを共有した。峯岸さんによれば今までは手の内に隠していたことを明かすようで、抵抗感はあったが、生徒との無駄な対立は今のところはないとのこと。
三宅勇輝さんは2年の物理基礎(必修)の授業について報告した。
プリント中心の授業だが、教科書を数分程度読む時間を取り、プリントに書いているキーワードを探させる。ねらいは「本時の授業の概観を先に把握させる」「情報をくみ取る練習をさせる」「授業に集中させる」の3点。問題を解く時間は個人が基本だが、周りと相談可能。教科書を見て用語を記入、問題を解く作業後には生徒自身に解答を黒板に書かせる(番号順に指名)。そして授業の最後にGoogleFormsを用いて自己評価を入力させる。
自己評価の項目は、出席番号、内容は理解できたか(4段階)、問題は解けたか(4段階)、授業で分かったことを一言書く(記述式)、簡単な小テスト。自己評価については回答することで評価に入れることを生徒に伝えている。授業の理解度を把握することを目的としているがのちにクロスチェックすることで生徒の学習の状況と筆記テストとの相関がとれるかもしれない。
初回の授業内容は、授業のオリエンテーション(進め方、評価方法など)後に、次のそれぞれについてv-tグラフの概形を描く作業を行った。
問1 同じ速さで車が走り続ける
問2 車がずっと止まっている
問3 止まっている車がだんだん速くなった
問4 走っている車が減速して止まった
上記4問を考えさせてから、指名し黒板に記入⇒解説、その後、ウサインボルト100m走の映像を見せた。
問5 ウサインボルト100m走のv-tグラフは?
問5では様々な解答があったが多くの生徒は概ね概形はかけていた。三宅さんによる解答例(PDFファイル:352KB)はここ。
ちなみに初回の小テストは「v-tグラフのvは何を表すか」で、(1)時間 (2)速さ (3)距離 (4)加速度 の四択。正答率は約80%だった。
4つのばねでつないだおもりの自由落下 喜多さんの発表
喜多さんは2023年度の物理基礎の授業でphyphoxでの加速度測定を取り入れたいと考えた。加速度センサはブラックボックスなので、そのまま導入するのは問題と考え、力学的な機構で加速度センサの仕組みをモデル化して直感的に理解できるようにと、こんな演示器具を作成した。
カメラも含めて教卓の上から落下させる。そのままだとおもりが振動してしまうので、おもりにネオジム磁石を付け(右図)、裏側にアルミ板を配置して振動を止めている。渦電流を利用したマグネチックダンパーだ。動画(movファイル1.7MB)はここ。
作成した装置の材料は以下の通りである。
〇 木材 台座 300 mm✕485 mm✕13 mm
〇 木材 カメラ台座 120 mm✕145 mm✕26 mm
〇 木材 おもり 兼 おもり取付用 20 mmの立方体
〇 ばね(5 gw/cm、自然長4 cm)ナリカ
〇 コルクボード(図4) 300 mm✕ 300 mm ダイソー
〇 Lアングル 45 mm 10 mm
(コルクボード、カメラ台座の固定用)
〇 ネオジム磁石 ダイソー(2個のもの)
〇 アルミ板 長さ300 mm 幅20 mm 厚さ3 mm
喜多さん撮影のYouTube動画はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=KNiEqKcqJW4
この動画は120fpsで撮った。落下距離はおよそ1.6mである。実際の落下時間は約0.6秒、再生時間は約2.3秒である。
ローターの中の加速度 小沢さんの発表
小沢さんは「ローターが回転する速さが2倍になったら加速度は何倍になるか?」という問いを出した授業の教材について報告してくれた。「ローター」とは、昔の遊園地にあった乗り物のことで、この問いを出す前に古い映像(左図)を見せて説明した(「岩波・たのしい科学教育映画DVD第1集VOL.7」)。等速円運動の加速度の公式を教える前なので、多くの生徒は「2倍」と答える(正解は「4倍」)。
従来の授業では、結論を説明するのみで、実験で決着をつける展開にできなかったが、今回は、右図のような野菜水切り器(山研工業 サラダスピナー バリバリサラダ ジャンボ)と、スマホのアプリ「phyphox」を使って実験で示した。
「バリバリサラダ」のかごの側面に「phyphox」を起動したスマホを置き、メトロノームに合わせてハンドルを回し(左図)、60拍/分と120拍/分のときの加速度を続けて測ると、グラフから加速度が約4倍になることを確認できた(右図)。60拍/分の動画(movファイル5.21MB)はここ。120拍/分の動画(movファイル4.1MB)はここ。
「phyphox」は加速度をどのように測っているのか、そのしくみは生徒にとってブラックボックスである。しかし、説明だけで終えずに、実験を交えて生徒の関心を引き出すことができる利点がある。なお、円運動の実験に「バリバリサラダ」を用いるのは、筑波大学附属駒場高校の今和泉さんのアイデアである。
バネ振動・単振子連成系でのパラメトリック励振に相応した仲介機構 夏目さんの発表
単振り子のような振動子が2個あり、それらが弱く結合していると連成振動現象を起こす。振幅の増大/減少が交互に繰り返し、両者の間をエネルギーが行き来する。この連成現象を、「鉛直につるしたバネと質点系」の上下振動と、そのバネ自体を単振り子と見なしたある鉛直面内での動きの間で誘起させたところ、前者の周期と後者の周期が一致している「純共鳴」条件では連成振動は困難であるのに対し、バネ振り子の周期が単振り子の周期の半分の場合に効率よく繰り返しが続くことがわかった。これはパラメトリック励振(PE)である。その移り変りではPEに相応した∞型のブランコの(漕ぐ)動きが観測された。(文献[1])
①バネが上下振動をしながら、横揺れしてくる。
②その横揺れを増しつつ、∞横八の字型(重りが左右の両端で下に下がる位相:-sin型)のパラメトリック励振過程にはいる。
③するとバネの上下振動が弱まる。
④そして、単純な一つの鉛直面での単振り子運動が1回だけ起こる
⑤再び∞横八の字型(重りが左右の両端で上に上がる位相:+sin型)のパラメトリック励振過程にはいる。
⑥横揺れが弱まって上下運動に近づく。→①へ戻る。
例会会場での実験(バネ4本直列)の等速動画はこちら。→https://www.youtube.com/watch?v=dkfCU0bUmt4
夏目さんの自宅での実験(バネ2本直列)の等速動画→https://www.youtube.com/watch?v=6a9_SSQXZAQ&t=13s
上の実験(バネ2本直列、2倍速)の高速動画→https://www.youtube.com/watch?v=ugoCjnLvFtQ&t=72s
これらの動画はYouTube検索「夏目雄平 励振」からもご覧いただける。
従来、PEは外から揺り動かす変動によって効率よくひき起こされる例[1~3]がほとんどだった。ここでは、外からではなく、系が本来持っている状態内での異なる振動形態の間で、連成振動として交互に現れている点が特徴である。連成は鉛直に吊るしたバネの上下振動と、単振り子の間で起こっているが、単振り子の振動面がどのように決まるかは明らかではない(自発的な対称性の破れとも考えられる)。他方、PE特有の二つの位相は規則的に現れることは興味深い。なお、PEの方が「純共鳴」よりはるかに実現しやすいことは下右図に示したように文献[3]に詳しい。
[1]ランダウ/リフシッツ「物理学教程 力学」(東京図書)§27。
[2]小寺忠「パラメータ励振」(森北出版)。
[3]益川敏英監修、篠本滋/坂本英継「力学」(東京図書)§4.7。
HoloThrowの斜方投射運動に関する学習支援機能の拡充 大城さんの発表
物理の学習は、数式を暗記して問題に当てはめて解くことよりも、現実の実験を通して現象を観察し法則性を見出すことの方が重要だ。試験問題などの典型的な問題ならAIでも解ける時代になりつつある。これを踏まえると、今から学ぶべきこととは何だろうか。物理に限らず、新しい問題にどう取り組むかを学ぶことが今後いっそう重要になるだろう。
さて、放物運動はとても身近な物理現象だが、観察には以下のような困難点がある。
1. 再現性の低さ: 同じ条件で物体を投射することが難しく、繰り返し実験を行うことが困難。
2. 観察の限界:投射された物体の運動を、投射主体からの視点で客観的に観察することは難しい。真横からの観察は、実験室での特殊な設定が必要となる。
3. 日常経験との乖離:教科書などで用いられるストロボ写真は、俯瞰視点からの観察であり、生徒の日常的な経験とは異なる。
「投射運動VRアプリHoloThrow」はフィール・フィジックス社の植田さんが開発したVR教材で、仮想空間内で自由な角度・強さで物体を投射し、その運動を繰り返し観察できる。ストロボ再生機能や観察位置の変更、運動の水平・鉛直方向への分解表示などの機能を備えている(左図)。VR版アプリの前段階として2次元の仮想実験アプリを作成し、愛知物理サークルの先生方の協力を得て改良を行ってきた。
大城さんは工学系の大学院でVRアプリの教育利用に関する研究をしている。植田さんから提供を受けたHoloThrowに斜方投射運動の理解に必要な機能を増設することが当面の研究目標である。高校の力学での活用を想定し、初学者が放物運動に興味を持ち、その法則性に気づくことを助ける教材として開発している。開発環境はUnityで、オールインワン型VRヘッドセット「Meta Quest2」を動作環境に想定している(右図)。
大城さんは従来のHoloThrowの機能に加えて、刻々の速度ベクトルを表示する機能(左図)や、複数の投射について軌跡を比較できる機能(右図)を追加した。研究室の学生対象のユーザビリティテストでは好評だったが、実際の生徒の反応を知りたいところだ。今後、高校生対象のテストを計画している。
会場の参加者からは、加速度ベクトルも表示できる機能を加えてはどうかとか、中学生も対象にしてもよいのではないか、教育学部との共同研究を行ってはどうかといった意見が寄せられた。スマホ対応できるとなおよいという意見もあった。
最後に開発者の植田さんからのコメント「VR・MRのRはRealityの頭文字です。とても抽象的な物理の学習に具象性(Reality)を持ち込むことは、私たちの総意ではないかと思います。皆様のご意見をお待ちしています。」
祖母が楽に坂を登るには 柳井さんの発表
柳井さんは高校2年生。中学生のときからYPCに参加している。例会で発表するのは今回が初めてだ。高校生の発表は大変珍しい。
柳井さんの家は坂の上にある。祖母が家に帰る際に必ず坂を上らなければならないため、2つある坂のうちどちらの坂が楽か、そして楽に上るためにはどうしたら良いか、を研究した。
【検証1】どちらの坂が楽かを調べる
→傾斜の角度 計測は分度器によるものと、水槽の水面の傾きを測るものを行った。
→斜面の長さ 歩幅による計測と、標高差と角度を使った計算で求めた。
→道のり全体の長さ 歩数を使って計測した。
→消費カロリー METs値を使って計算した。
結果、祖母がよく使っている坂の方が「楽」なのではないか、ということがわかった。
【検証2】楽に上る方法
→坂での体勢 直方体の木片を用いて倒れない重心の位置を調べた。
→靴の摩擦 黒い靴クリームや大理石の板などを用いて接地面積や滑りやすさを調べた。
→重さによる影響 乾電池をおもりとして用いて、重さとかかる力の関係を調べた。
結果から、
-体を少し前に傾けると楽に上ることができる。
-体重が軽い、または荷物が少ない方が楽に上ることができる。
-坂を楽に上れる靴の方が摩擦が大きい、つまり靴は摩擦が大きいと坂を楽に上ることができる。
ということがわかった。
なお、この研究は第17回「科学の芽」賞中学生部門で努力賞を獲得している。
磁針ジンバル 曽谷さんの発表
磁場の向きを示すのに磁針を使うが、普通のコンパスは水平面内で回転する。しかし、実際の磁場は3次元的である。曽谷さんは小さなネオジム棒磁石にジンバルをとりつけて自由に3次元回転するコンパスを作った。職人技が光る出来映えだ。
曽谷さん解説の作り方は以下の通り。
・「パイプAの外径=パイプBの内径」となる 2 サイズのパイプ (アクリル/ポリカーボネート等) を準備する(作例では 外径=12mm)。
・各パイプを適度な長さ (作例では 磁針に相当するネオジム磁石のサイズに合せて 3mm)で輪切りにする。
・各々にパイプを貫く軸穴 (作例では 0.9φ) をあける (この位置決めが難しい)。
・内側のパイプの穴に軸 (0.8φ長さ11.5mm 真鍮) を仮セットする。
・内側と外側のパイプの軸穴が直交するようにパイプを被せ合う。(一般に外径=内径の 2 種パイプは嵌合しないので「圧入」または「焼嵌」で加工)
・軸を挟んで小型のネオジム磁石 (作例では 1.5mm 厚 3φ4 枚) を接着剤で固定する。
・外側のジンバル支持枠を工夫する。
物理のおかしな説明 西尾さんの発表
西尾さんは昔のブルーバックスから2冊、最近の論文から1編を取り上げ、間違っていたり不適切であったりする説明を紹介した。
ブルーバックス993「数学トリック=スポ-ツ編」では、有効数字の計算問題で円周率を含むものがあり、2桁の測定値に合わせた2桁の有効数字3.1を使うことが正解とされている。有効数字の乗除では最小桁数にそろえる、というルールを誤って適用しているわけだが、もちろん通常は1桁多い3.14が使われる。そもそも円周率は測定値ではなくいくらでも厳密な数値が求められるが、仮に測定値だったとしても、あえて他の測定値の桁数に合わせて四捨五入することはなく、少なくとも1桁多い有効数字は取るものである。
ブルーバックス1328「クイズで学ぶ大学の物理」には、多くの誤りや不適切な記述がある。その筆頭は、作用反作用の法則を誤解していることである。
力をおよぼし合う2物体が、質量がまったく違っても、加速度運動していようと、常に成り立つというのが大事なのに、なんとこの本では「静止もしくは等速」という前提条件がつく。そして、「つり合う2力」との区別ができないという典型的な誤解のもと、作用反作用の合力を議論している。この他に、「人がバケツを持っていたり、歩いていたりするときにエネルギーを使うのは、バケツや人体を上下に動かす仕事が必要だから」「電気機器の表示のワットはWではなくWhである」「音源が動くと音速が変わるので、ドップラー効果が起こる」といったトンデモ説明を紹介した。
日本物理教育学会の学術雑誌「物理教育」最新号のニュートンリングに関する査読論文は、教科書の干渉条件が幅のない干渉縞を導くものだという誤った解釈から出発している。薄膜空気層の上面の反射光と下面の反射光を波の式で表し、その重ね合わせから強度の理論式を導いている手法そのものには問題ないが、もともと連続量である空気層の厚さ d や中心からの距離を変数として計算すればよいのに、干渉条件式を使って整数mに置換して議論している。そして、最後の結論が「mを実数に拡張することで、最明部と最暗部以外の明暗部も表すことができ、ニュートンリングに生じる幅の説明が可能になった。」なのである。
ISSでピタゴラ装置 車田さんの発表
星出彰彦宇宙飛行士がコロナ禍のさなか、コマンダーをつとめたISSミッションの中で撮影した「宇宙ピタゴラ装置・完成編」の紹介。車田さんがピタゴラスイッチの貯め撮りを整理していて発見した。下記「NHK
for School」のWebサイトから視聴できる。ピタゴラスイッチ20周年記念企画らしい。
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005260263_00000
数対四字熟語 車田さんの発表
「YPC別館・天神のページ」に「数対四字熟語の分布」という記事がある。数対四字熟語(すうついよじじゅくご)とは四字熟語のうち第一文字と第三文字が数の対になっているものを呼ぶ造語である。その分布には偏りがあり、法則性を探ると面白い。表には多くの空欄があったが、車田さんは勤務校の図書室で、「日本名数辞典」という除籍本が目にとまり調べてみた。他に「岩波
四字熟語辞典」、「数のつく日本語辞典」もあり、3冊より図の黄色い欄の熟語が新たに見つかった。二尺八寸、四十九日、六十六部は残念ながら資格を満たさないが、かなりコレクションが増えた。(左図はクリックすると拡大する。)
また問題になるかけ算順序 市原さんの発表
例会会場に来るまでの電車の中で、市原さんが見かけたX(Twitter)の投稿に写真左のようなものがあった。ここでツッコまれている方は「F=amと書かれると、aを質量と置いている、mを加速度と置いている、と見えてしまう」と言っているのだ。当然ながら、順序を変えたくらいで記号の意味が変わるわけではない。F=maだろうとF=amだろうとma=Fだろうと同じだ。
この背景には、根深く問題視されている、算数でのかけ算順序問題というものが絡んでいる。市原さんは小学生が身近にいるので、小学校でかけ算順序指導が行われていることは経験している。ひどいものだとこのようなことがまかり通っている。このかけ算順序問題は、10年くらい前から見聞きすることが増えてきたが、特異な話ではなくなっており、データを取ったわけではないが、肌感覚ではマイノリティに起きていることではない気がしていると市原さんは語る。かけ算順序問題の指摘に対して(おそらく)先端を走っている、積分定数という方が同人誌(右図)を出しているが、発売直後数日で売り切れた。たまたま例会当日に再販を始めた。現在、こちらから購入できるので、興味ある方は購入可能なうちにゲットされることをおすすめする。
二次会 護国寺駅前「インドレストラン シルザナ」にて
10名が参加してカンパーイ!例会本体には対面で23名、オンラインで9名の参加があった。この二次会会場は、コロナ禍に突入する直前、4年前の2月例会で二次会を行った会場だ。「ようやくここまで戻ってきた」感がある。だが、例会会場の確保に関してはまだ復旧していないので、YPCはまだコロナの後遺症に苦しんでいる。例会会場募集中!
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