例会速報 98/04/22 慶應義塾高校


前の月の例会例会アルバム目次次の月の例会


YPCホームページ(本館)へすたのページ(別館)へ天神のページ(別館)へ次回例会のご案内 



カレー粉試験紙 高杉さんの発表

 カレー粉をメタノールに溶かして上澄みを濾紙にしみこませ乾燥すると、手軽なpH試験紙になる。呈色はpH=8.2で橙、9.3で赤、11.2で深紅とアルカリの判定に使える。石鹸でぬらした指を触れるとこのとおり。



 カレー粉溶液の下にマジックリンを少し入れておき(左)、スターラーで撹拌すると液は下から赤く染まる(中)。赤くなった溶液に上から酸を注ぐと色は再び黄色に戻る(右)。



水+濃硫酸の発熱と吸熱 岩下さんの発表

 濃硫酸を水に加えると発熱するのはよく知られているが、水ではなく氷だったらどうだろう。融解熱(吸熱)と溶解熱(発熱)のどっちが勝つかな?岩下さんはいろいろな条件でこれを試してみた。氷、水、濃硫酸の各量と加える順番で結果は異なる。適当な組み合わせだと氷+濃硫酸はむしろ寒剤としてはたらく。例会の実験では−10℃近くにまで温度が下がり、雑巾が凍った。




恐怖の玉子割り 鈴木さんの実験

 鶏卵の殻は意外に丈夫。かつて鈴木さんは鶏卵4個の上に立つことのできる「人間玉子乗り器」を開発した。人が乗れるぐらいだから手で握ったぐらいではびくともしない・・・・・はずだった。

 しかし、何人かが試みに横方向に握ってみると・・・

 玉子はあえなく握りつぶされてしまった。あーあ(ーー;)。かなりの勢いで中味が噴出する。思わぬとばっちりを食ったたかすぎさん、ごめんなさいm(__)m。この実験はボツ!


蛍光管で大気圧の実験再び 水野さんの発表

 前回は、【理科の部屋】のイルカさんから教わった方法を追試したが、水野さんはもっと手軽だという実験法を披露。管の端に近いところをガムテープで巻いて水中で叩き割る。あっという間に水が流れ込んで・・・・あれー、上まで行かないぞ。空気が入っちゃったみたいですね。やっぱりイルカさんの方法の方がいいんじゃないの〜という冷たい声も(^^;)



算数のマス 水野さんの紹介+小河原さんの紹介
 1リットル=1000立方センチメートルがピンとこない生徒にこんな教具がおすすめ。小学校教材の「算数のマス」。1cm四角のサイコロ10個分で棒1本。その棒が10本で板1枚。その板が10枚ぴったり入って10cm四方のマスになる。水を入れてみるとぴったり1リットルだ。当たり前のようだが、10cm角のマスに牛乳パック1本分がぴったり入るという感覚がない生徒も少なくないのが実情だ。
 ところで、右の写真は小河原さんが持ち出してきた二つの紙の箱。どちらかが1.1リットルで、体積10%増しなのだが、わかるかな?体積は見た目ではなかなかわかりにくいという実例だ。


アルミ管+ネオジム磁石の空中浮遊 喜多さんの発表

 アルミ管を鉛直に立てて中に強力ネオジム磁石を落とすと、アルミ管に渦電流が生じて制動がかかり、磁石はきわめてゆっくり落下する。アルミ管の肉厚を変えてみたらどうだろう。


 内径が同じで肉厚が異なる2本の管で比べてみると、明らかに肉厚の方が滞空時間が長い。肉厚の方が電気抵抗が小さいので、より小さな磁界変化率で同程度の渦電流が流れているということだろうか。

マグヌス効果の演示 堀さんの発表

 NHK「やってみようなんでも実験」の実験装置製作を担当しているオフィス・ラフトの堀さんが、「落ちた!曲がった!魔球の科学」の回(実験名人:福岡工業大学教授溝田武人氏)で使用したマグヌス効果実験機を披露してくれた。左右にスライドできる回転円筒に風をあてると円筒は横滑りをはじめる。無論、回転方向を逆にすると逆方向に滑る。カーブやシュートの演示が自在だ。



 駆動部はすっきりとできている。発泡スチロールの円筒の中心に軸を通すのが難しいとか。スライド部は小さな戸車を使っている。

二重の人工虹 片桐さんの発表

 創価中学校技術工学愛好会の皆さんが、YPCではおなじみの虹スクリーンの改良に取り組むうち、アルミフォイルの光沢面や鏡の面に虹ビーズを貼り付けると二重の人工虹が観測されることを発見した。

 二つの虹は共に外側が赤で、虹輪の内側が明るい主虹であるが、中心がずれている。どうやら内側の虹は、ビーズの後ろへ透過した光が鏡面で反射して再びビーズを通り作り出すものらしい。

 写真がうまく撮れず実際の虹のようすをここでご紹介できないのが残念だが、研究の成果はまもなくSUT誌上に発表される。

天燈(テンダン) 鈴木亮太郎さんの発表
 鈴木さんの台湾みやげ、「天燈(テンダン)」。お祭りで使う紙製の熱気球だ。白い本体に願い事などを書いて飛ばすのだという。十字に交差した針金の交点に灯油を含ませた紙をとりつけて燃やす。


 さっそくリフトオフだ。燃料に点火し膨らむのを待って手を放す。直径1mほどの大きな気球は、燃えながら高々と夜空に上がった。一同から歓声が上がる。例会ではひもをつけて実験したが、本場台湾では灯籠流しよろしく次々に空へ飛ばすのだそうだ。壮観だろうなあ。

 


 以上の他、慶應高校地学教室の松本さんの「インターネットライブカメラの構築」という発表もあり、「地学教室からのライブカメラ画像」を見せていただきました。これらについては直接地学教室のホームページへのリンクでご覧ください。


二次会

 1ヶ月半ぶりだからネタが豊富だったね〜。お疲れさま。かんぱーい。

 二次会のオークションで未使用の天燈を落札した小沢さん。「怪しまれないように持ち帰るにはどうしたらいいかなー。」「やっぱりかぶるのが自然じゃない?」


前の月の例会例会アルバム目次次の月の例会


YPCホームページ(本館)へすたのページ(別館)へ天神のページ(別館)へ次回例会のご案内