例会速報 98/10/21慶應高校


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振動ゴキブリ大集合!塚本さん、宮崎さん、慶應高校の発表

 このごろひそかなブームをよんでいる振動自走式多足玩具「振動ゴキブリ」(広島サイエンスクラブの土肥健二さん考案)の変形版が偶然にも大集合した。申し合わせたわけでもないのに、なんでこんなに集まるんだー!?


塚本さん製作の4足式(左)と2足式(右)。足にはPETボトルを切り抜いたチップを使っている。ニクロム線の抵抗でスピード調節ができる。


ワイヤブラシを利用した宮崎さんの作品(左)と、塚本さんの作品(右)。動力はいずれも偏心モーターにより得ている。

こちらは慶應の備品。中村の超音波運動体ユニット\3500。

これだけそろうとなかなか壮観だ。


小型モーターを用いた各種実験 塚本さんの発表

 秦野物理サークルの塚本さんが久しぶりに来てくれた。小型モーターを使ったたくさんの実験器具をご披露いただいた。上記のゲジ虫は、そのプロローグである。

偏心モーターの振動源。ニクロム線の可変抵抗で振動数を変える。弦定常波の実験や、水波の実験の振動源として使える。

下はぶら下げ式の振動源。電池ボックスをモーターと一体化し、おもりと兼用する。弦の定常波を手軽に示すことができる。


これも小型モーターを使ったチョッパー。周期現象を観察するのに便利。うまく同期させると振動体が静止して見える。もちろんスローモーションもOK。

ミニドリルとしてもよく使われるモーターピンバイス(左)を使うと、各種のユニットを手軽にモーターに取り付けることができる。右は渦電流の実験をしているところ。




 軸に巻いた糸を引いて、モーターを発電機として使う。発光ダイオードを光らせたり、他のモーターを回したりする。往復で電流の向きが異なることや、ダイオードの整流作用も同時に示すことができる。この発電機で1Fコンデンサーを充電して、モーターを回す実験も披露された。

 これは塚本さんの発表のおまけ。PETボトルを螺旋状に切ってつるまきばねにした。ちゃんとフックの法則が示せるそうだ。家庭用実験に推奨できる素材かもしれない。

ネオジムリング 水野さんの発表

 ついに出た!リング状ネオジム磁石。待ち望まれていたアイテムだ。今まではパイプ内を渦電流による制動を受けながらゆっくりと落下するネオジム磁石を、上からのぞいていたのだが、これなら大勢で同時に見ることができる。

 黄銅、アルミ、銅で落下の速さを比較する。黄銅が速く、銅が一番遅い。抵抗率の違いだ。

教訓茶碗・進化バージョン 金子さん、鈴木さん、松本さんの発表

 金子さん製作の教訓コップ。曲げたアクリルパイプを取っ手にしていて、これがサイフォンになっている。とってもいいね(^^)。

 鈴木健夫さんは、仮説社「楽しい授業」’86年4月臨時増刊・「ものづくりハンドブック」P.13に載っていた愛知の池田基博さんの記事を紹介した。写真は名倉弘さんの教訓コップの内部構造。この外側にもうひとつコップをかぶせて、仕掛けを隠す。

 こちらは元祖教訓茶碗。松本さんは前回の例会で披露したカットモデルにアクリル板を貼って水が入れられるようにした。内部構造がよく見えて、動作もわかる。秀逸の作品だ。



水鉄砲は穴が小さいとよく飛ぶ? 右近さんの発表

 10/12放送の「やってみよう何でも実験」での水鉄砲の実験の解説がおかしいのではないかとの議論から、検証実験となった。しかし、10/17の放送ではこのシーンは差し替えられ、訂正されていた。

 さて、それはそれとして、PETボトルの同じ高さのところに大小の穴をあけたら、どちらの穴から出た水が遠くへ飛ぶか・・・。「水圧が同じだから飛ぶ距離は同じ」との答えが多かったが・・・

 実際はこの通り、大きい穴の方が遠くに届く。

 こちらは3つの穴をあけた天神の装置。結果は同じ。

 右近さんが流体力学による解説をしてくれた。水流が飛び出す速さは穴の径に依存することが示される。穴が大きいほど流速は速くなる。ただし、複数の穴をあけた場合を厳密に解くのはやや難しそうだ。


ドミノ倒し 堀さんの発表

 重心の高いドミノと、重心の低いドミノで、ドミノ倒しの速さに差が出るか。木片にパチンコ玉を埋め込んだ自作ドミノで試してみる。 


 重心の高いドミノ(左列)が一瞬速く進んだ。重心が高い方が倒れやすいのは事実だが、意外と差が付かない。はたしてこれが有意な差なのかということも議論になった。
 ともあれ、この実験は10/26放送の「やってみようなんでも実験」で紹介される。

折り畳み式竹とんぼ 小河原さんの発表

 10/19の「やってみようなんでも実験」に出演した、YPC第六代名人の小河原さん。番組では紹介されなかった、折り畳み式竹とんぼを披露。市販の竹とんぼの羽根を切断してちょうつがいでとめた。回転すると遠心力で自動的に羽根がのびる。

 こちらは番組でも使われたボール紙の折り畳み式竹とんぼ。見事に舞い上がる。まるで火消しのまといのようだ。


脱水機のモデル実験 小河原さんの発表

 これも、番組内で使われていた遠心脱水機のモデル。PETボトルに多数の穴をあけて回転ドラムとしてある。バランスよく「洗濯物」を入れるのがコツ。


バイルシュタインテスト(銅炎法)宮崎さんの発表

 「教養理科」という講座でダイオキシンを取り上げた宮崎さんの授業報告。燃やすとダイオキシンを発生する塩化プラスチックを見分ける手軽な方法がバイルシュタインテストだ。銅線の先端に調べたいプラスチックを融着し、バーナーの炎に入れると塩素が含まれていれば塩化銅の緑色の炎色反応が見られる。


太陽熱発電機試作中 花岡さんの発表・中間報告

 ペルチエ素子を使って太陽熱を電気に変えられないかとチャレンジした花岡さん。なかなか形はいいが、残念ながら結果は芳しくない。いくつかの改良案を討論した。



二次会 日吉駅前のとらやにて

 例会には27名、二次会には18名が参加。今日は久々に盛りだくさんだった。お疲れさま。

 会場の酒場で見かけた妙な看板。お店の方の熱心な解説を聞いて、一同苦笑してしまった。でも、飲んでみると確かにおいしい。要するに浄水器による人工ミネラルウォーターのようだ。しかし、この手の民間信仰が、授業より受け入れられやすいというのは我々としても反省しなければならないところだ。


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