2008年5月10日の例会の記録の第2ページです


 暗算博士の謎を解く (児島さん  
 978+211+475+921を加えると?
2585です。
 数字の列を並び替えても、あっという間に暗算できてしまいます。
 数学サークルで教えてもらった暗算博士の謎を解いて、授業の教材として使えるようにしてみました。
 秘密は縦に並ぶ数字の列にあります。
 各列の数は、真中の上側が桁上がりをする数値で、下側がその桁の数字になっています。
 2本並べたときは、右側の上の数字と左側の下の数字を加えます。

 3本で3桁、4本で4桁の暗算が簡単にできてしまいます。
 並び順を変えてもやり方は同じです。
 同じ原理でできている4本の数字の列です。
 この秘密解けます?

 詳しくは児島さんのページを参考にしてください。
 http://www.babu.jp/~kojima/asobi/annzann20.htm


 鱗粉の色は光の干渉 (川田さん  
 中南米に生息するモルフオ蝶です。美しい色はタンパク質で出来た鱗粉から放たれます。
 鱗紛は、透明な厚さ0.2μm、幅0.1mmの薄板が層状に重なり数ミクロンの厚さで出来ています。一段違う層で戻射した光は干渉して色づきます(多層膜干渉)。厚さ0.2μmの層の光の干渉は、赤色を弱め、青色を強めます。
 一般に蝶は干渉に加えメラニン色素も加わり複雑な色合いを出すのです。

 瑞浪市の博物館でこの蝶の姿を見て感動して、学芸員に頼み込んで購入先を教えてもらい入手しました。

 超(蝶)高価だったとか???

 棒の振動の周期は? (川田さん  
ペットボトルの上に定規を置いて揺らしたときの周期はどうなるだろう、こんな疑問がわいたので考えてみました。
 棒がθ傾いたとき、θは小さいものとして点Pの周りの回転の運動方程式は

      

 OPが小さいので慣性モーメント I は中心Oで考えて求めました。
 R=0.090m、棒の長さ=1.00mのとき
 計算値の周期 T=1.93s
 実験値=1.88s
  有効数字を考えればよい一致だといえますね。

 実際は、棒は振動しながら振動中心が移動するので、この計算からずれた値(たぶん小さいずれでしょうが)になると考えられます。 

 

 衝撃波?それとも分子運動の速度? (林さん  

 透明管内に、2個のコンデンサマイクを 1m離して置き、片端から送る音の信号を捕らえて音速を測定します。この方法はいろいろ応用されてきました。
 <参考>
  2004年5月15日例会 管内の音速測定
  2006年5月20日例会 気体中の音速

 管内が1気圧の状態で片端から拍子木で音を出し、2つのコンデンサマイクの信号をオシロスコープで捕らえると、到達の時間差が得られます。
 この値から音速を出すと 347m/s 。
 
 管内を少し減圧して実験をしても同じ値が出ます。つまり音速は圧力によらないといえます。


 今回は、管内を大きく減圧して真空に近い状態にします。この状態で片端に穴を開けたときの信号を捕らえます。
 

 片端をセロテープでしっかり密閉して、真空ポンプで減圧します。
 小さな穴では信号が小さいので、はさみで一気に穴を開けます。 うまく穴が開くと白い霧(進入する空気の断熱膨張による霧?)が管内を走ります。
 
 オシロの信号記録から得られる速さは 531m/sでした。

 これは何の速さでしょう。

 (速さの値は減圧の度合いで変化します。2回目の測定では480m/sでした。)
 林さんは、空気の衝撃波の速さではないかと考えていますが、異論も出ました。
 1つは空気分子の速さになるのではないかという意見。
 先端の空気塊の速さをあらわしているのではないかという意見。
 いずれにせよ音速よりかなり大きい値がでています。この数値の意味がはっきりすれば、教育での利用をさらに深められます。
(音速の測定だけでも十分教育的価値はありますが・・・)

 踊る人形 (永田さん  

 紙皿に軸と磁石をつけて、容器の中で回します。容器の上に、右の写真のようにクリップをつけた人形と磁石をつけた人形を置きます。
 人形たちはどんな動きをするか予想できますか。

 <参考>
  2006年7月8日例会 回り続ける円錐
 クリップの人形は静かに回り、磁石の人形はクルクル回転しながら回ります。これは楽しいですね。

 この動きを利用した貯金箱まで作ってしまいました。中にモーターを利用した磁石つきの回転する円盤があります。
 家の入り口にコインを入れると、しばらくの間人形たちが踊ります。人形によって動きが少しずつ違っています。

 こんな楽しい貯金箱なら、どんどん貯金して、家が建って踊って暮らせる(?!)ようになるかもしれませんね。
 

 誕生日Car (永田さん  
 かわいい車型の人形ですが、なかなかのすぐれものです。
 誕生日を迎えた子供から少しはなれた所から走らせます。子供の前で止まって胸のライトを光らせます。
 「HAPPY BIRTHDAY!」

 早からず、遅からず、適度な速さで走ってくれます。
 どんな仕掛けが・・・・
 何と、OHPシートを短冊状にして、これを巻きつけていたばねとして使っています。(アイデア賞!)
 これが適度な速さを作り出しています。
 相手の目の前で止まった車は、勢い余って頭を床にぶつけます。頭の星がスイッチになっていて、この衝撃(?)でスイッチが入りライトがつきます。
 これもまたアイデア賞!ですね。 

 あっという間に日焼け! (永田さん  
 偏光板を使っての「通り抜ける壁」を思わせるような箱ですが
、中心の棒を動かすと、窓から見える絵が、日焼け前から日焼け後になり、顔の色が日焼けで黒くなります。
 小さい子は壁が見えるよりこちらのほうが楽しめるかも。
 よく知られた原理でも、別の視点で応用すると、楽しい作品が作れるのですね。

 ところで、偏光板をどう使っているかわかりますか?

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