2003年9月27日の例会の記録の第2ページです


散乱
(奥谷さん)
 前回の例会で山本さんが発表した石鹸水の散乱を、透明なテニスボール容器をつかってつくりました。中の液は水に水性ワックスを数滴いれたものです。散乱の偏光を示すために偏光板を下のように貼ってあります。
 白色LEDのライトを当てると、先に行くにしたがって赤くなっていくことが一目瞭然です。偏光板から偏光していることもよくわかります。


念力
(奥谷さん)
 テレビでミスターマリックがやっていた手品(超魔術?!)です。

 アクリル管、アルミ管、しんちゅう管を並べ、中に金属球を落とします。
 念をかけるとアルミ管での金属球の落下が遅くなる!というもの。
 
 もうおわかりですね。金属球は磁石でした。
 でも、知らない人は本当に信じちゃうかも・・・。
 

シャカシャカ懐中電灯
(奥谷さん)
 市販の振るだけでつく懐中電灯です。磁石の運動をコイルで電流に変換しているわけですが、何と簡単に分解でき、別の色のダイオードなどをつないでも使えます。
 余分なものを取れば、原理剥き出しの実験装置になります。
 手作り(管にコイルを巻き、磁石を管内で動かす)の装置と、市販品を分解した装置、
あなたはどちらを使いますか?

青空の偏光
(伊藤政夫さん)
 前回の例会で発表した、空で太陽の方向を知る方法の実証です。(今日は快晴)
偏光板にセロハンテープを矢印型に貼ります。空からの光がテープにあたると、テープは振動面を90°変えるので、入射光の偏光の向きによってテープの部分が暗くなります。両側のテープの部分が同じ程度の暗さになると、矢の方向が太陽の方向ということになります。
 ややこしいですが、昆虫はこれを上手に利用して太陽の位置を読み取っているということです。

両側が同じ程度に暗くない。

両側が同じ程度に暗い。矢の方向は太陽の方向だ。
 さらに、昆虫の複眼モデルとして、形を扇形につくってみました。
 両側が暗いので太陽は暗いほうの向きにある、ということになります。

 矢印のほうがよくわかる、という声が多かったようです。昆虫に聞いてみたいですね。

Kineti Card
(伊藤政夫さん)
 夏に東京の上野駅のスタディルームというところで購入したものです。縦縞のシートの後ろの紙を動かすと、絵が動きます。
 黒の縞の幅が透明な縞の幅より大きく、紙にいくつかのコマを書き込むことができます。
 このためコマ送りのような動画を見ることができます。
 
 自分でも作ってみたそうです。絵はコンピュータでつくりました。
 写真ではわかりにくいですが、コウモリが飛ぶ様子を見ることができました。

ゴム管クインケ
(山本さん)
 水道用の三つ又にシリコンゴム管をつけ、クインケ管として使います。
1つを耳に入れ、振動している音さをゴム管につけて、音の強弱を聞き分けます。

 山本さんは、生徒にこの装置で共鳴点をみつけさせ波長を測定させているそうです。

光の3原色
(飯田さん)
 以前に発表した光の3原色の装置ですが、点光源あるいは線光源が得られなくて、はっきりした色の分離が得られませんでしたが、何と100円ショップの電球にgoodな電球を見つけました。

 ほぼ線光源といえるような電球です。
 3つの光の出口にセロファンをはり、3原色の光を取り出します。
 両サイドの光は鏡で前に集め重ね合わせます。
 実物は写真よりきれいです。
 スクリーンに映した色もくっきり鮮やかでした。
教訓:安いものでもいいものはある。

表面張力
(飯田さん)
 コップに水を入れ、厚紙で蓋をして逆さにすると水はこぼれません。
 では、そのコップに針を刺すとどうなるか、という問題です。待ち針を刺してあり、これを抜いたらどうなるということで実験しました。
 どうなると思いますか?

 次にコップに穴をあけて、逆さにして水の中に入れたコップを持ち上げていきます。穴の大きさと高さhがどんな関係があるか。

 2つの実験から、表面張力の大きさについての論証をしてくれました。
 実は前回の例会での表面張力についての論議の続きでした。 
 
 飯田さんの結論。
 上図のような場合、蓋を支えている力は、
  蓋が重い場合は圧力
  蓋が軽い場合は表面張力  
  

地球に水があることはどんな意味があるか
(井階さん)
 水をテーマに実験を考えるという研修で、花崗岩の加熱と冷却を水のそれとを比較する実験をおこないました。
 岩石の比熱を直接調べるということはあまりやりませんが、時間と温度の変化を調べ、確かに花崗岩の比熱は水より小さいということを確認しました。
 水の近くの地域は気温の変化が小さく、内陸部は大きいことを気象データでも確認。
 熱の出入りで気象について多くのことが理解できます。
 
       加熱前花崗岩               加熱後花崗岩

書評紹介
(井階さん)
 NHK取材班編「東海村臨界事故 被爆治療83日間の記録」に対する柳田邦男さんの書評の紹介です。 


光の反射を体で納得
(戸田さん)
 今年の夏、科学教育研究協議会(東京)で発表したレポートで、光の反射にかかわる様々な実験についてまとめてあります。
 レポートの最初にこのような文があります。
 「物理は物の科学です。しかし、多くの学校では受験問題を解くのに多くの時間をかけ、実験をする暇がないといわれます。チョークだけで授業をしている学校がたくさんあるのが現状です。でもものを見せる姿勢があればいくらでも工夫することができるのではないでしょうか。
 
 皆さん、知恵を絞りましょう。
 

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