2004年2月14日の例会の記録の第2ページです


救急車の裏文字
(鈴木さん)
 救急車の前面に書いてある文字は、何か変です。通称でいう裏文字になっています。
 これは、救急車の前を走っている車が、バックミラーで見たときに、ただしく救急車と読めるようにとの配慮からです。
 面白い配慮ですね。
 
 

エタノールで回るプロペラ
(船橋さん)
 東京都立小平南高校の堀内和夫さんのレポート「表面張力に関する2,3の実験について」の追試です。
 写真のような3枚羽のプロペラの形に切ったろ紙を用意します。羽の片側に修正液(ホワイト)を塗り乾かします。(修正液の代わりにのりをぬってもよい)
 ろ紙にスポイトでエタノールをかけしみこませます。水面にこのプロペラを静かに置くと、あら!、プロペラが回りだします。面白いですね。

 水面におけるエタノールと水との表面張力の差により力を受けて回るというものです。
 エタノールの表面張力<水の表面張力、なので各羽は修正液がわに向く力を受けることになります。

 ならば、修正液でなくてもテープでもいいのでは、という意見が出て、早速実験。
テープでもちゃんと回りました。

 次に、回る様子を見ていた一人が、どうもエタノールが流れていくように見える、との意見。
 濃度差でエタノールが流れていくなら、その反作用で羽が逆向きの力を受けてもおかしくはないです。
 エタノールが流れ出さないような少量で試すか、エタノールの液面で試すか、してみないと決着はつけられないかもしれません。

 同じ現象を見ても、実にいろいろな見方があるものですね。

乾電池一個の強力磁石
(戸田さん)
 リニアモーター用につくったコイルに乾電池一個をつなぎ、電磁石にしました。鉄板をくっつけると、二人で引いてもとれません。超強力です。

 

踊る磁石粉
(戸田さん)
 今度はリニアモーター用コイルに100Vの交流をつなぎます。コイルのリアクタンスは20オームぐらいだそうです。
 そしてこのコイルの上に、フェライト磁石の粉と発泡スチロール球を入れた容器を置きます。
 すると、磁石粉が踊りだし、それに押されてスチロール球も踊ります。
 そうです。ブラウン運動を見る模型になっています。
 
 リニアモーター用コイルは利用価値がありますね。

 

 磁石粉が踊っています。

元素カタログ
(戸田さん)
 戸田さんがさる筋から手に入れた製品カタログ。
 あらゆる(?)元素や物質を注文できます、とのことです。
 研究用に特殊な物質が必要だという人には、手元にあると便利ですね。
 あと、お金もないと・・・・。

 ウランとかプルトニウムとかも売られているんでしょうか・・・。

紙製歯車楽器
(戸田さん)
 紙で作った歯車で演奏を試みました。
 残念ながらあまりいい音はでませんでした。
 歯車が軽く、慣性が小さいために、振動板(紙製)をあてると
回転が変わり安定した音になりません。

 やはり金属製の歯車楽器がいい音をだしますね。でも持ち運びが大変。
 あちら立てればこちら立たず、すべてにうまく行く道具を造るのは難しいですね。
 

逆教訓茶碗
(戸田さん)
 山岡さんが2003年9月27日の例会で発表したg、逆教訓茶碗を作ってみました。浮きは発泡スチロール。ストッパーの部分に発泡ビニールシートを巻いたのが新しい工夫です。
 少量の水だと底から漏れますが、大量の水を入れると、漏れはぴたりと止まります。
 すごい!

 器具は、いろいろな工夫を経て進化していきます。

マルクス回路
(山岡さん)
 高耐圧のコンデンサと抵抗で、直流入力電圧のN倍の高電圧を取り出せるマルクス回路です。オレンジ色の部分は整流部。ネオントランスの出力を整流しています。
 黄色のコンデンサは10KV耐圧1000pF。
 充電したコンデンサの足元のギャップの部分が放電すると、10個のコンデンサが直列につながることになり、入力電圧の10倍の出力電圧になります。
 入力4000Vぐらいで、出力電極間隔4cmでも放電が起こります。
 ギャップの放電と出力電極間の放電と、見ていてなかなかきれいです。

 さて、これで何をするか・・・・・・・




電場中の炎
(山岡さん)
 藤田先生の話にも出ていた、ろうそくの炎を高電場中に置いたらどうなるか、という問いの答えです。
 左は電場なし。右は2枚の極板間に約6000Vぐらいかかっています。炎は負極がわに傾きます。
 下は点電極の場合を試みたものです。銅線にやはり6000Vかけてあります。炎の下の部分にに電極を置くと、炎が最も激しく
影響を受け、時には消えてしまいます。

 炎の下の部分にイオンがたくさんあり、電場の影響を大きく受けると考えざるを得ません。

 ろうそくの炎の中も複雑な事がおきているようです。

次々発展する引っ込み思案
(飯田さん)
 元祖「引っ込み思案」は直線型ですが、平面型や立体型もできました。今回は立体型を工夫して、紐の出口を角にまとめました。こうすることで引っ張る紐の長さを長くできます。
 
 いろいろな工夫で、いっそうの驚きを生徒の心に起こせられれば、よい教材になりそうですね。



電子レンジによる火の玉の実験
(伊藤さん)
 伊藤さんが顧問をしている、菊里高校理科部の研究発表の内容を紹介してくれました。
 
 電子レンジで作ることのできる火の玉の発生と、できた火の玉の正体についての研究です。
 
 高校にある道具と材料で、立派な研究が可能だという実例ですね。
 

 発光の様子をビデオで紹介。

火の玉の正体を探るための分光器。もちろん手作りです。

フーリエ解析による蛇腹ホースの発音の考察
(伊藤さん)
 これも菊里高校理科部の研究発表の内容紹介です。
 振り回すと鳴る蛇腹ホースから出る音の解析をしたものです。
 このために、音の周波数解析(フーリエ分解)を行うためのソフトを自作したとのこと。高校生でできることではないような気もします。教員でも難しい・・・・・・
 菊里高校には優秀な生徒がいるのですね。
 
 解析をすすめていくうちに、同じ長さのホースと蛇腹ホースでは共鳴振動数が異なる事がわかってきました。蛇腹ホースの方が低くなります。
 なぜこんなことが起こるか、を理解するために、ホースと蛇腹ホース内での音速を測ることができればよいことがわかりました。
 今すぐはできませんが、興味深いテーマですのでぜひ測定してみたいですね。

 身近な物品にも不思議な事が起こっていることに気づかされました。物理って本当に面白いですね。

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