2004年5月15日(土)愛知工業高校での例会の記録です。

 人事異動で新しい職場に移ったメンバーもいますが、新しい年度を迎えて皆張り切っています。
 高校では、新しい学習指導要領での2年目になり、多くの学校で「物理T」を始めていると思います。
新しい教科書は、電磁気の分野から始めるようになっていますが、教科書どおりの流れで進める学校
もあれば、旧来のような力学から始める学校もあり、様々です。
 学習の順序が、生徒の理解に大きな影響を与えるのは当然ですから、どんな内容をどんな順序で学
ぶのがよいかの研究も、教材の開発とともに重要なことだといえるでしょう。

 今回は最初に4月に名古屋へこられたロッシング先生についての記事と物理サークルが京都で行われ
た音響学会に参加した記事を載せます。


 ロッシング先生来名

 アメリカの元AAPT会長の Dr. Thomas Rossing (ロッシング)先生が京都での音響学会参加のあと来名されました。
 物理サークルのメンバーがアメリカでの物理教育に関する研究会に参加した際、ロッシング先生に大変お世話になりました。それ以来のお付き合いです。
 せっかくの機会ですので、先生の専門である音響研究について講演をしていただきました。
 OHPやビデオ、それに中国の銅鑼なども使って音についての楽しい話をしてくださいました。
 私達の基礎的な質問にも丁寧に答えていただき、一同感激でした。


 参加者で記念写真

 熱心に話を聞く参加者

音響学会での発表
 ロッシング先生のお声がけで、物理サークルが、京都で開催された音響学会に招待されました。新学期の初め、忙しい時期でしたが、投げ込み教材の中で音響に関する実験を持ち込んで披露しました。
 実験の数々は幸いにも学会参加者の方に好評を得て、メンバーは、楽しい教材は誰にとっても楽しい、ということを再確認したそうです。

   実験の準備
実験の説明をする山本さん。
 外国の参加者も熱心に質問してくれました。

磁石を使った衝突球
(奥谷さん)
 鉄球を並べ、右端に強力磁石の球を置いて、右のほうから鉄球を近づけると左端の鉄球が勢いよく飛び出します。

 横浜物理サークルの発案だそうですが、一見すると運動エネルギーが生み出されたように思えます。

 磁石に近づくにつれ、大きな力で引き寄せられ、速度が大きくなり、大きな速度でぶつけたと同じ結果を引き起こすのですね。

 たくさん並べたらもっと速くなるか?という質問が出され早速実験。
 どういう結果になると思いますか?

(磁石は球型でなくてもOKです。)

  右から鉄球を近づけると・・・・・・

 左端の鉄球が勢いよく飛び出します。

3極磁石
(奥谷さん)
 ミニ磁石2つと鉄棒をくっつけてつなぎます。
 NS鉄棒NS-となるようにつなぐと長い磁石になり、中央部は鉄球を引き付けません。
 ところが、NS鉄棒SNとなるようにくっつけると、あら不思議(?)中央部で鉄球をいくつもつるすことができます。
 どうしてでしょうね・・・・・。                 

チアスティック
(奥谷さん)
 写真の赤いものは、バスケットの応援などに使われるチアスティックだそうです。たたくといい音がします。
 ビニールを空気で膨らませただけのようですが、いろいろな長さのものを用意すれば音楽を演奏できるかもしれませんね。

揚子江の石
(奥谷さん)
 揚子江の石として売られているものです。この石と石英をぶつけると光るそうです。摩擦ルミネッセンスという現象だそうです。

  何か特別なご利益のある石(?)なのかもしれませんが、その辺の公園にある石と同じ、という声もありました。(^^)

 

フォグマシン
(清水さん)
 煙(?)を噴出すフォグマシンというものを手に入れました。薬品をいれスイッチを入れると煙が出てきます。
 段ボール箱に煙をためて、煙の輪を作り出す空気砲もすぐできます。
 
 

 薬品の説明に、火に近づけないようにとの注意書きがあったので、早速空気砲で煙の輪を火にぶつけてみました。火の輪ができるかも、と期待しましたが残念ながらろうそくの炎を消しただけでした・・・・・・

 フォグマシンについては以下のURLを参考にしてください。
 http://www.soundhouse.co.jp/

簡単高性能アンプ
(清水さん)
少数の部品で作るアンプの紹介です。
 雑音も少なく、信号の増幅度は高いです。
 太陽電池をつないで光通信などの受信機として最適。
 
 先進科学塾の受講生に作ってもらう予定だそうです。

 小型で持ち運び可能なアンプは役に立ちますよ。

アンプの特徴を説明する清水さん

マルクス回路2
(山岡さん)
 前回の例会に引き続きマルクス回路です。中央の円筒は60KV耐圧のコンデンサ。その奥にあるのは25KV耐圧のオイルコンデンサ。
 なんとも大型化したものです。
 ネオントランスの出力を整流して5段のマルクス回路に入力しています。手前の電極間で大きな放電が起こります。
 出力は100KVぐらいになっているとのことですが、ここらへんになると電圧の計り方のほうが難しそう・・・・。

 電圧をあげていくと、思わぬところで放電が起こり、なかなか思うように電圧を上げられないようです。
 
 感電事故を起こさないように気をつけてくださいね。

パシャッと結晶格子
(船橋さん)
 船橋さん自作の結晶格子模型(左)を改良して、またまたすごいものを作りました。ばらばらの模型(中)が振るだけであっという間に正しい模型(右)になります。
 パタパタの仕組みを利用しています。 

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