2004年5月15日の例会の記録の第2ページです


マグデブルグボール
(船橋さん)
 前々回の例会で児島さんが発表したマグデブルグ半球の改良版です。

 ステンレスボールに小さな穴をあけ、ビニールテープで穴をふさぎます。これで弁の出来上がり。

空気抜機の注射器にも一工夫。先にのりのふたをつけました。
 これで、注射器を強く押さえつけなくても簡単に空気抜きができます。

 ぱっきんとして幅広のゴム輪も使っています。

 数回注射器で中の空気を吸引すると、2つのボールはピッタリとくっつきます。容易に離れません。















 中央に小さな穴があけてあります。

穴をビニールテープでふさぐだけで弁になります



2人で引いても離れません。
 半球内を低圧にするには、中でちり紙などを燃やしてもう一方をかぶせる方法でもいいです。
 これでも、一人分の体重をかけても離れません。

 こちらは穴がなくてもできます。ただし、どうやって引き離せばよいか・・・・・・。
お考えください。
ぶら下がっても離れません。

「光子の裁判」実験装置によるLED光干渉縞の測定
(井階さん)
 スリットを通り抜けた光1個1個を捕らえて、その位置情報を記録し、それを重ねていくと、おなじみの干渉縞ができてきます。これを可能にしたのがイメージインテンシファイヤーです。
 2002年2月9日(土)名古屋大学での例会の発表「イメージインテンシファイヤーを使った光子の干渉実験」を参照してください。

 光源として各色のLEDを使って、干渉縞の間隔が波長によって変化することも確認できました。

紫外線の干渉縞


赤色の干渉縞。間隔が広い。理論値とよく合う。

光源として様々な色のLEDを使いました。
スリット部が4角い部分にあります。
 イメージイメージインテンシファイヤーで何が見えているのか、を理解するためのモデル装置を作りました。

 LEDの光を単スリットを通してから複スリットを通します。(ヤングの実験そのものですね) 反対側約150cm先にスクリーンを置くと干渉縞がスクリーンに映ります。これを見ていることになります。
 装置はブラックボックスですが、こちらは中身がよくわかります。


(残念ながら干渉縞がよく見えませんでした)

  LED

  単スリット

 筒に複スリットがついている。

加速度運動の測定
(伊藤昇さん)
 今年はすべての時間を物理室で授業をしているそうです。たくさん実験を!というなかで、加速度の測定実験の発表です。

 小球を斜面で落下させます。メトロノームで1,2,3・・・・の時刻を測り、しるしをつけます。
 そこに速度測定用のビースピーを置きます。
 スイッチを入れ、小球を落下させると、速度の測定値は見事に直線に乗ります。

 v=v0+at の式の意味が生徒にもよくわかります。


 測定開始。小球を落下させます。

岡島グッズ1(エコーマイク)
(飯田さん)
 今年は中部大学に出入りするようになり、岡島先生と話をする機会が多くなったそうです。
 今日は、岡島先生の物理教育グッズを借りてきましたので、紹介します。

 エコーマイクのおばけのようなもの。
 やや固めのばねがプラスチックの板につけてあります。
 筒を持って振ってやると、何と雷の雷鳴のような音が聞こえます。
 手作りの効果音に使えそうですね。




岡島グッズ2(簡単ホバークラフト)
(飯田さん)
 写真のような、発泡スチロールの皿を使っています。切り抜いた部分を傾けて立てかけ、プロペラが回るときの風の一部が皿の内部に入るように工夫されています。
 モーターを回してやると、すべるように走ります。

 板がなくてもいいのでは、という意見が出たので、はずして走らせて見ました。すべる様には走りません。やはり板は必要なのでしょう。

 飯田さんは、電池も乗せて動くようにできないかと考えているようです。
 強力なブラシレスモーターと高出力の電池を使えば、あるいは可能かもしれませんね。

岡島グッズ3(発電機)
(飯田さん)
 モーターにLEDを2つ逆向きにつけただけのシンプルな装置。
 白い軸を手で軽く回すと、何とLEDが光ります。
 モーターの中身はどうなっているのでしょう。

 自転車の発電機と同じじゃないか?という意見も出ましたが、真相はいかに。

岡島グッズ4(圧力発電)
(飯田さん)
 圧電スピーカーとLEDをつないだだけ。超簡単装置です。手で圧電スピーカーを押すと、何とLEDが光ります。
 圧電スピーカーだから逆も起こるだろう、と言うのは結果を知ってからいえる言葉。
 シンプルで原理むき出し。これはいい。

岡島グッズ5(立体シート)
(飯田さん)
 写真ではよくわかりませんが、肉眼で見ると立体感のあるシート。
 錯視現象ですが、両眼の立体視が関係しているのでしょう。
 シートを拡大鏡で見てみると、小さな丸いレンズがびっしり並んでいます。これでどうして立体に見えるのか・・・・。
わからないことってたくさんありますね。

岡島グッズ6(光通信)
(飯田さん)
 LEDを使った光通信の送信機を送信中に振ってみたところ点滅が見えます。光量で信号の変化を伝えているのだから、交流と同じ。だからすばやく振れば点滅が見えても不思議はありません。
 これも知ってから理屈に気づく例ですね。

こう教えればもっとわかる
(飯田さん)
 雑誌パリティの6月号、7月号、8月号に飯田さんの論文が掲載される予定です。
 6月号 理科教育「こう教えればもっとわかる”力の概念”」
 7月号 理科教育「こう教えればもっとわかる”運動の法則”」
 8月号 理科教育「こう教えればもっとわかる”仕事とエネルギー”」
 飯田さんの経験の集大成といえるでしょう。ぜひ、本を購入して、読んでください。
  

太陽炉
(林正幸さん)
 物質とエネルギーの教授案の内容に太陽エネルギーはかかせない。そこで太陽エネルギーを実感できる太陽炉を自作することにしたそうです。
 ポリカーボネイトの鏡で作ったものと。アルミ箔で包んだ厚紙で作ったものを持ってきてくれました。
 性能は、中心の針金の球の部分に、黒く塗った卵を入れると(上半分にアルミ箔をかぶせる)右が20分ぐらい、左が40分ぐらいでおいしいゆで卵を食べられるそうです。

 安価に作るならアルミ箔で包んだ厚紙で、予算に余裕があれば鏡で、作ると、太陽エネルギーを実感できます。

 

時間と手早さを目指すなら2段の小型太陽炉を。
 2つあるのだから、音の実験もできるのでは、という声。早速実験。
 ホースで片方の焦点でささやき声を出すと、もう片方の焦点で、その声が聞こえます。
 外野の雑音の方がよく聞こえたそうですが、音の実験にもちゃんと使えます。
 もっとも2つ作らなければなりませんが・・・・。

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