2004年12月4日(土)愛知工業高校での例会の記録です。

 12月に入り、今年もあと一月足らずになりました。
 新潟での地震は、私たちの国が地震国であることを再度思い起こさせました。
 地震を止めることはできませんが、地震の被害を最小限に食い止めるための工夫はたくさんありそうです。地震の予知も可能かもしれません。そういうことのための研究費用は、誰も無駄だとはいわないでしょう。自然の姿を知り、その動きにあわせていくのが賢い生き方のように思います。
 イラクでの混乱はまだまだ続きそうです。そして、日本の貢献(?)もまた続きそうです。
 人々の思いを無視して、力ずくで国造りを進めようとしてもうまくいかないのではないでしょうか。表面的には成功しても、人々の心の底には暗い闇が残るのでは、と思えてなりません。
 来年は、人々の共生の年になるようにと願っています。 

どこまで大きな豆腐が作れるか2
(飯田さん)
 前回の例会で、どこまで大きな豆腐が作れるかに挑んだ飯田さん。
 おもりで加えた荷重から求めた破壊強度の数字では、本当に豆腐自身でつぶれる高さは求められないのでは、という意見に答えるために、本当の豆腐で挑戦しました。  
 市販の豆腐を何丁か用意し、コの字型の支えで、豆腐を重ねていきます。
 4丁くらいでつぶれ始めます。 

 おもりを乗せて求めた理論値は43cmくらいですから、まあいい値といえます。

 しかし、写真からもわかるように水から出すと豆腐の高さがどんどん減少していきます。(水が抜けて高さが低くなります)
 また、豆腐の種類によっても値がかなり違うようです。

 ちいさな豆腐から求めた値で、大きな豆腐の破壊を正しく求めるのは難しいようです。
         
 
底面がつぶれ始めた。          あっという間につぶれていきます。

蒸気圧の測定
(林正さん)
 圧力センサーを使っていろいろな物質の蒸気圧を簡単に測定できるようになりました。
 ペットボトルに圧力センサーをつけ、電流値で圧力を支持させるようにしています。注射器等で目盛りを校正します。(注射器の目盛りで圧力を確認し、メーターの目盛りを合わせます)

 。
 

 
  ペットボトルに1気圧の空気を入れ、その後ボトル内に揮発性の物質を入れます。今回はエーテルを使いました。
  試験管に液を入れティッシュで軽くふたをして、試験管ごとボトル内に入れます。ボトルをひっくり返して、液が蒸発するようにします。しばらくしてからボトル内の圧力を測ります。
 エーテルの蒸気圧の分だけ内部の圧力が増えますから、圧力が増えた分がエーテルの飽和蒸気圧ということになります。
 12℃でのエーテルの蒸気圧は0.44気圧ですが、この装置による実測値は、0.42気圧だったそうです。
 いい値ですね。
 
 こういう装置で、実物の値を確認しながら学習すると、理解度がアップしそうですね。

原子核乾板リフレッシュ装置
(林煕さん)
 名古屋大学理学研究科基本粒子研究室で、原子核乾板リフレッシュ装置の加湿器部分の設計・予備テストにたずさわりました。
 最初は、超音波加湿器で原子核乾板を加湿しようとしましたが、うまくいきませんでした。今は水切り用のステンレスタワシに水をかけて、ファンを回して加湿しています。湿度99%を保つために苦心しています、とのことでした。
 
 水の蒸発熱で、8℃も室温が下がるときがあるそうです。夏でもクーラーが要りませんね。
 

手作り整流子モーター
(鈴木さん)
 科教協の全国大会で入手した手作りモーターの紹介です。
 モーターは縦型。回転軸に銅箔で作った整流子があります。
 簡単な構造ですが良く回ります。
 

紙を使った分子模型
(鈴木さん)
 紙を使った分子模型の紹介です。鉛筆で図を書くだけより、手を使って分子を組み立てることで、分子構造がよりよく理解できそうですね。この模型については以下のページを参照してください。
  http://www.venus.sannet.ne.jp/eyoshida/d01tames.htm

音さの振動
(川田さん)
 前回の例会で、音さの振動パターンが問題になりました。音さのU字の底は、節か腹かということです。
 川田さんは、腹を主張。
 腹なら触ると振動がとまるはず、ということで、鳴らして触ってみますが、振動が止まることはありません。

 小型の高性能マイクを手に入れたので、これでサーチしてみます。確かに音さの先では音が大きく、下がるにしたがって音が小さくなっていきます。
 
 さて、底ではどうでしょうか。やってみると、音は小さいですが鳴っています。
 やはり、腹といえるでしょう。


水道ホースクインケ管
(川田さん)
 高性能マイクの更なる利用法を考えて、クインケ管に使えることに気がつきました。(どんなマイクでもOKという声もあり・・・・・・)
 マイクをホースの結合部の先につけアンプにつなぎます。円周上の各所で鳴らした音さを接触させると、場所によってアンプの音が大きくなったり小さくなったり、干渉を確認できます。もちろん波長も測れます。
 <参考:いきいき物理わくわく実験1−ゴム管のクインケ管>
 さらに、金属棒の横振動でも、高性能マイクは活躍します。
 金属棒をたたいて、マイクを使ってサーチしていくと、振動の腹(音が大きい)と節(音が小さい)がはっきりわかります。
 何でもやってみるといろいろなことがわかりますね。

赤ワインがアレレ???
(船橋さん)
 赤ワインを5つの透明コップに注ぐと、注がれた液体が赤ワインではなく、「麦茶」「青汁」「ビール」「コーラ」「サイダー」に変身します。
 電気の科学館での講座で演示して好評を得たそうです。参加者の多くは小学校低学年。大人も喜びそうです。
 中高生はどうでしょうか。中高生にこそ科学の楽しさに目覚めてもらいたいのですが・・・・。
 
 もちろん本物の赤ワインではありません。「ワイン」の中身は、水3リットルに、3モル濃度の硫酸50ミリリットル、過マンガン酸カリウム0.03g、塩化鉄(V)六水和物1gを順次溶かしたものです。

 各コップにはいろいろな薬品を入れてあります。
 もちろん飲んでは駄目です。色だけ楽しんでください。
「麦茶」はヨウ化カリウム薬さじ1杯。

「青汁」はヘキサシアノ鉄(U)酸カリウム耳かき1杯と3%過酸化水素1ミリリットル。
「ビール」はヨウ化カリウム薬さじ1杯と炭酸水素ナトリウム薬さじ1杯とママレモン一滴。

「コーラ」は、チオシアン酸カリウム薬さじ1/2と炭酸水素ナトリウム薬さじ1/3。
「サイダー」は、炭酸水素ナトリウム薬さじ1/4と3%過酸化水素1ミリリットル。

目で見る圧力
(伊藤政さん)
 某大学で行った「いきいき物理わくわく実験講座」の一こまです。
 深海に持っていったカップめんの容器で、圧力による変形を示します。
 マシュマロを使って目の前で圧力による変形を確認します。

 まず、減圧。
 もうおなじみの簡易真空ポンプで容器の空気を抜きます。中のマシャマロがどんどん膨らみます。

 次に加圧。
 自転車のタイヤの空気入れ部分をペットボトルにくっつけ、ペットボトルに空気を入れていきます。
 中のマシュマロは圧縮されてどんどん小さくなっていきます。

 目で見る圧力変化ですね。
 
 
 

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