2004年12月4日の例会の記録の第2ページです


簡易分光器とデジカメでスペクトルを撮ろう
(伊藤政さん)
 光合成色素の吸収スペクトルをグラフ化したい目的で、回折格子(1000本/cm)を利用して簡易分光器をつくり、デジタルカメラでスペクトル撮影をしました。リアルタイムでも見られます。
 デジカメの特性なのか、3原色のみ強く、中間色はあまりはっきりしません。

 蛍光灯を光源にして、水銀の輝線スペクトルを得て、そこから他の光の波長を決めます。
それでも、赤色の下敷きの透過光を見ると、赤色成分が透過して、青緑成分が吸収されていることがよくわかります。
 紫の下敷きを置いたら、どんなスペクトルが出るか考えてみてください。

 スペクトルが右下のような場合、何色の下敷きを入れたか考えてみてください。



光合成色素を置いてその吸収スペクトルを調べます。
 得られたスペクトル画像を処理してグラフ化することもできます。(NIHimageというMac用のフリーソフト、windowsにも移植されている)
 参考
http://www.scioncorp.com/

 こういうことがリアルタイムでできるというのは、すごいことですね。

浮く地球
(伊藤政さん)
 空中に浮いて回転する地球模型です。おもちゃ屋さんで仕入れました。
 昔、市立の各高校に寄付されたことがある、という話も出ました。

 しかし、どうして落ちないのでしょう。磁力を使っていることはわかりますが、地球儀の位置の変動を何で感知しているのでしょうか。
 光で、と思いましたが、光をさえぎっても変化せず。
 静電容量変化を感知しているのでは、という考えも出されましたが・・・。
 
 ある程度鑑賞したら分解しましょう!!

液状化現象モデル
(杉本さん)
 地震の際に液状化現象が起きますが、これはそのモデルです。
 硝子ビーズの1mmと0.1mm、そして色砂を各100g程度をペットボトルに入れ、水を入れます。
 ペットボトルをよく振って静かに置いておくと、粒の大きい順に沈んでいきます。
 層状になっている状態を外から振動(地震)させてやると下から粒が上がってきます。
 建物のモデルを入れておき、振動させると、建物が沈みます。
 作った直後は色の区別が明らかでわかりやすいそうですが、だんだん硝子ビーズに色がつくのか、粒の区別がしにくくなるようです。
 残念!


白色ノイズの音
(臼井さん)
 棒の先にコンデンサマイクを付け、マイク出力をアンプにつなぎます。
 ラジオで白色ノイズを出しておき、管を近づけ、この管にマイクを入れていきます。 すると、管の中のマイクの位置によりいろいろな高さの音を聞くことができます。

 管内の境界条件により、共振する振動数が変わるからだと考えられますが、白色ノイズはあらゆる振動数の波源になりうるということがわかります。

 管の太さでも共振振動数が変化しています。
 実験しているうちに面白いことに気がつきました。
 マイクをアンプのスピーカーに近づけるとハウリングが起きます。このときマイクの位置によってハウリングの音の高さが違うのです。もちろん管はありません。
 音の高さは共振によって決まると考えられますが、いったい何が、どこが共振しているのでしょうか。
 いままで気がつかなかった・・・・・・。

臨界事故 隠されてきた真相
(井階さん)
 岩波書店のブックレット、「臨界事故 隠されてきた真相」の紹介です。
 起こるはずのないバケツの中でのウランの臨界。この事故の原因についての詳細なレポートです。

人力発電車
(井階さん)
 人は何Wまで発電できるでしょうか?
 自転車用発電機(6X、0.5A、3W)7つを車輪に取り付け、ダイオードとコンデンサで整流。
 自分で発電しながらラジオやカセットで音楽など聴いていると、なぜか楽しくなってきます。
 自動車のランプ(8W)に通電すると結構明るくなります。3つになると明るく点灯させるまでは難しいようです。

 

イメージインテンシファイヤによる放射線の観察
(井階さん)
 ソフテックス用の蛍光板をイメージインテンシファイヤ光電面上に取り付け、ウラン鉱石を近づけると、画面がぼんやりと明るくなります。
 鉱石から、何かが出ているのです。
 β線とγ線が見えていると思われます。α線は途中の物質で止まってしまうと思われますが、断定はできません。
 何の変哲もない鉱石から、我々には見えない「光」がでているんですね。

中央部がやや明るいが、写真でははっきりしない。

原子力発電所−炉心部の温度と圧力、冷却水の流量について
(井階さん)
 10月末に敦賀原子力発電所で仕事があり、そこのエンジニアの方々との意見交換の機会がありました。 その際に敦賀1・2号炉のデータをいただきました。
 もらったデータから、炉心を流れる一次冷却水の流速を計算してみましたが、1号炉で0.5m/sになりました。果たしてこれで正しいでしょうか。

 残念ながら、その場で簡単に判断できる問題ではなさそうなので、後日検討することになりました。

熊の引っ張り合い
(奥谷さん)
 横浜物理サークルのページからの話題だそうです。
 ぜんまいで動く熊2匹。糸でつないで引っ張り合いをさせるとどちらにも動きません。片方を勝たせるにはどうしたらよいか。
 摩擦力の問題ですが、こういう形で出題すると、生徒も理解度が上がるかも。
 答えは2通り。写真で見てください。

アストロブラスター
(奥谷さん)
 中国製のアストロブラスター。1000円。日本ではすっ飛びボールの名で販売されていた(今も売っている・・・)ものです。
 上から落とすと一番上のボールが高く飛び上がります。
 原理は跳ね返りです。説明すると長くなるので・・・・・。
 
 この値段では日本製は太刀打ちできない。そのうち名前も消えてしまうかも・・・。

フルートの音
(伊藤昇さん)
 生徒からされた疑問をビデオで紹介してくれました。
 フルートの吹き口部分、あるいは全体でも、開口部に棒や指を入れていくと、段々音が低くなる。これはなぜか、というものです。
 指や棒を入れていくと、管が短くなるのですから音が高くなりそうなものです。でも聴いてみると確かに低くなっていきます。

 一応の答えとして、指や棒を入れることで、管内部の空気の体積や開口部の面積が変化しています。これが原因で共振振動数が低くなるといえます。
 現に、オルガン管の開口部を塞いでいくと、段々低い音になっていきます。
 管であっても、空気の振動は、塊としての振動であるといえるでしょう。
 塊としての境界条件で固有振動数が決まるのであって、長さで決まるのではないのです。

乾電池1個で高電圧
(山岡さん)
 高電圧に凝っている山岡さん。今度は乾電池1個で40kVの回路を組み立てました。
 レンズつきフィルムの発振回路を利用して1.5Vを約600Vに昇圧します。これをコッククロフトウォルトン回路に導きさらに昇圧、その出力をマルクス回路にいれます。
 パチパチと規則的に放電します。
 
 100万Xのスタンガンなどが販売されているくらいですから、1.5Vで40kVも不思議はありませんね。

コッククロフトウォルトン回路部分
 マルクス回路部分  放電中!

コイルガン
(山岡さん)
 これは、レンズつきフィルムのストロボ回路を利用したものです。整流出力約300Vをコンデンサにため、中央部のスイッチでコイルに給電します。
 流れた電流によるコイルの磁場で、近くの鉄片を磁化し、吸いつけ飛ばします。
 跳ぶ距離は少しですが、乾電池1個で鉄片を飛ばせるんですね。
 

簡易高電圧測定器
(山岡さん)
 余った(?)ストロボ管で、高電圧測定器を作りました。ストロボ管を直列につないだだけです。
 1つが3kVぐらいで放電しますので、つないだ個数×3kVまで測れます。

 空気中の放電距離で大体の電圧の目安はつきますから、この装置を使う利点は余りありそうもないですが、放電が美しい(?)ですからマアいいか。
 ほとんど趣味の世界・・・・・。

教科書の図はこれでよいか?
(奥谷さん)
 ドップラー効果の説明についている図についての提言です。
 時間がなかったので、またの機会に検討することになりました。

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