2005年9月24日の例会の記録の第2ページです
スリンキーを用いた波の演示装置 (井階さん) 愛工の物理室の天井には長いレールがあったのですが、これを利用して波の演示装置を作りました。 金属製のスリンキーとプラスチック製のスリンキーをつないで、波の屈折率を3通りの方法で測定してみました。 (1)線密度の比から求める (2)波の伝わる速さをストップウォッチで測り、その比から求める (3)定常波を作り、その長さから波長の比を求める。 3つの値は2.3〜2.9になり、完全には一致しませんでしたが、いい値といえるでしょう。 |
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2つのスリンキーの境界で波長や速さが変化していることがよくわかります。 |
高圧発生装置 (井階さん) 愛工にある装置の紹介です。ウイムス・ハースト型の静で高圧発生装置。 古い学校にしかない装置です。 ハンドルを回すと数ミリの電極間で放電が起こります。 放電距離から推測すると数千V程度起電しているようです。 腕を近づけると、毛が立ち上がり、高圧の静電気があることを感じます。 どんな原理で高圧を作り出すのか、装置を見ながら議論しましたが、結論は出ず。 |
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参考 http://rogiken.org/ttl/wimshurstj.html |
Xジャイロシューター (奥谷さん) 岐阜物理サークルで発表されていたXジャイロシューターを作ってみました。円筒の弾を先につけ、発射棒をねじりながら引きます。手を離すと棒が回転しながらゴムによって押し出されるので、円筒の弾が回転しながら安定して飛んでいきます。 目で見るジャイロ効果ですね。 |
波の重ね合わせ演示装置 (奥谷さん) 竹串とストローの組み合わせで、波の重ねあわせを目で見ることのできる装置をつくりました。 同位相の波の重ねあわせで、振幅が大きくなること、逆位相だと打ち消しあうこと、そして。わずかに波長の違う波を重ねると、うなりの波形ができることなどすぐにわかります。 何と言っても、手で持って目の前で確認できるのがいいですね。 |
同位相の波の重ね合わせ |
わずかに波長の違う波との重ね合わせ |
「いきいき物理・わくわく実験」英語版出版について (藤田さん) いきいき物理・わくわく実験1・2の英語版の出版の可能性について説明をしていただきました。 自費出版か出版社(国内あるいは国外)に依頼するかを取ってみても、経費、販路など一筋縄ではいかない様々な問題があることがわかってきました。 「いきいき物理・わくわく実験3」の編集を進めていますが、あわせてこの問題も検討していくことになりました。 |
パラボラによる音の伝播 (伊藤さん) ビーチパラソルに、ダンボールを反射板として付け、パラボラ実験装置を作りました。 ダンボールはパラソルの骨にピンで留め、焦点にはウォークマン(iPod?)のイヤホーン出力を置きます。 反対側の焦点で聞くと。確かによく聞こえます。 2人でささやきあってもよく聞こえます。 きれいな放物面ではないのですが、何と言っても手軽に組み立てられ、しまうのにも場所をとりません。どこでも実験できます。 ビーチパラソルは500円ぐらいで手に入るそうですから、値段も安い!。good ideaですね。 |
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波発生装置 (前田さん) 前田さんが以前作成した大型の装置を、三重県総合教育センターの鵜山さんが改良小型化し、それを前田さんが再度作成したという装置です。 ハンドルを回すと、塩ビの輪が回転し、木の棒が上下します。 棒の先を見ていると、波が移動する様子が見られます。 このぐらいの大きさなら実験室に1台あってもいいなと思います。 ただ、真似して工作するにはかなりの技術が要りそうな感じです・・・・・・。 |
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積算電力計の仕組2 (前田さん) 前回の例会で積算電力計の仕組を発表しましたが、いろいろな付属物があってわかりにくいということで、全部分解し、原理がわかりやすいようにモデルを組み立てました。 これだけ剥き出しになると、誘導モーターと同じ仕組みであることがはっきりわかります。 回転板は軸受けが巧妙に作られており、小さな力でスムースに回ります。 この軸受けと回転板が欲しいという声が多数。 |
空芯コイルを2個、逆位相になるように接続 |
反対側に大きなインダクタンスのコイルを置く |
軸の摩擦は非常に小さい |
スムースに回ります |
体で知るモーメント (堀田さん) 錘を持っていすに座り、頭を水平に押してもらいます。なかなか立ち上がれません。 いすから立ち上がるには、体の重心が前に移動する必要があります。 足先を回転軸としてのモーメントの大きさ比べになります。 続いて、頭に手を置き、手が離れないように頑張ってもらいます。他の人が手と頭を引き離そうとして引っ張っても、なかなか離れませんよ、という話。 これもひじを回転軸とするモーメントの大きさ比べということになります。 |
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教室いっぱい光通信 (山岡さん) レーザーモジュールを使っての光通信。 音信号(デジタル)を、トランジスタのベースに入れ、モジュールに流し込む電流を制御しています。 受信は太陽電池とアンプ。 レーザーの届く距離まで通信可能です。 2つ目は大電流トランジスタで白熱電球を制御して、教室いっぱいに光通信をしようというもの。 でも、近くでもわずかに聞こえるのみ。 残念ながら、教室いっぱいではなく、ごく近傍光通信になってしまいました。 博物館や美術館では、白熱電球を使った光通信で案内などがすでに行われているそうです。 もっと効率のいい回路を考える必要がありそうですね。 |
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交流・直流の違い (児島さん) 交流と直流の違いを、物で理解しようという試み。 まずは逆向きにつないだ2個のLEDで、直流は片方のみが点灯、交流をかけ振ると、交互についていることがよくわかります。 次に、直流モーター。もちろん直流では回ります。交流をかけるとブルブル振動するのみ、回りません。 自転車の発電機を同期モーターとして使います。 直流では回りません。交流だと回ります。 体で知った直流・交流違いから、今度はLEDやモーターの働き・構造まで興味を持ってくれればいいですね。 |
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実験教材をモジュール化すると利用しやすいですね。 他にも、コンデンサーの充電時と放電時で電流の向きが異なること(点灯するLEDが異なる)を見る装置。 スイッチの入断時に電流が流れる(点灯するLEDが異なる)誘導起電力を見る装置などを紹介してくれました。 |
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