2007年5月12日例会の記録の第3ページです
ダイヤモンドダスト (伊藤さん) |
2月の例会で講演をしていただいたNGKの纐纈さんにアドバイスをいただいて、ダイヤモンドダストの作成に成功しました。 写真は移動用の冷凍庫です。内部を十分冷やしておいて、中に息を吹き入れます。呼気の中に含まれる水蒸気が冷えて水滴(過冷却状態の水滴)になります。 そこでクッションに使われるエアーキャップをつぶして急激な空気流を送り込んでやると、水滴が氷の粒になりダイヤモンドダストになります。 横から光を当てると、キラキラ光を反射します。 <参考> http://www.ngk.co.jp/site/2005.htm 3月号 ダイヤモンドダスト |
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エアーキャップを指でつぶして空気流を送ります。 |
氷の粒ができるとキラキラ光を反射します。 |
残念ながら実験をしてもうまくダイヤモンドダストができなかったので、成功時に録画したビデオを見せてもらいました。 空気流を送ってからしばらくすると、画面にキラキラ反射する点がたくさん写ります。 なかなかきれいです。 |
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過冷却状態から氷粒になるために必要な外部刺激としてはエアーキャップによる空気流以外考えられないだろうか、という声が出ました。 音波の衝撃波ではどうだろう、ということでブリキ缶の蓋をパチントやってみました。 残念ながらうまくいきませんでしたが、エアーキャップでもうまくいかないことがあるのだから、駄目だと決まったものでもありません。 自然界では風だとか木々の動きなどが外部刺激となっているのでしょう。 |
ネパールからの土産 (川田さん) |
この春、ネパールに行ったときのお土産です。チベット族の娘さんの店で購入したそうです。2つのUFOをひもでつないだような形ですが、2つの金属部分を衝突させるとうなりがきこえます。 仏具だろうと推測されますが、正体は不明・・・・。 買うときに何の道具か聴かなかったようです。 読経の時たたいて鳴らす「りん」と同じだと思われます。持ち歩くりんかも。 りんもたたくとうなります。 このような金属物体は、振動数の近い固有振動を必ず2つ以上持つのでしょうか。音さは1つですから、形の上での特徴がきっとあるのでしょう。解明は難しそうだけど・・・・ |
物質中の磁場について (川田さん) |
センター試験の棒状変圧器の問題は、いまだ解決してはいませんが、磁場についての誤解かと思われる問題が結構見つかっています。 折をみてまとめる予定ですが、今日は磁場の特徴を示す実験を1つ。 棒状の空芯コイルの内部の磁束は次の式で求められます。 Φ=μ0NIS/L コイル内部に鉄などを入れたら、鉄内部の磁束は Φ=μNIS/L μ:鉄の透磁率 になるのなら話は簡単なのですが、この式が成立するのは、磁束の漏れがない場合です。具体的には下図のような閉じた鉄芯でなくてはなりません。 下右図のように少しでもギャップがあると、鉄心の磁束は上記式より大きく減少します。 |
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実際、右の写真のような電磁石で、電流を流してくっつけた後、鉄片を引き離そうとするとき、鉄心にギャップがなければすごい力が要ります。(磁束が多い)。間に紙一枚あると、つまりギャップがあると容易に引き離せます。(磁束が少ない) 棒状磁石は大きなギャップがある場合に相当しますから、Φ=μNIS/Lの式は使えないのです。別な言い方をすると必ず磁束はもれるのです。 棒状コイルで磁束が漏れないとして考えるというのは土台意味のない仮定といえるのです。 |
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キッチン火山学 (鈴木さん) |
家庭の台所にある品々で、火山の性質を学ぼうというユニークな本を紹介してくれました。 「世界一おいしい火山の本」(小峰書店¥1、500)です。中には楽しい実験がたくさん載っています。 そんな実験を実際にやってもらいました。 (1)溶岩の流動性 ウスターソースととんかつソース。同時にたらすと明らかにウスターソースがすっと流れ、とんかつソースはほとんど流れません。 玄武岩質の溶岩と流紋岩質の溶岩の差に対応しています。 |
(2)土石流 火山の噴火のあと、つもった火山灰に雨がふって土石流が起こることがあります。 パンが火山の斜面。こちらは多孔質で水分をしみこませます。 他方はココアパウダーをふり掛けてあります。粒子の細かい火山灰のモデルです。 牛乳の雨を降らせると、パンだけなら吸い込んでしまいますが、ココアパウダーをかけたほうは、牛乳がしみ込まず、パウダーごと牛乳が流れ下ります。 実験終了後は、パンをおいしく(?)いただきます。 身近のものと性質を比較しながら学ぶと理解が深くなりそうですね。 |
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