2007年5月12日例会の記録の第2ページです


 重さの感覚 (杉本さん  
 マッチ箱をいくつか用意します。2つのマッチ箱に錘を入れて重くしておきます。
 下図のように重いマッチ箱を下に置き、軽いマッチ箱を上に置いた場合と、軽い箱を下に重い箱を上に置いた場合、持ち上げると重さの感じがかなり違います。



 これはよく知られた話なのですが、杉本さんがこれと同様な面白い現象を見つけました。
 最初、写真のように重い箱を1つ持ちあげ、次にこの下に軽い箱をつけて持ち上げます。次は軽い箱を2つ・・・・・ 
 何と段々軽くなっていくように感じます。
 不思議ですね。
 持ち方によって重さの感じが異なるというのは他にもある、という声がでました。

 重い箱を一つはさんで持つのと、軽い箱を混ぜていくつかの箱を写真のように持つのと比べるのです。これも随分違って感じます。

 重い箱を写真右のように持っても違います。
(これは明らかに圧力の差でしょう・・・・・)
 ペットボトルに水を入れ首の部分をもつのと、ひっくり返して底の部分をもつのと比べても違うという話も出ました。

 

 <参考>http://www2.hamajima.co.jp/ikiikiwakuwaku/record/r_2006_05_20/newpage2.htm 重さの感覚(佐野さん)

 これらの現象は視覚による効果なのでしょうか。そこで同じ質量で、大きさが大きく異なる2つの金属球を持ち出して検証です。
 手のひらに置くと小さい方が重く感じます。手のひらにかかる圧力が小さい球の方が大きいので理解できます。
 
 被験者に目をつぶってもらい、ペットボトルの蓋の上に2つの球を順不同でおきます。どの場合が重く感じるかを聞くと、同じであったり、逆であったり・・・

 視覚の差がない上にペットボトルの蓋の上に置いたので圧力が同じですから、この結果は当然といえます。
 井階さんが写真のようなシリコンのインゴットを出してくれました。
 光沢が重い金属風なので、これは重い!と感じます。でも意外に軽い。

 生徒に投げるとびっくりするそうです。
 重いものを受け取る身構えをしますが、実際は軽いので拍子抜けするのですね。

 計器で測る物理量と人間が感じる物理量には差があります。この差は何から生まれたのでしょう・・・。
 感覚器の構造による必然?
 進化の過程での必然?
 大小関係だけわかればいいという感覚器のアバウトさ?
 
 解決はつかないけれど、面白いですね。

 オルゴールについての考察 (臼井さん  
 オルゴールを容器から切り離すと、音が非常に小さくなります。
 ギターなども弦だけでは大きな音は出ません。
 
 オルゴールの箱は、共鳴箱の役目をしていることがわかります。

 裸のオルゴールを別の容器に接触させると、大きな音が出ます。
 机に押し付けてもいいです。この場合机の面が共鳴板になっています。
 
 板の固有振動は長さの平方根に比例しますが、小さなオルゴールの振動板は1オクターブとれる長さがありません。
 そのため、先端部分の形状が太くなっていて、短い長さで振動数の差を生み出せるようになっています。


    振動板の先端が太くなっている。
 オルゴールのぜんまいを巻くと、羽根が回転します。
 この羽根を取るとどうなるでしょう。

 ぜんまいがあっというまに戻ってしまい、ゆっくりメロディを奏でません。

 よく見ると、ウォームギヤで演奏用の筒と接続されています。
 羽根にかかる空気抵抗で、演奏用の筒の回転速度を調節しているようです。

 こんな小さなオルゴールにも、いっぱい工夫と物理が詰まっています。


羽根を取るとうまく鳴らない。あたりまえか・・・・

 圧電スピーカー (臼井さん  
 最近の小型音響機器でよく使われている圧電スピーカーの性質を理解する装置をつくりました。

 圧電スピーカー用出力を、インピーダンス8Ωの小型スピーカーに流すと、聞こえますが音が小さい。
 電圧駆動と電流駆動の違いが音の大きさによく出ています。

 何とか小型スピーカーを使うには、インピーダンス変換をしてやればOKです。トランスで大きな電圧変化に変えるといってもいいですね。

 臼井さんのお得意の、「装置に洒落た命名」が今回は発揮されていないのが残念!!

 
 トランスで出力のインピーダンス変換をすると音が大きくなります。
 
 ラジカセの外部マイク入力につなぐと、そのままでマイクとしても使えます。超安価なマイクです。









 お盆の裏に、この圧電スピーカーをつけ、アンプにつなぎます。反対側に弦を張ると、手作りエレキ三味線のできあがりです。臼井さん三味線の演奏でもなかなかのものです。

 100円アンプ (船橋さん  
 臼井さんの実験ではアンプとしてラジカセを使いました。
 ラジカセでなくても、アンプを作れば、コードだとか半導体だとか・・・部品代がそこそこかかります。
 何と100円のアンプが売られているとのこと。耳元スピーカーも100円。200円で小型アンプ+スピーカーができてしまいます。

 作るより買った方が安い・・・・・・。
 
 もの作りのモチベーションの一つに、自分で作れば安価にできる、ということがありましたが、最近は逆になってきました。
 
 電気製品は直すより買い替え!
 
 これでいいのかな? という疑問もありますね。  
 
 安価な商品を利用して光通信の装置をくみ上げました。
 回路は以下の通り。

 

 受信側は太陽電池。この出力を先のアンプに入れて耳元スピーカーにつなぎます。
 送信した音楽がクリアーに受信できます。
 たくさんの生徒が作るには安価な製品は助かりますが・・・・・・。
 

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