2010年7月17日(土)の例会の記録の第2ページです


 すっ飛びボールの力学模型 (林さん  
 すっとびボールです。
 このまま落下させると、最上段のロケットが天井まで飛び上がります。

 このすっとびボールの動きをモデル化しました。
 塩ビペッパイプが全体を貫き、最下段にばね、次にペットボトル(おもりつき)と大型ばねとの接合体、次に中型のばね、そしてロケットに当たるペットボトルで作った弾です。

 最下段のばねと接合体が黄色のボールに相当、中型ばねがピンクのボールに相当します。弾がロケットに相当です。
 全体を持ち上げ落下させると、最上段の弾が勢い良く飛び出します。塩ビパイプに引っかかったりしなければ弾は天井まで飛びます。
 まさにすっ飛びボールの動きそのままです。

 中型ばねを下段のおもりに固定したら?
 中型ばねをなくしたら?
 中型ばねを弾に固定したら?
   どうなると思いますか。

   いずれもうまく飛びません。
 弾の飛び出し速度は、下段のばねと中段のばねのばね定数、つまりばねの固有振動の周期が重要であろうと思われますが、ばね定数を可変にはできませんので実験的に最適値を得るのは難しそうです。といって理論的に解析も難しいのですが・・・・・。

中型ばねを下段のおもりに固定

中型ばねを撤去

中型ばねを弾に固定

 ストック物品 (近澤さん  
 サークルのメンバーは、100円ショップの商品を目的外利用することが多いです。しかし、その商品が常に販売されているとは限りません。そのため、有用な商品は、必要量より多めに購入し、ストックしておくことがしばしばあります。

 近澤さんもその例に漏れず、効果的な実験材料として、いくつかの商品をストックしていました。いまでは、ややなつかしい商品といえるかもしれませんが、電磁波の発生と性質(ピッピポケベル)、加速度の測定(ビースピー)などの実験に使えます。
 
 このストック商品を皆さんに、と持ってきてくれました。
 有効に利用させてもらいます。








 
  学研に連絡して、付録のみを多数購入しました。
 ビースピーで重力加速度 (近澤さん  

 2mの長さの透明パイプに、ビースピーを50cm間隔に4個取り付けます。ビースピーを測定状態にして、パイプを床に垂直に立て、上から重りを落とします。
 今回の測定値は、
   0.50m : 11.20km/h
   1.00m : 15.55km/h
   1.50m : 18.91km/h
   2.00m : 22.79km/h
 ( ビースピーの表示は時速の値なので秒速に換算してあります。)

 この値から重力加速度の平均値を計算すると、有効数字を小さめにして 9.6m/s2 になります。

 重りの大きさによって測定値にわずかな違いがあるとのことでした。パイプの中の空気流、管のわずかな傾きによるビースピーの測定位置の違い・・等いろいろな原因が考えられます。
 4個のビースピーで簡単に重力加速度が測定できますね。
 速球王という、ボールの速さを測定する装置がありました。
 いまでも似たような商品が販売されているようですが、昔のタイプは時間表示、速度表示の順で時間測定ができましたが、今の商品は一定距離での測定を前提として、速度表示しかできません。
 これを落下させ、落下時間と高さから重力加速度を出します。
 1.225mからの落下時間が0.53秒でした。 この値から重力加速度を計算すると 8.7m/s2 。
 
 いろいろな道具で測定することで、測定値の意味や精度の理解が深まりますね。                                                                   



 古い速球王は役立ちますので捨てないでくださいね。
 電池切れであっても皮をはいで電池交換することで使い続けられます。

 バンデグラフ (林さん  
 右の写真、何だと思いますか?
 
 実はバンデグラフの帯電球部分なのです。林さん、とうとうバンデグラフまで作ってしまいました。
 帯電球部分をはずすと、本体の様子が見られます。

 

なべで作った帯電球です。
 上部は金属ブラシでゴムベルトから集電するようになっています。下部は、モータの回転をプーリーで受け、ゴムベルトを回転させるようになっています。金属ブラシでゴムベルトに電荷を送り出すようにもなっています。
 モーターはミシン用のもの。名古屋のアメ横(電気部品の店が多い街)に売りに出ているそうです。
 
モーターを回転させて、下部のブラシにネオン管を近づけると、外側が光ります。
 上部に近づけると今度は本体側が光ります。

 このバンデグラフは、下部で電子を集め、上部の帯電球に運ぶことがわかります。

 右上の写真のネオン管を拡大しました。

 下部をシールドし、上部に帯電球を載せると、もう立派なバンデグラフです。

 下部のブラシの導線を放電球(これもなべ!)につないで、頭部に近づけると  バシッ と放電します。放電距離約30cm。
 およそ30万V程度出ていると思われます。
 腕を近づけると、装置のほうから風が出ているような感じを受けます。イオンの動きが風を作っているのでしょうか、あるいは電子の流れを感じている・・・?
 
 放電の際、頭部がわずかにゆれます。帯電中、静電気力で帯電球と放電球が引き合い、放電によって力がなくなるためです。
 がっちりした構造でないため見られるわけですが、手作りの良さが出ますね。

 不定形電極の作り方3 市川さん  
 酸化鉄を押し固めて電極にすることに挑戦している市川さん。今度はSUS303(オーステナイト系ステンレス鋼)に穴をあけ、ここに酸化鉄をいれボルトを使って圧をかけ押し固めることを計画しました。
 ( この金属に穴を開けるだけで5000円もかかったそうです。)

 予備実験として砂糖を押し固めてみましたが、圧がうまくかけられず固まりがいまいちだったようです。

 1つの実験を進めるための材料や装置のための準備や改良に多くの工夫が必要になることはよくあることですね。更なる工夫と改良を期待します。

 この穴の経費が5000円!

  同径のボルトなどで内部に高圧をかけます。

 <参考> 不定形電極の作り方2 (市川さん)

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