2010年12月4日(土)愛知工業高校での例会の記録の第2ページです


 超音波霧発生装置でつくる竜巻 (山岡さん  

 いつでも竜巻の姿を見られるようにと、超音波霧発生装置とファンを使った竜巻発生装置を作りました。 
 上蓋のファンを回すと、上昇気流が起こり、側面に開いた隙間から横風として空気が入ります。
 徐々に霧が回転を始め、やがて上蓋まで霧の渦が上っていきます。
  上昇気流がないとき。   霧が回転を始めます。   地面から立ち上る竜巻になります。
 12V用のファン。6V程度で使用しています。
 上昇気流が適度なとき竜巻がうまくできます。照明用のLEDも見えます。
  超音波霧発生装置。
 内部を黒く塗装してあるので、光を当てると竜巻が浮かび上がってキレイ!
 
 ニュースなどで竜巻の映像を見ると、上空から地面に降りてくるように見えます。
 横風流入部を上部に制限することで、そんな竜巻を作れないかと考えているようですが、いまのところうまくいっていません。
 上空から降りてくるように見えるだけで、最初から地面付近の空気も回転があるのではないか、という声もありました。そうであるなら、上空から降りてくる竜巻というのは、幻想に終わるのですが・・・・。

 霧発生にドライアイスを使う方法もあるのですが、いつでもどこでもを考えると超音波霧発生装置が便利です。

 ロケット発射見学2 尾崎さん  
 2011年1月20日(木)15:29に「こうのとり2号」が打ち上げ予定です。 「こうのとり」は国際宇宙ステーションに物資(食糧や衣類、各種実験装置など)を補給するための無人の軌道間輸送機で、補給が済むと用途を終えた実験機器や使用後の衣類などを積み込み、大気圏に再突入して燃やします。
 
 種子島への行き方、種子島での見学場所、宿泊について説明してくれました。

 天候等で打ち上げが延期されるリスクと運賃宿泊費込みで10万円程度を覚悟しないといけないということで、実際に行動するのはかなりの勇気(?)が必要ですね。
 
 
 種子島南部の地図。見学場所がわかります。
 <参考> ロケット見学案内記 www42.tok2.com/home/rocketfan/txt/annai_tane4.pdf  
        ロケット発射見学(尾崎さん)
 KU-MA(子供・宇宙・未来の会)に参加してもらった実験教材です。
 フィルムケースを利用したバブロケットとポリ袋ロケットです。
 バブロケットは、
  1、ケースに水を入れる。
  2、入浴剤の「バブ」をくだいて粉状にしたものをさらにいれる。
  3、蓋をして、ケースをさかさまにしておく。
  4、しばらく待つと発射。
  (紙のノーズコーンと尾翼をつけると飛びがよい)
 2酸化炭素の発生による圧力上昇で水を噴出させて飛ぶミニ水ロケットですね。10mくらいは飛び上がるそうです。
 
 <参考> KU-MA(子供・宇宙・未来の会)

 蔓延するニセ科学 (尾崎さん  
 新学習指導要領で、「科学と人間生活」という科目が新設されることになりました。科学は、人間生活に役立っていますが、科学のふりをして人間生活に入りこむ「ニセ科学」、「疑似科学」が問題になっています。
 「血液型性格分類」、「マイナスイオン」など科学風なものから、「水からの伝言」のようなファンタジー・オカルト寄りのもの、「ホメオパシー」、「自然なお産」などの医療分野にかかわるものもあります。
 
 「疑似科学とのつきあいかた」という、長崎大学で作られた学生向けのパンフレットがあります。 ニセ科学・疑似科学は教育分野に入り込むことが多いため(水からの伝言、ゲーム脳など)、教育者の卵である学生に「科学的な考え」の大切さを伝える内容になっています。
 <参考> 疑似科学とのつきあいかた   「ニセ科学」解説書。
 楽工社、山本弘(著)

 リサージュ図形から音速を求める (川田さん  
 パイプ内の音速を求める新しい方法を説明してくれました。
 スピーカーに送る信号をオシロのCH1に、コンデンサマイクの信号をオシロのCH2に入れ、2つの信号でリサージュ図形を見るという方法です。

 コンデンサマイクの位置による2つの信号の位相差が出ますので、位相差が2π変化したマイクの位置2点を取れば、その距離が波長になります。
 発振器の振動数はわかっていますので、これで管内の音速をもとめられるというわけです。

 この方法で蛇腹ホースの中の音速を測ってみたところ、普通の管との顕著な差は見られなかったのこと。
 いろいろな径の管で試してみる予定です。


  
 マイクの位置によりリサージュ図形が変化します。

 おかしな記述 (川田さん  
 おかしな記述をまた見つけました。
 「電気数学」上坂功一(著)、日刊工業新聞 32刷。

 右の記述の電流のグラフです。そもそもコンデンサーが直列につながれている直流電源から一定の電流が流れ続けるはずがないのです。
 
 電池を、内部抵抗Rを含むものとして、この回路を厳密に解くと以下のようになるはずです。
 qはコンデンサの電荷。
 初期条件t=0で、I=0、q=0 として
 @R=0 のとき。
 

 ARが小さいとき


 BRが大きいとき
 

 善意に(?)解釈すれば、本文の図はAの場合のqを示していた、と考えられなくもないですが・・・・・。
 32刷まで誰も気がつかなかったのでしょうか。
 
 出版社に手紙を送ったそうです。どんな回答が来るのでしょうね。
 

 図11.5はスイッチONとともには定常電流は流れず、一定電流になるまでにある時間を要する回路である。コンデンサやインダグタンスが複雑に入り込んだ回路ではスイ.ッチをONにして定常状態になるまでには,その回路構成に応じた特性を示すものである。電源が直流では過渡期における過渡現象が最初の1回だけであるが、交流ではそれが連続して最後まで続くということになる。次に抵抗とコイルあるいはコンデンサの最も基本的な回路について述べることにする。

 圧力の大きさを見よう (鈴木さん  

 圧力を目で見ようということで、静水圧をかけたカップヌードルの発泡スチロール容器をJAMSTEC(独立行政法人海洋研究開発機構)から借りました。
 深さによって小さくなっていく容器をみると圧力の変化が感覚的に実感できます。話だけではわからないことですね。
    
 2000mを超える圧力では、気泡内の気体が潰れてしまうせいか体積的には大きな変化は内容に見えます。
 念のため質量を測ってみました。
 違う値のものもありましたが、一部がかけていたりしたせいと考えられます。
(そもそも圧をかける前に測っていないのだからあまり意味はありませんが・・・・)
 
 <参考>JAMSTECについて
 
 圧力に関して、中学生はパスカルになれていないので、それを体感できる教材を考えました。
 ビー紙の面積が約1m2。2枚で質量が約100g。
 つまり、ビー紙が2枚おかれると 約 1Pascal圧力が増加する、ということになります。

 いきなり計算で大気圧が10万Pascalといわれても、その大きさがピンときませんが、1Pascalが実感できれば、大気圧の大きさも理解しやすいでしょう。

 実物で問題を理解しよう (前田さん  

 右のような問題は、演習問題としてよく出されます。
 文字式で解くだけでは、実際の問題として理解できないし、そもそも問題の意味すら掴めないこともあります。

 そこで、この問題をモデルとした装置を作ってみました。
 台車の上に板を固定し、板の上でおもりを走らせます。
 金槌で打ち出すと、おもりは板上を滑ってとまります。台車とおもりは、最後は同じ速度で動きます。
(実際にはおもりが止まるまでの時間は短く、見ていると、錘が止まってから台車が動き出しているように見えます
 
 
   撃力でおもりを打ち出します。
 おもりが滑り出すと同時に台車は動き出しますがゆっくりです。  おもりが止まるころには台車とおもりは目に見える速度になります。
 次は、ばねとおもりの問題です。
 台車をばねでつなぎ、その振動を見ます。

 台車とばねの接続に新アイデア!。
 ネオジム磁石でばねと台車をうまく接続できます。走らせて衝突させてもうまくつながります。
 
 板おもりで台車の質量を2倍3倍と変えられます。
 問題の答えの意味を実物で確認できます。
   

  磁石でばっちりつながります。

 ばねを変えることで振動におけるばね定数の意味がわかります。

 ばねを縮めて離すと、一定周期で振動します。

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