2012年12月1日(土)愛知工業高校での例会の記録です。

 京都大学の山中教授が、ips細胞研究でノーベル医学・生理学賞を受賞されました。
 すでに分化した細胞を初期化することで、失われた器官を、自分の細胞で再生させることができるようになると、再生医療の未来を明るいものにしてくれました。
 門外漢から見ると、喜ばしいことですが、不安も感じます。
 受精卵と同じにできるのなら、そのまま個体にまで成長させると、その個体と本人との関係はどうなるのだろうと思ってしまいます。そんなことは起こりえないのかもしれませんが、代理母とかの話と合体すると、不可能が可能になるのでは、とも思えます。
 生命を操ることに、超えてはならない一線を越えてしまうような不安を感じるのはなぜでしょうか・・・・・。

 

 平行光線による円形干渉模様 (飯田さん・川田さん  
  
  ダンボールの片側に、直径10cm程度の穴を開け、反対側に同じ高さの位置にCDを貼り付けます。
  穴を太陽の方向に向けると、何と写真のようなきれいな丸い虹を見ることができます。CDが反射型の回折格子としてはたらき、干渉によりできる色模様です。
 明るい部屋でもくっきり色付き、なかなかきれいです。
 一見すると、1次の回折によるリングと、2次の回折によるリングが見えているように思われます。ところが・・・
 太陽光が通る穴を開けます。   穴を通った太陽光線がCDに当たります。   明るい部屋でもはっきり虹が見えます。
 
 では、CDの下半分を紙で覆ってみましょう。
 反対側には、どんな模様が見えると思いますか?
 何と、上下非対称の模様ができます。
 どうしてこんな模様になるのでしょうか。
 下ではなく、横を手で覆うと、左右の非対称模様になります。
 全体では、円形と思われる模様になるのに、半分を覆うとなぜ円形ではなくなるのでしょうか。
 
 長方形に切り抜いた紙を、CDに重ねます。 これは、ほぼ平行な回折格子といえますから、トラック間隔を d として、反射方向の光線の両側に1次の干渉縞が見えるはずです。
 実際写真のように両側に干渉縞が現れます。

 干渉条件は d・sinθ=λ
 長方形の隙間でできる虹を回転すると、全体でできる模様が現れるはずです。
 最初に、1次と2次の干渉が現れていると思われた模様は、実はともに一次の干渉縞であり、内虹と外虹がうまく重なってみえていたものなのです。

 間に紙を置いて(スクリーンの一部を前へ出す)と、内虹と外虹の光の重なり方が変化し、白色光になる部分が現れます。
つまり、最初の模様は、CDからスクリーンまでの距離が(2次の干渉縞を思わせるような模様になる)絶妙の距離だったということになります。
   

 外が暗くなってから、今度は電球の光で試してみました。
 太陽光のときと同様の結果が得られました。(当然か・・・・・)
  電球の光で実験。   CDを半分隠すと・・・・   太陽光線のときと同様の内虹と外虹の半円が見えます。
 
 CDに円形の紙を貼り付けると・・・・
 
 4重の半円が見えます。
 反射型回折格子で1次の干渉縞を両側に出しておいて、回折格子の中央部を紙で覆います。
 干渉縞が2重になることが確認できます。
 反射型回折格子で干渉縞を作ります。    回折格子の中央部を紙で覆います。干渉縞が2重になります。
   
   最後に未解決の問題をひとつ。
 
 今回の実験で使ったCDは、RWのCDでした。
 市販のCDで同じ事をすると、なぜか色が薄いです。

 CDにデータが書き込まれているか否かの違いと考えましたが、RWでデータを書き込んだCDでも同じく明るいようです。
トラックの本数は同じはずなので、同じ明るさになってもいいように思えます・・・・。
 市販品のCD を使うと・・・    なぜか暗い。
  

 CDによる円形干渉模様 (川田さん  
 5月の例会で飯田さんが発表した「円形干渉模様」装置の改良版です。
 <参考> 円形干渉模様(飯田さん) 

 LEDの先端をやすりで削り、紙の反射板を取り付けました。
 指で押さえておく必要がない(!)ので便利です。
 正面から見ると、きれいな円形虹が現れます。
 ほぼ点光源なので、円形になります。
 (平行光線の干渉模様と同じではありません。)

 CDの場合、1次の虹は観測しにくいです。写真で見えている赤色は2次の干渉です。
(DVDの場合は、1次の虹が大きく見え、2次の虹は見えません。)
  トラック間隔: CDは1.6μm
           DVDは0.74μm
  

 物理を楽しもう (石川さん  

 岐阜物理サークルの石川さんが、これまでの活動の記録を1冊の本にまとめ、出版しました。
 以下は「 前書き 」の一部です。

 教員になってまだ数年の1980年頃のこと「最近、岐阜で物理の先生がサークルを作ったそうだよ。」と聞いて出かけました。日頃学校の中にいると専門教科に関ずるさまざまな問題は誰にも相談できません。しかしサークルでは分からないことを堂々と議論しあう雰囲気があって、それはとても新鮮でした。それから次々といろいろなとこ。ろへも顔を出して知り合いも増えました。実験の開発やバージョンアップと言ったことだけではなくて究明すべき課題も次々と生まれて来ました。それ以来未知のものを追いかけるという楽しい目々が始まったのです。・・・・・・

 興味をもたれた方は、岐阜物理サークルの出版案内を見てください。
 

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