究極の簡易無接触電流計
これ以上簡単な構造はあり得ないだろうという究極の簡易電流計です。オーディオカセットのケースに小穴をあけてL字に折り曲げたエナメル線を通し、小さなネオジム磁石(直径5mm、厚さ1.5mm程度)を瞬間接着剤でエナメル線の下側にはりつけただけの簡単な構造です。エナメル線の先がそのまま指針になります。
直流電流が流れている導線に近接させるだけで、直線電流が作る磁界を感じて無接触で測定ができるので、回路の接続を変更することなく各部の電流が測れます。写真の状態で導線には約1Aの電流が流れています。
この電流計の欠点は磁界に対する感度がよすぎて、地磁気にも反応してしまうことです。つまり、装置の方向を変えると指針が振れてしまいます。逆に、これを利用して零点調節を行うことができます。
この電流計は、東京書籍の教科書「新編物理I」(物I002)の工作コーナーに紹介されました。初出は、YPC(横浜物理サークル)2000年10月例会です。