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岩手県一関市に近い奇勝「厳美渓」に、郭公団子(かっこうだんご)という名物の団子屋があります。岩棚にある東屋に、対岸の店から一本のワイヤーが張られていて、写真のようなザルのゴンドラが行き来します。客が東屋でこのザルの中に代金を入れると、店の二階にいる店員がひもをたぐり、折り返し団子をのせたゴンドラが谷渡りでワイヤーを滑り降りてくるのです。「空飛ぶ団子」と銘打つユニークな販売方法で、店はけっこう繁盛していました。
下りのゴンドラには商品の団子と共に、サービスで紙コップのお茶が一緒にのせられています。ゴンドラはかなりの勢いで下ってきて、最後は思い切り急ブレーキをかけますが、お茶は全くこぼれません。客は大いに驚き、歓声をあげて「プロのワザだ」と感心するのですが、力学を勉強したあなたなら、このカラクリがわかるでしょうか。ヒントは「慣性力」です。(2005/03/21更新) |
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