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はじめの一枚:こんなところに小さな科学
 今年は季節の進みが平年より2週間以上遅く、12月に入ってもまだ黄葉しきっていないイチョウがあります。東京・北の丸公園のイチョウはやっと黄色くなりきったところでした。黄葉は、葉緑素が分解すると、もともと葉の中にあったカロチノイドという黄色の色素が目立つようになるために起こります。
 イチョウ類は古生代末のペルム紀に現れた初期の裸子植物の生き残りで、ソテツ類などと共に3億年以上の時を経てきた「生きた化石」です。現在は中国にのみ自生し、世界に分布するイチョウはみな人類が移植したものです。
 イチョウが種子植物でありながらシダ植物と同じように精子を作って生殖することは、1896年日本人の平瀬作五郎によって初めて明らかにされました。ちなみにソテツの精子を発見したのも池野成一郎という日本人で、共に植物学上の大きな発見とされています。これらの研究に使われた木は共に東京大学小石川植物園に残っており、同園のシンボルとなっています。(2005/12/04更新) 
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