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今やどこの家庭の台所にもある「電子レンジ」。英語ではmicrowave ovenと言います。英名のとおり、マイクロ波という電波で食品を加熱します。マイクロ波は、電子レンジの他、携帯電話、レーダー、情報通信の電波中継などに使われています。ちなみに、「これ『チン』して。」は英語では”Microwave
it.”と言うそうです。
電子レンジではマグネトロンという一種の真空管で、1秒間に24億5千万回(2.45GHz)の電気振動を作り出します。写真は川崎の「電気の史料館」の展示で、手前に取り出して展示されているのがマグネトロンです。本体のどこに組み込まれているかわかりますか?
水は分子内に電気的な正負を持つ極性分子なので、電波が照射されると、その電場の変化でくるくる向きを反転させられます。これにより水分子の運動が活発になり、熱を生じます。これを「誘電加熱」と言います。こうして、食品に含まれる水を直接揺り動かして、食品を内部から加熱するのです。
したがって、水やアルコールなどの極性分子は電子レンジで加熱されますが、四塩化炭素、ヘキサン、ベンゼンなどの無極性分子ではあまり発熱しません。(2006/03/05更新) |
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