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ステンレスは主成分の鉄にクロムやニッケルなどの金属を溶かし込んだ合金です。鉄は磁石につきますが、ステンレスはどうでしょう。実は成分の違いでつくものとつかないものがあります。クロムを18%含むだけの軟らかい(安い)ステンレスは「フェライト系」といって磁石に良くつくタイプです。
写真のフォークは、18-10 Stainless Steel と成分表示されているもので、クロム18%とニッケル10%を含む硬いステンレスです。このタイプは「オーステナイト系」といって結晶構造が違うため、本来磁石にはつきません。
しかし、オーステナイト系ステンレスは、強い力を加えて曲げ延ばし加工を行うと、部分的に「マルテンサイト構造」という結晶構造に変化することがあり、その部分だけ磁石につくようになります。このように磁性は原子固有の性質ではなく、結晶構造によって決まる集団的性質なのです。(2008/07/19更新) |
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