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カナダ・アルバータ州のバンフ国立公園にある観光名所、レイク・ルイーズ。一万年前に氷期が終わり、奥に見えるビクトリア氷河が後退したあとにできた氷河湖です。氷河湖の水は一般に空色や緑色をしていますが、曇っている日に撮影した上の写真からもわかるように、空の色を映しているのではなく、また空色や緑色の物質を含んでいるわけでもありません。
氷河は強大な力で谷底の岩石を削り、すりつぶして非常に細かい粒子を作ります。粒径1μm以下の粒子はコロイドと呼ばれ、水中に分散して沈降しません。そのため氷河湖の水はミルクのように濁っています。また空からの光がこのサイズの粒子によって散乱されるときには、波長の長い(赤い)光は主に前方に散乱されてやがて水に吸収されるのに対し、波長の短い(青い)光は側方や後方により強く散乱されるため、上から見た湖水の色は青っぽく見えるのです。(2008/12/31更新) |
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