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ミルフィオリ(Millefiori)はイタリア語で「千の花」の意味。まず、透明ガラスと各種色ガラスを組み合わせて円筒状に重ね合わせ、棒状に細長く引き伸ばしたものを作ります。これをさらに薄く輪切りにしたチップをガラス細工の装飾に使います。金太郎飴のようにどこを切っても断面に同じ模様が現れます。
ガラスは珪酸塩を主成分とする化合物で、常温では固体のように振る舞いますが、実は規則正しい結晶構造がない「非晶質(アモルファス)」という状態にあり、粘度が極端に高い液体であるとも言えます。このためガラスは明確な融点を持たず、温度を上げていくと700℃ほどの「ガラス転移点」と呼ばれる温度の前後でしだいに軟らかくなり、さらに高温では流動性をもつようになります。ガラス細工ではこの融けそうで融けない、微妙に軟らかい水飴状の状態をうまく利用して切断・融合・整形などの加工を行い、数々の芸術的な作品を生み出します。(2009/11/29更新) |
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