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カナダ・アルバータ州の砂漠地帯バッドランドは、おびただしい数の大型恐竜化石が産することで有名です。今から6500万年以上前、中生代白亜紀のころにはこの土地は大陸のはずれにあり、大きな川の河口付近の砂州でした。当時、想像を絶するような大洪水がたびたびあり、そのたびに多数の恐竜の死骸が上流から押し流されてきて、この場所に累積していきました。
現在、風化した泥岩の地層からは、まとまった雨が降るたびに写真のように新たな恐竜化石が次々と洗い出されて出てきます。めぼしい化石は発掘し、石膏で固めて研究施設に運びますが、あまりに数が多すぎてクリーニングしきれず、何十年分も倉庫に積み上がっています。研究が間に合わないので、重機を使ってわざわざ掘るようなことはしないのだそうです。
写真の化石はこの日初めて発見されたもので、同行したロイヤル・ティレル博物館のドナルド・ブリンクマン博士によれば、ハドロサウルスの仲間の大腿骨の一部だろうとのことでした。(2010/04/11更新) |
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