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三鷹の国立天文台にあった展示品。電卓やコンピュータのない時代に多桁計算の主役だった「タイガー計算機」です。歯車式の手回し計算機で、10桁の加減乗除計算ができます。各桁の置数レバーを動かして最上部のチェックダイヤルに数を置き、右側のハンドルを1回転すると、その数が一番下の右ダイヤルに足し込まれます。2回転なら2倍、5回転すれば5倍の数が足されます。かけ算をするには、一桁ずつ上位の桁にずらしながらこの操作を繰り返せばよいのです。各桁のハンドル回転数は下の左ダイヤルに現れ、乗数となります。右ダイヤルには和や積が表示されます。
この方式は1874年にロシア人のオドネルが考案し、技術を公開したため世界に広まりました。日本では大本寅次郎が1923年に商品化し、自らの名をとって「虎印計算器」として販売を開始。やがて手回し計算機の世界的ブランドへと成長しましたが、電卓の登場により、1970年に製造を完了しました。詳しくは株式会社タイガーの「タイガー手廻し計算機資料館」へ。(2010/05/30更新) |
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