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JAXA宇宙科学研究本部の前身、宇宙科学研究所(ISAS)では人工衛星・探査機の打上げのたびに、「性能計算書」の表紙にタバコやお酒のラベルをもじったパロディ版を掲載する慣習がありました。
小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」の打上げ時の表紙に選ばれたのが佐賀県井出酒造の清酒「虎之児(とらのこ)」。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」、「虎は千里往って千里還る」の諺にちなんでの選択で、的川泰宣名誉教授が愛する詩人・種田山頭火の日記にも登場する酒だとか。
パロディ版はラベルの文字という文字が徹底的にはやぶさ由来の文字や数字に書き替えられています。これを喜んだ井出酒造が、本年6/13のはやぶさの帰還を記念し、このパロディ版のラベルを採用した限定版祝酒(写真)を先頃販売したところ、瞬く間に完売したそうです。科学の世界にもこんな「粋」があるのです。 資料:ISASニュース310号(P.24を参照)(2010/08/26更新) |
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