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2008年2月2日午前9時10分ごろ、神奈川県藤沢市の空に鮮やかな虹色の輪が現れました。「環天頂アーク」または「天頂環」circumzenithal arcと呼ばれる大気光学現象です。右側の影は歩道の街灯で、カメラはほぼ真上を向いています。普通の「虹」は視半径42度の上に凸な円弧になりますが、「環天頂アーク」は天頂を中心とした水平面内の円弧となり、カーブが逆に見えるので「逆さ虹」の通称で呼ばれることもあります。
「虹」は太陽光が球形の雨滴の内部を通過するときに屈折・反射して分散(光が虹色に分かれること)するために起こりますが、「環天頂アーク」は六角板状の氷晶がそろって六角面を水平にして空中を落下中に、その上面から入射し、側面から抜けてくる太陽光によって起こります。いわば氷の粒がプリズムのはたらきをして虹色を作り出しており、「虹」とは原因が異なります。「環天頂アーク」は太陽高度が32°以下の時に太陽より約46°上空に現れます。これらの数値は氷の屈折率から幾何光学的に決まります。(2011/05/22更新) |
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