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カナダ・アルバータ州のドラムへラーに近いバッドランドの眺め。地平線まで真っ平らに見えた見渡す限りの草原地帯の中に突然、文字通りの「荒れ地」の渓谷が出現します。同様の地形はアメリカ合衆国・ノースダコタ州などにも見られ、同じくバッドランドと呼ばれています。露頭として見えている地層は、白亜紀後期に相当する7700万年~6700万年前頃の地層で、当時全盛期だった恐竜の化石を大量に産することで有名です。
この荒々しい渓谷が刻まれたのは比較的最近のことで、今から約8000年ほど前、日本では「縄文海進」と呼ばれる時代でした。最終氷期が終わりを告げ、北米大陸北部を広く覆っていたローレンタイド氷床が後退した際に、巨大な氷河湖が形成され、せき止めていた部分が決壊して想像を絶するような大規模な洪水が起きました。この大洪水によって平原が一気に削りこまれて、このような地形を作ったということです。現在谷底に流れるレッドディア川からは、その様子を想像することはできません。(2013/02/10更新) |
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