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はじめの一枚:こんなところに小さな科学
 この奇怪な物体は何でしょう。ウニに似た生き物?それとも・・・。実はドーナツ型のフェライト磁石(外径8cm、内径4cm)を入れたポリ袋の外側にびっしりと付いた砂鉄です。千葉県旭市の飯岡漁港近くの海岸で採集しました。
 砂鉄はもともと岩石中に含まれていた磁鉄鉱(マグネタイト、四酸化三鉄)という鉱物が風化によって砂となったものです。川や海の水によって運搬される過程で、比重による淘汰が行われ、砂鉄が大量に集積する場所ができることがあります。神奈川県でも稲村ヶ崎海岸や観音崎の海岸など、砂が真っ黒ですぐにそれとわかります。そのような場所では古来「たたら」と呼ばれる製鉄が行われていました。
 ところで、同じ鉄の酸化物でも赤鉄鉱(ヘマタイト、三酸化二鉄)は磁石につきません。つまり、磁性は鉄という元素に固有の性質ではなく、結晶構造によって決まる集団的物性なのです。
 砂鉄は磁場中では自ら微小な磁石となるため、次々に他の粒を引きつけ、結果として磁力線に沿って砂鉄の粒が並ぶことになります。上の写真でもドーナツ型磁石の磁力線の分布が観察できます。リングの外側を回る磁力線ばかりでなく、中央の穴を貫通する磁力線もあることがわかります。(2014/08/24更新)
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