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これは何?初めて見るとびっくりする形状の物体。商品名は「ロマネスコ」、イタリア語のBroccolo Romanescoに由来。「ローマのブロッコリー」という意味だそうで、カリフラワーの仲間のれっきとしたお野菜。スーパーでも売られています。
興味深いのは食用とする花蕾群の幾何学的配置が典型的なフラクタル構造をしていること。特徴的な円錐形が小さな塊から大きな塊へと自己相似形で入れ子的な階層をなしています。円錐の配列は左右両方に巻いた独特の螺旋を描きますが、その本数を数えてみると必ずフィボナッチ数になっています。フィボナッチ数は1,1,2,3,5,8,13,21・・・と続く、隣り合う2項の和が次の項になる数列で、黄金比とも深い関係にあります。ヒマワリの種の配列なども同様の螺旋を描きます。
数学を知るはずのない植物の無心な細胞分裂が、おそらくは比較的単純な仕組みでこのような美しく複雑な造形を作り出すのです。自然の不思議、造化の妙を感じざるを得ません。(2014/12/30更新) |
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