CDの記録面をのぞき込むと美しい虹色が見えることがあります。CDに情報を記録するピットと呼ばれる凹凸が1.6μm(マイクロメートル)という間隔で同心円状のトラックを作っていて、それが光を反射する際に特定の方向で特定の色(波長)が強め合うようなはたらきをするからです。このようなはたらきをするものを「反射型回折格子」と呼んでいます。写真はCDの中心軸上に白色LEDを置いてCD面を照らし、同じ中心軸上の上方にカメラを置いて撮影したものです。完全で欠けのない同心円の虹は光軸が正確に合わないと見られません。
1.6μmというトラックピッチは可視光線の虹を観察するにはちょうどよい間隔で、DVDの0.74μmになるとかなり光源や目をディスクに近づけないと虹の全体像が見えなくなり、BDの0.32μmに至ってはこのような方法では虹の同心円は観察できなくなります。BDは高密度大容量の記録媒体ですが、残念ながらこの美しさは犠牲になってしまいました。(2015/07/22更新) |