電光掲示板や大型スクリーンに使われているRGBフルカラーLEDは「光の三原色」にあたるRed、Green、Blueの3色のLEDチップがひとつのパッケージにおさめられていて、それぞれのLEDチップに流す電流を独立に制御することにより、3色の混合比を無段階に調節し、あらゆる色感を作り出すことができます。写真は白く見えるように調節したフルカラーLEDを分光シートを通して観察した様子で、白がRGBの混色であることがよくわかります。
ところで、例えばRとGを同じぐらいの明るさで発光させた混色は、目には黄色に見えますが、分光シートを通してみると黄色のスペクトルは見えません。つまり、人間の視覚がRとGによる同時光刺激を黄色によるものと誤認しているわけです。これは人間の目がRGBに対応した錐体という視細胞で受けた光刺激を判断して色を判定するためで、RGBを適当な強度で光らせれば、目をだましてあらゆる色を感じさせることができます。これがテレビやスマホの画面の色表示の原理です。
なお、照明用の白色LEDは青または紫のLEDを蛍光体の中に埋め込んで発光させ、励起した蛍光体が発する光を利用しています。この発光原理は蛍光灯に近く、その光は全ての色の成分が混じった連続スペクトルになります。(2016/03/24更新) |