例会速報 2020/02/23 筑波大附属高校


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授業研究:保存則の授業展開(後編) 勝田さんの発表
 2019年12月例会での発表「保存則の授業」の続編である。前回の運動量に続く一連の授業の後半にあたる。以下、勝田さん自身のレポートで解説する。

 前回は質量と運動量保存則、そしてエネルギーは仕事・運動エネルギー・重力による位置エネルギーまで報告した。今回は弾性力による位置エネルギーのところから。
 力学台車をバネにつなぎ、手で押し縮めて、手を離すと台車が飛び出す。この過程を、重力のときと同様に、系を「台車のみ」と「台車+バネ」とした時の2通りで考える。系が「台車のみ」の場合、手の力もバネの力も外力である。この2つの力がした仕事の分だけ台車は運動エネルギーを獲得する。系を「台車+バネ」としたときは、外力は手の力のみである。バネの力は内力なので系のエネルギーを変化させることはない。手の力でバネを押し縮めていったとき、手がした仕事の分だけ系のエネルギーは増えるが、台車は止まっているので運動エネルギーとは別の種類のエネルギーが存在することになる。それが弾性力による位置エネルギーである。手を離したあとは外力が働かないので、系のエネルギーは保存する。このとき弾性力による位置エネルギーが運動エネルギーに変換される。
 

 この流れを確認した上で弾性力による位置エネルギーを定量化する。その後、各生徒に「質量1kg の台車をバネ定数 50 N/m のバネで 5 cm押し縮めて発射する。発射速度を理論的に求め、ビースピで測定して確かめよ。」という課題を与える。実は運動方程式の単元では、同じ課題を各生徒にExcelによる逐次計算によって求めさせている。その際は授業時間を2時間充てて、探究活動としてレポートにまとめて提出させた。同じ課題をエネルギーを利用して解くと数分で解けてしまい、実験結果とも非常によく整合する。生徒はエネルギーによる解析の威力を実感する。(あんなに苦労したのに・・・という文句も出るけれど。)
 その次は3時間を充てた探究活動である。バンジージャンプの物理学と称して鉛直バネ振り子のバネと重りの間に糸をつなぐ。おもりを持ち上げて離すと、糸の長さの分だけ自由落下してから弾性力が生じる。このときに糸を何cm にしたらおもり は床につかずに生還できるか、理論的に求めて実験で検証し、レポートにまとめて提出させる。
 

 最後の3時間は運動エネルギーと運動量の違いを考える授業である。両者が区別できない高校生・大学生はかなり多い。そこで、止まっている台車に同じ質量の台車を衝突させて、衝突後に速さを求めるという課題を与える。ただし、衝突は弾性/非弾性衝突の2通り。計算は運動量保存則とエネルギー保存則の2通りで行う。下の写真はスマートカートによる弾性衝突の実験の様子。速度交換が起きている。
 

 非弾性衝突の場合、計算結果は運動量保存則に基づく値とエネルギー保存則に基づく値が一致しない。スマートカートの演示実験で計算結果を検証すると、エネルギー保存則に基づいた結果が実験と合わない。(下の写真)
 そこでエネルギーによる考察プロセスの再検証が必要になる。衝突の前後ではなく、衝突の最中のエネルギーの流れを考えると、非弾性衝突の場合には運動エネルギーと位置エネルギーの和が減少している。しかし、外力ははたらいていないのだから系のエネルギーは保存していなければならない。力学的エネルギーが他の種類のエネルギーに変換されたと考えざるを得ない。そのエネルギーの正体は考察の対象にないし、そもそも1種類とは限らないので、「内部エネルギー」と一括りにして呼ぶことにする。
 これを考える課題として、「自動車のバンパーが弾性的ではなく、壊れやすい物質でできているのはなぜか?」「走り高跳びより棒高跳びの方が高く跳べるのはどうしてか?」という課題に取り組ませる。
 

 下の写真は関連で演示された、質量1:2の弾性衝突の実験。運動量が保存され、衝突前後の相対速度は等しい。

 さて、次の時間には力学的エネルギーが内部エネルギーに変換されるイメージを持つために次の演示実験をする。同僚の小澤さん作の、力学台車にネットを立ててそこにおもりをたくさんぶら下げたものに他の台車をぶつける。台車同士の間にバネを繋いで弾性的に衝突させた場合はおもりはほとんど揺れない。一方、非弾性的に台車をぶつけるとおもりは激しく揺れる。
 このことから非弾性衝突の際に失われた力学的エネルギーは例えば内部の原子や分子といった内部構造の振動に変わっていると類推される。それをどうしたら確かめられるか?生徒からは「電子顕微鏡で見る」というような意見も出たが、議論は「温度を測る」というところに落ち着く。スーパーボールとハネナイトボールを50 回机に打ち付けてから温度センサで測定すると明らかにハネナイトボールのほうが温度が上昇している。これは質点モデルの限界を示している。質点には内部構造がなく、熱的な議論ができないからだ。モデルには適用限界があるということを知っておくのはすべての生徒にとって大切なことだと思う。
 

 最後の授業では跳ね返り係数を測定する。好きな高さからスーパーボールを自由落下させて跳ね返ってきた高さを測定する。各班 10 回行い、Googleスプレッドシートにスマホから入力させて、データを集計する。大まかな傾向として、はじめと後の高さの比は一定である。そこで跳ね返り係数を定義する。なお相対速度による定義は行わず片方が止まっている場合のみでこの授業は終了。
 報告後の参加者との議論ではやはり「系」に関することが多かった。本来、一物体系では位置エネルギーという概念はないが、少なくとも現行の教科書にはすべて「物体の持つ位置エネルギー」という表現が使われている。また、この授業展開ではエネルギーが保存量であることを前提にしている。エネルギーが保存することは自然界の性質であって、証明することはできない。しかし、従来の教科書のよう仕事を定義してから運動方程式と組み合わせて「仕事=運動エネルギーの変化」という式を導き出すと、“証明した”という感じになるが、実際は証明ではない。
 とにかく、新しいことをすると伝統的な立場からの批判は必ずある。伝統的な立場を無視するものではないが、「ずっとこのように教えてきた」というのでは水かけ論にしかならない。やはり客観的に比較できる標準テストなどが必要だろう。力学分野ではFCI がだいぶ普及してきたが、エネルギー分野は国内ではあまり普及していない。私は、EMCSというテストを利用している。伝統的な立場で教えている先生方は、ぜひこの EMCSをやってみてほしい。その上で、スコアを比較しながら、授業法と概念獲得の状況を比較していくことが、教育の質をより向上させると思う。
 動画(movファイル5.7MB)はここ。勝田さん提供の発表資料(PDFファイル4.0MB)はここ。発表資料、授業スライド、授業プリント、Pasco Capstone の実験ファイルは、こちらのリンクでしばらく公開されている。
 

バランスフォーク 西尾さんの発表
 バランストンボのような不思議なやじろべえを、フォーク2本とコインを使って作るもの。西尾さんは、重心や「安定なつり合い・不安定なつり合い」の教材として、授業に利用していた。
①「子どもにウケる科学手品77」(後藤道夫)にある「フォークを交差して組み合わせてからそのすき間に十円玉を差し込むもの」(左の写真のワイングラスの方)と、②ネットにあった「フォークを平行にしてそのすき間により厚いコインを差し込むもの」(右の写真)の2種類を実演。①の方がバランスを取りやすく、コインの端を支点にして、より不思議な印象にしやすい。②は五百円玉を使った。動画(movファイル7.7MB)はここ
 

白内障手術体験記 山本の発表
 山本は2月に右眼の白内障手術を受けた。人工の眼内レンズによる「水晶体再建術」である。今は医療技術が進んで、角膜にあける切り口も2mmほどですみ、縫合も不要。施術時間は正味10分程度と簡単に済む。山本は2泊3日のコースを選択したが、日帰り手術も可能で、北里大学病院では年間3300人もの治療実績がある。局部麻酔で痛みはなく、ある意味虫歯治療より楽だ。その体験レポートである。
 術前、術後の比較をするために以前から観察記録を取っていた。今回は右目だけ手術したので、左右両眼の比較もでき、いろいろ興味深い現象を発見した。
 まず、当然だが手術の翌日から右目の視力は劇的に回復し、よく見えるようになった。合わせて、短波長側の透過率が上がり、全体に明るく青白っぽく見えるようになった。白や青、緑などの色が鮮やかに見えるようになる。左目と比べて、術前はずいぶん黄ばんだ世界を見ていたのだと気付く。左目と右目でプリズム分光計を覗いて、紫側の感度の変化を比較してみた。左の写真で上段のスペクトルは左目で紫側がやっと見えるところに視野の右端を置いたものである。次に手術後の右目で覗くと、それよりずっと紫側に感度が伸びているのがわかる。下段のスペクトルは右目の感度限界まで視野を移動して撮影した。なお、下段のスペクトルで赤~緑の部分が欠けているのは、見えないわけではなく、分光計の視野の広さが十分でないためにケラレているもので、赤側の見え味に変化はない。
 グラフとその解説は、眼科先進医療研究会のサイトを参照されたい。
 

 術後に検査のため、散瞳剤(瞳孔を開くための目薬)をさすと、面白いことが起こる。天井のスポット光源など、小さな明るい光源を見たときに、光点を中心に光の輪が見えるのである。手の指を見ると、本物の指の3倍ぐらいある太い指の像が、うっすら重なって見えている。これらの「ゴースト」は近視の眼鏡(凹レンズ)をかけると大きくなる。「ゴースト」が見られるのは散瞳剤が効いている間だけで、数時間後には正常視に戻る。
 この現象は、術後も角膜と後嚢の間を満たす「房水」という透明な液体が水レンズを作っていて、プラスチックの眼内レンズがその中心に浮いているような二重レンズ構造になっているために起こるのだろう。眼内レンズは直径6mmほどで、意外と小さい。瞳孔が収縮しているときは眼内レンズを通った光による像だけを見ているが、瞳孔が開くと、眼内レンズの外側に漏れた光がピンボケの像を作ってしまうのだろう。その様子は大小の虫眼鏡を重ねた実験で再現することができる。
 これ以外にも、術前は見えていたが、術後に見えなくなった現象など、いろいろ面白い観察結果がある。おいおい考察を加えてご報告していきたい。白内障手術は左右別々にやっても一生に2度しか受けられない。左右を比較できるチャンスは今しかないので、楽しみながら研究しようと思う。観察できるのは自分だけ、医者も見たことがない現象が見えているのだから。
 

自作距離センサー完成版 長倉さんの発表
 昨年12月のナリカ例会で報告があった長倉さんの自作距離センサーの完成版だ。高機能マイコンのESP32をWifiのアクセスポイントかつ、サーバーにして、測定値をスマホでリアルタイムで見ることができる。長倉さんが一番苦労したのは、グラフ描画のソフトウェアをhtml5のcanvas機能を使い 、一から作成したことだという。
 

 長倉さんがサンプルを複数セット持ち込んでくれたので、例会参加者も各自のスマホで接続してみた。説明通りにちゃんとつながり。自分のスマホに計測結果が表示されるのは感動。生徒も喜ぶだろう。
 

 マイコン自体は、1つ1500円程度で作成することができる。生徒が1台数万円する端末(スマートフォン)を教室に持ち込んでくれるので、利用しない手はないだろう。
 参加者からは、「自分が作成した教材は、多くの人が使えるようにするところまで工夫をするとよりよい」とのアドバイスや講習会を望む声もあった。これを受けての長倉さんのコメントは「YPCの先輩方を見習い、機能や見た目のコンパクト化など、生徒も含め、マイコンを誰でも使える工夫を今後はしていきたい。」だった。大いに期待しよう。
 

耐震マットを使った一方向弁 天野さんの発表
 昔は『不動弁』といって言っていた『一方向弁』は、減圧空間をつくるために必須のものである。天野さんはDAISOの50mm×50mmの耐震マットを基本材料にして、安価で使いやすい一方向弁を作った。
 いろいろ実験した結果 舌型の弁ではなく空気が通る耐震マットに2箇所の穴を開け、厚さ1mmの耐油ゴムシートを円形φ18mmに切って中央に置くものにした。減圧ポンプとしてはDAISOの「おもしろ!注射器50mL」「化粧用スポイド20mL」「エアーハンドポンプ」を改良したものがそれぞれ使える。
 

 前回の例会で天野さんが発表した『PETトルネードアダプター』の片割れ(余剰部品)の漏斗を2つと、これもDAISOの「炭酸を逃がしま栓」に手を加えた一方向弁(栓)を使った『ロート型マグデブルグ球?』も作った(写真右)。
 

手動ビー玉スターリングエンジン 喜多さんの発表
 教科書にある熱機関の図はシリンダー部分が固定されていて、中のピストンが可動する。ビー玉スターリングエンジンはピストンが固定されていて、シリンダーが可動する。喜多さんはデモ用に、シリンダー(注射器)を固定してピストンを可動させたいと考え、手動させればできることとに気づき図のような装置を作成した。
 シリンダーは木に穴をあけ、その穴に固定した。試験管は口の部分を中心に回転できるように支えた。左の写真は試験管が熱せられ、閉じ込められた空気が膨張してピストンが持ち上げられている様子だ。ミニカーはピストンが車を持ち上げて仕事をするようすをイメージしやすくするためのもの。
 右の写真は熱せられた空気を手動で試験管の口側に移動させた様子で、中の空気が冷やされてピストンが下がっている。試験管の口の部分を右側のレバーで少し傾けることにより、中の空気を高熱源側に、低熱源側に移動させることができ、ゆっくりと説明できる。これで説明した後にピストンを固定したものを提示するとより生徒の理解が進むと喜多さんは考えている。スタンドが二つあればできるので是非お試しいただきたい。動画(movファイル9.3MB)はここ
 

回折格子の簡単な実験 小沢さんの発表
 小沢さんは、回折格子による分光の実験を、演示で済ませずに、なるべく多くの生徒が手元でできるように工夫した。B5判の紙に、切り取るところ(中央下)と直角に折るところ(破線)を印刷しておく。小沢さん提供のプリントイメージ(jpgファイル767KB)はここ
 これが「絞り」と「スクリーン」になる。回折格子は、ケニスの「回折格子シート レプリカ500」を切って、スライドマウントに取り付けたものを用いる。
 

 手前から白色LED(スマホのライトでもよい)で照らすと、奥のスクリーンに分光した光が映る。光源はスリットから離した方がスペクトルがシャープに映る。映った位置をスクリーンに書き込んでおけば、波長を計算する演習に使える。安価に作れるので、1人1セット準備できれば教育効果が高い。
 

 ここまでの実験は、紙製のスライドマウントでも十分なのだが、小沢さんはプラスチック製を使っている。それは、次の実験にも使うからである。
 回折格子の発展的な実験として、水中では、干渉して強め合う角度がどうなるかを考えさせる。光源にはレーザーポインターを用いて、スクリーンに映る「点点点」の間隔に注目させる。水中を光が進むとき「点点点」の間隔は狭くなり、強め合う角度が小さくなることがわかる。dsinθ=mλの式より、水中では光の波長λが短くなることが理解できる。
 この実験を定量的に行うと、空気中と水中での波長の比がわかるので、水の屈折率を求めることができる。回折格子で光が「曲がる」しくみは屈折とは無関係なのに、屈折率が求まるところが面白い。動画(movファイル3.3MB)はここ
 

定力装置を使った運動の解析 市江さんの発表
 市江さんは、前回例会の宮田さんの発表を受けて、中学3年生に定力装置(写真左)と記録タイマーを使った台車の運動解析の実験を行った。台車に一定の力を加え続けたときの台車の運動と力の関係を実験から見い出させるねらいである。と言っても速さや速度と加速度が未分化な中学生が、記録テープの打点間隔から等加速度運動に行き着くにはかなりの道のりがある。高校物理の足掛りになればと市江さんは思っている。
 各班4人にそれぞれちがう力の大きさ(50g重、100g重、150g重、手で初速度を与えるだけ(0g重))で実験を行わせた。実験のコツはとにかくテープをまっすぐに伸ばし、余計な摩擦を極力減らすことに尽きる。放電式の記録タイマーが理想的だが、今回は班数分あったナリカのカーボン式記録タイマーg型(写真右の左側)を用いた。その後それぞれ自分の記録テープの5間隔毎の長さを測らせて、0.1秒毎の平均の速さを求めてv-tグラフを1つ書かせた。ここでは平均の速さについてはあまり言及せずにプリントの指示に従ってある程度自由にグラフを書かせるようにしている。お決まりの記録テープを切って貼り付けるという作業は生徒に行わせずにテープはすべて回収した。テープ貼り付けの作業は得られたv-tグラフの縦軸が速さなのか距離なのか困惑させるだけ、と市江さんは考え、あえて避けた。
 

 生徒全員の結果をEXCELに入力し、次の時間(2時間目)に生徒全員に提示をした。写真左はある生徒のv-tグラフ(赤)とx-tグラフ(青)である。中には多少ゆがんだグラフもあるが、測定の様子も聞きながら、テープが丸まっている、まだ手で押されている最中、すでに減速しはじめている、記録テープの測り間違い(回収したテープで確認させる)など、何かしら原因があることを確認し、一定の力がはたらいている間は、v-tグラフがほぼ線形になることをしっかりおさえさせるようにしている。それから平均の速さの時刻について説明し、他の班員の実験結果についてもグラフを書かせた。出来上がった各班全部で4つのv-tグラフを手がかりにさらに力と運動についての発展的考察へとつづく(3時間目)。写真右は4人全員のグラフがきれいに線形になった班のデータで、a-Fグラフをつくったもの。カーボン式の記録タイマーであったが、予想以上によい結果が得られた。ただし、摩擦による加速度への影響が常に一定であると仮定して、0g重のときのわずかな負の加速度の値をそれぞれのv-tグラフの傾きから引いて補正している。
 現行の教科書では定力装置ではなく、斜面を使って手軽に実験を行っているが、これでは一定の力を加え続けているという印象がかなり薄れてしまう。中学生に加速度を教える必要はないかもしれないが、少なくとも力と運動の関係に注目させながら、これらの実験・解析を行わせたいと、市江さんは考えている。
 

Think Board 益田さんの発表
 益田さんが紹介してくれたのは、スマートホンなどのアプリと連動するホワイトボード(ホワイトボードシート)。以前紹介があったRocketbookと同じメーカーの商品である。壁やガラス等硬いものに張り付けて使用するもので、市販のホワイトボードマーカーで記入できる。スマホのカメラで撮影すると、アプリで画像が自動的にトリミング、補正され、取り込んだ画像は、アプリに登録したメールやクラウドサービスに転送できる。クラウドフォルダが登録できる点がポイントで、学校の使用が広がっているG suite for EducationやOffice 365と連携すると活用が広がりそうだ。スマホさえあれば、PCなどのデバイスがなくとも手書きの情報を共有できる点は有用だ。学校のIT化の敷居を低くする効果もありそうだ。
 詳しい情報はこちら→https://rocketbookjapan.com/
 

秘伝のタレは何年で・・・? 市原さんの発表
 市原さんは古い記事(2015)だが、「秘伝のタレはどのくらい昔の成分が残っているか」、というものを見かけ、試しに、一斗缶で、水18Lを1日ごとに入れ替えていくモデルで考えてみた。18L(=1000mol)の水分子が均一に混ざると仮定してエクセルで計算したところ、1日に半分の水(9L)を入れ替えると仮定すると89日目には1分子以下に、1Lを入れ替えるとすると1079日(=約3年)で1分子以下になることがわかった。「創業●十年続く秘伝のタレ」などというが、創業当初の分子は残っているのだろうか?まあ、分子の「配合」こそが秘伝なのであって、同じ味を出すのにその時代の分子が残っている必要はないのであるが。
 なお余談だが、一斗缶は18リットル缶と名前を変え、連合会も発足している。曰く「時代が求める理想の容器」らしい。HPを覗くと「なぜ容量が18リットルなのか?」→「人が運べる最大容量だから。」なんてやりとりも・・・。
 

二次会護国寺駅前「インドレストラン シルザナ」にて
 16人が参加してカンパーイ。前回、筑波大附属で例会をやったときも利用したレストランで。本格インド料理が安くいただけるので好評である。二次会では新型コロナウィルス感染症の流行が主要な話題を占めた。事態はその後急展開し、一週間後には全国一斉休校の要請となる。この時点ではまだ誰も予想していなかったことだが、YPCの3月例会は学校を会場にしているので中止せざるを得なくなった。例会中止は2011年3月の東日本大震災の直後以来のことだ。先の見通しが立たないが、流行の収束を切に願う。
 


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