2009年2月14日の例会の記録の第3ページです


 スピーカーでろうそくを消す (田中 英二さん  
 田中さん自作の発振器でろうそく消しに挑戦です。
 スピーカーの前に深さを調整したメスシリンダーを置き、ろうそくを入れて点灯させます。
 気柱の固有振動と一致する音を出すと、見事にろうそくは消えます。
 
 スピーカーとろうそくの距離は15cm程度。この距離を大きくすると、炎は揺れますが消えません。消すためには大きな音を送る必要があるようです。
 そこで、出力の大きなスピーカーに変えてみましたが距離は伸びません。

 最後の手段(?)として、大型スピーカーでやってみることにしました。
 大出力アンプとつないで大きな音を出しました。(耳が痛い・・・・・)

 消える距離はやや伸びましたが、何倍にもなるわけではありません。

 共鳴振動数との一致を完全にする、ろうそくの炎の位置を消えやすい位置に調整する、芯の長さを短くして炎の大きさを調整する等、遠距離でも消えるようにするためにはまだまだ工夫しなければならないようです。 
 
  
<参考>  http://www2.hamajima.co.jp/ikiikiwakuwaku/record/r_2008_02_23/newpage.htm 共鳴でろうそくを消せる?−その2

 クロロフィルの蛍光 (船橋さん  
 NGK(日本ガイシ)の冊子に掲載されていた実験を紹介してくれました。
 食用色素(緑)の液とほうれん草から抽出したクロロフィルの液(緑色です)を用意します。
 どちらも緑ですが、この2液を通して赤青緑の3原色を見ると違いが現れます。つまり透過光は異なり、食用色素(緑)は緑のみが透過します。クロロフィル液は緑と赤が透過します。

 クロロフィルは赤と青の光をよく吸収します(よって緑に見える)が、次に見るように赤の光を蛍光として出すので、赤も透過するように見えます。

 2液とLED光源(光って見にくいです

 左はクロロフィル液、右は食用色素(緑)の液です。
 2液に白色光を当てると、食用色素(緑)液は緑のみ透過する
ので緑の光が出ます。
 クロロフィル液は、緑と赤が透過するので黄色に見えます。
 手前側は、クロロフィルが光を吸収した後放出する赤色の光(蛍光)のため、赤く見えます。
 
 クロロフィル液をワイングラスに入れて、暗い部屋で白色光を当てると、立派な赤ワインに見えます。

<参考>
  http://www.ngk.co.jp/site/no126/content.htm
  NGKサイエンスサイト
 

 メッセージファン (船橋さん  
 光のメッセージが浮き出る小型ファンです。

 押しボタンで任意の文字を表示できるすぐれものです。
 明るい部屋でも十分見えますので、タイミングよく使うとコミュニケーションツールとして役立ちそうです。

 でも夏じゃないと、ファンを持つ必然性がないので、かえってわざとらしく思われる・・・・・?








 ハンガーパワー (船橋さん  
 頭をハンガーで写真のようにはさむと、なぜか首を回してしまいます。うそみたいな話ですが、やってみると確かに首を回したほうが楽な感じがします。
 何も感じないという人もいます。面白いですね。

 左右で皮膚を圧迫する度合いが違うことで起こる現象と考えられますが、神経の感度がいい人が感じるのでしょうか、それとも逆か・・・・・・・・。

 種の回転 (伊藤 政夫さん  
 林さんの「卵はどうなる」でも使いました高速度撮影。向陽高校の科学部の生徒たちの研究でも必須アイテムになりつつあります。

 前々回の例会での「回る種子のなぞ」の研究データの種子のビデオを見せてもらいました。

   ハナノキの種
     ヒマラヤスギの種
<参考>http://www2.hamajima.co.jp/ikiikiwakuwaku/record/r_2008_02_23/newpage2.htm 回る種子のなぞ 

 竜巻のメカニズムの解明 (伊藤 政夫さん  
ペットボトル内の空気を吸い上げ、横から空気を流入させてやるとボトル内に竜巻ができます。
<参考>
 2005・5・14例会 簡単トルネード

 このときできる竜巻をよく見ると、螺旋模様が見えます。
 この模様のでき方について、科学部の生徒達が挑戦しました。

 右図のような装置で、実験をしました。
 ドライアイスによってできた霧をストローを通して筒内に入れていますが、このストローの位置により螺旋模様のでき不出来があるそうです。
 螺旋ができる条件の元、ファンの回転を変化させることで、上昇気流の速度を変化させます。このとき螺旋のピッチがどうなるか調べました。

 上昇気流が早いほど螺旋のピッチが長くなるように思いますが、実は逆で、ピッチは短くなります。
 調べてみなければわからないことってたくさんあるんですね。

 竜巻本体の太さは上昇気流の大きさにつれて太くなるようです。

 
   上昇気流速度小    上昇気流速度大
 霧を送るストローの位置による竜巻のでき方のデータから、竜巻が巻き込む空気層は、逆漏斗状になっていることがわかります。
 高校生たちが行ったすばらしい研究に一同拍手です。
 
 自然界の大竜巻は、雲の渦巻きが地上に達してできるようです。容器内の竜巻との違いなど、まだまだ未知の事柄がたくさんありますね。
 

 超超簡単Xジャイロ (児島さん  
 手を発射装置に、ペットボトルのふたを弾にした超簡単(超手抜き?)Xジャイロです。
 ふたがよく回転するようにはじき出してやると、驚くほど安定した軌道で飛びます。
 回転しないようにしたときの飛び方の差は歴然。
 回転の効果を知るための超超簡単教材です。
 

 多点波源の干渉のmaximaでの計算の試み (山岡さん  
 前々回の例会での井階さんの「音の回折格子」の実験結果を、計算ソフトmaximaで再現できるか試みてみました。

 <参考>http://www2.hamajima.co.jp/ikiikiwakuwaku/record/r_2008_09_27/newpage3.htm
        音の回折格子
 <参考>maxima:フリーの計算ソフト
       http://ja.wikipedia.org/wiki/Maxima
 
 波源は5つ。格子定数は2.125cmです。各波源が同位相で振動したとして、50cm離れたQ点でのr方向成分の振幅を重ねあわせて、Q点での波の強度Aを求めます。
 横軸に角度θをとり、縦軸にA(θ)強度をとり、計算結果をプロットします。

 2点波源の干渉計算結果は実測値とよい一致をみました。
 5点波源の干渉では、極大値間の角度はほぼ一致しましたが、細かい強弱はやや異なる結果になりました。
 
 高校生も計算によるシュミレーションを学ぶ時代かもしれません。私たちも、よいソフトを見つけて使い方を習熟しておく必要がありそうですね。

       注:上のグラフの横軸の0度が下のグラフの90度に対応しています。
 上のグラフは井階さんの実測データ。
 ●点をつないだグラフは2点波源の干渉結果(実測)です。
 極大値間の角度Δ=6.2度
 計算では6.0度

 ○をつないだグラフは5点波源の干渉結果(実測)です。
 
 下のグラフは5点波源の計算結果です。
 強度の大きい点間の角度は23.4度(実測)、23.7度(計算)になりました。ほぼ同じといってよいかと思います。
 細かい部分については、実測値と計算値にやや違いが見られます。
 
 パラメトリックスピーカー (山岡さん  
 多点干渉を調べていて、ふとめぐり合ったのがこのパラメトリックスピーカー。
 秋月電子でキットとして販売されています。50個の超音波スピーカーで、特定方向のみに音声を伝達する性能があるとのことです。
 早速購入して性能を試してみました。
 
 指向性はそんなにクリアーではありませんが、壁や机で反射した音が、そこで鳴っているかのような不思議な感じを覚えます。今までにない聞こえ方といえます。

 聞こえ方の不思議さだけでも十分楽しい教材になるかとは思いますが、もう一歩うまい使い方を工夫できればいいなと思いますね。
 

 普通のスピーカーと聞き比べると、聞こえ方の差ははっきりします
 FM変調の波がなぜ聞こえるのか不思議ですね。
 文献によると、空気中を超音波が伝播する際の「非線形特性」、空気分子が圧縮されるときよりも、圧縮が元に戻るときのほうが時間がかかるという特性が原因となって可聴音が出現する、のだそうです。
 

 残念ながらさっぱり意味がわかりません・・・・・。                             

 音声信号をFM変調しています。搬送波は40.3KHz

 ノイズキャンセルヘッドホンの製作 (清水さん  
 前回の例会で紹介されたノイズキャンセリングイヤホーンを自作しました。
 市販のノイズキャンセルヘッドホンは、ヘッドホン付近に外部の音を拾うためのマイクを取り付け、その音を増幅してヘッドホンから再生することで、ノイズを打ち消しています。ヘッドホンから出る音を外部の音と逆位相にすれば、外部の音(ノイズ)が打ち消され、外部の音と同位相にすれば、補聴器(=ノイズ倍増ヘッドホン?)になります。

 この回路ではアンプから発生するノイズがあり、また、位相を厳密に補償したアンプではないため、市販の製品ほどの性能はありません。しかし、逆位相では外部の音に無関係のノイズだけが聞こえ、同位相では小さな音(遠くの工事現場の音、外を歩く入の足音など)がはっきり聞こえます。

 ヘッドホンとマイクの位置は、近過ぎるとハウリングを起こし、離し過ぎると効果
が小さくなります。実用的にするには細かい工夫が必要になってきますね。
 

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