2010年5月22日(土)愛知工業高校での例会の記録です。

 「はやぶさ」が6月に地球に帰る予定です。
 「はやぶさ」は、「イトカワ」と名付けられた小惑星に近づき、その表面から物質のサンプルを採取し地球に持ち帰るというミッションを持った探査機です。 2003年5月9日に打ち上げられ、2005年11月にイトカワへの着陸を行いサンプルを採取しました。(きっと成功していると信じます)
 小惑星や彗星のような始源天体は、太陽系が誕生した当時の姿を残していると考えられます。そのような天体のサンプルが地球に届けば、それを分析することによって太陽系の起源についての知見が大きく拡がります。
 「はやぶさ」は、燃料漏れやエンジンの故障等数々の苦難を乗り越えて戻ってきます。計画遂行の関係者の方々の心労と努力は並大抵のものではないと想像します。
 無事の帰還とサンプル回収の成功を切に願っています。

 また、5月21日、金星探査機「あかつき」が打ち上げられました。
 「あかつき」は、金星の大気、気象を2年以上観測する予定です。「あかつき」と同時に多くの大学・高専が参加した小型衛星も同時に打ち上げられました。
 手作りの衛星が宇宙を飛ぶ、考えただけでわくわくしますね。
 こちらも多くの成功を収めることを願います。
  


 釜鳴り (前田さん  
 水蒸気による釜鳴り装置を作りました。
 お湯を沸かし、煙突のうえから湯気が出る状態にして、そこから米に模した金属粒を入れます。 
   
  釜のうえに煙突を立てます。煙突の途中には金網が入っています。

 
釜飯用の容器を、穴をあけたフライパンに入れています。
  まるで本物の釜のように見えますね。


  米粒に模した金属粒。

  煙突の内部です。金網が入っています。


 入れたすぐからボーという音が出る・・・・・はずでした。
 数日前には確かに出たのですが、なぜか今日は出ません。
 気温が高くなったせいではないかと予想し、金属粒を冷やしてみましたが、これも駄目。

 共鳴が起こるための条件が何か欠けているためと考えられますが、それが何なのかはわからずじまい。

 普段は成功している実験も、授業のときに失敗することってありますよね。
 失敗した実験のことを生徒はよく記憶(!)しますから、授業としては失敗ではない・・・・・・・。
 



 サイレン (前田さん  
 昔懐かしい手回しのサイレンです。
 取っ手を回す速さを変えることで、高さの違う音を出すことができます。
 模型用のファンと缶でこのサイレンを作りました。
 モーターを回すと、音が聞こえてきます。ただ、音の高さが一定なので、「ウ〜ウ〜」と鳴らすには電圧を変えてやらなければなりません。               
 

 缶の穴の数と聞こえる音の高さはどんな関係にあるのでしょう。
 缶の穴をセロテープでふさいでやってみました。
 どうなると思いますか。



 たくさんの穴をふさぐと、聞こえる音は低くなるように思われますが、高い音が小さくなってモーターの音が聞こえているだけで低くなってはいない、という人もいて結論一致せず。
 ファンの回転数にも関係するかもしれません。
 
 愛工にあるサイレン(とおもわれる)装置を空気入れにつないで回してみました。
 空気噴出部は回るのですが、空気漏れがあるのか音は出ません。
 サイレンならぬサイレント装置でした・・・・・・


 
<参考> 愛工に残る装置2 (井階さん)

  

 装置下部から空気を送り込むと勢いよく回ります。

 オープンエアー光電管 (林さん  
 
 大型箔検電器の容器の壁に電極を貼り付けて、高電圧をかけます。
 (容器をアースとし、片側に3kV、反対側に-3kVをかけます。)
 この状態で帯電体を近づけると、箔にたまる電荷によって、箔の片側が大きく開きます。



 <参考> 電荷がわかる箔検電器2 (川田さん)

 +電極側が大きく開いているので、箔は−に帯電しています。
 つまり上にかざした帯電体の電荷は−であることがわかります。

  高圧電源部です。ブロッキング発振回路と昇圧トランス、
  コッククロフトウォルトン回路で高電圧を作っています。

  よく磨いた亜鉛板です。

  殺菌ランプ。253.7nmの紫外線を強く出します。
 この箔検電器の金属円盤によく磨いた亜鉛板をのせます。
 上部に金網を置き、容器(0V )に対して3kVの電圧をかけます。

 この状態で、殺菌ランプの紫外線(253.7nm)を亜鉛板に当てます。すると箔検電器の箔が開いていきます。写真は右側の箔が大きく開いているので箔は+に帯電していることがわかります。

 紫外線によって、亜鉛板から光電効果により電子が飛び出したと考えられます。 飛び出した電子は、金網の+電極に引かれます。
 

 金網はアクリル板で支えています。3kVがかかっています。
 金網に+電圧をかけないと箔はほとんど開きません。
 光電効果は起こっているのですが、飛び出した電子が空気分子にあたり、亜鉛板付近に滞留するため、さらなる光電効果を抑制する。 このため箔の開きは小さいと考えられます。
 殺菌ランプの変わりに、ブラックライト(300〜380nmの紫外線だけ効率よく発生)を使うと、箔は開きません。
 波長が長いので、光子のエネルギーが亜鉛の仕事関数に足りないと考えられます。
 高圧電源がない場合は以下のようにしても光電効果を確認できます。
 箔検電器を負に帯電させて箔を開かせた状態で亜鉛板をおきます。
 亜鉛板を殺菌ランプで照射します。
 光電効果により電子が飛び出し、箔の開きがだんだん小さくなっていきます。

 注:殺菌ランプの光を目に入れないよう注意してください。
 大型はく検電器でなくても、小型の箔検電器で同様の実験ができます。
 この場合、電極にかける電圧は+500V、-500Vとし、箔検電器を金属の上に置き、アース電位します。

 新型LEDストロボ (田中さん  
 PSoCマイコン(CY8C27143)を使った新しいタイプのストロボを作りました。
 入力した矩形波のデューティー比をコントロールしLEDに送ります。写真はデューティー比 3%のときの弦の振動です。

 デューティー比をコントロールすることで、瞬間的な光を当てることができ、振動数が合うと、糸が完全に止まって見えます。
 振動数が高いものはデューティー比をさらに小さくすることでくっきりとした静止像を得られます。

  PSoCマイコンを使ったLEDストロボです。
 右は小型の矩形波発生装置です。振動数可変になっています。(こちらもPSoCマイコン利用(CY8C29446-24PXI)) 普通の低周波発振器でも代用可能です。
 出力を先のストロボ光源に送ります。

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