2012年9月29日(土)愛知工業高校での例会の記録です。
今年のイグノーベル賞を日本人が受賞したというニュースが報道されました。 イグノーベル賞 は1991年に創設され、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞です。 日本人が過去にどんな研究で賞を得ているのか調べてみました。
等 確かに、面白いテーマが並んでいます。 日本だけでも、いろんなテーマでの研究がなされているのだなあと感心します。 私たちの活動にも、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」があるかもしれませんね。 賞の選考は、論文の投稿から始まるようです。 投稿する研究者は、自分の研究はイグノーベル賞に値する(?)、と考えているのでしょうか。一度聞いてみたいですね。 |
卓上型光速度測定装置2 (林さん) |
前々回の例会で発表した卓上型光速度測定装置の改良型です。 前の装置は、レーザー光源を使っていました。それも、出力を変調できるレーザー光源でしたのでやや高価でした。今回は、光源を高輝度の緑LEDを使いました。これでも十分に役目を果たします。 さらに、水中の光速度などを測るときに、赤色だと減衰が激しいのですが、緑だと到達距離が大きくなるので、物質中で光速度が遅くなること、屈折率と光速度の関係などが直接確かめられます。 また、半透明鏡と 1/4・λ位相板を使って、検出をスムースにしてかつ部品数を減らしています。 全体の費用が激減していますので、卓上光速度測定装置として商品になるかも・・・・。 |
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入射光の位相と反射光の位相を合わせておきます。 | 写真左のリフレクター(反射鏡)を動かすと、反射光の位相だけが、リフレクターを動かす距離に応じて変化します。これを読み取ります。 | |
<参考> 卓上型光速度測定装置(藤田さん、林さん) 1/4・λ位相板(林さん) |
立体錯視 (前田さん) |
平行なレールがあります。 |
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手前のレールにビー玉を置くと、左にころがります。 | ||
奥のレールにビー玉を置きます。 何と、反対側(右に)に転がります。 これは不思議・・・・・・。 |
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次に、 中心が高くなった十字路。 真ん中に球を置けば、どこかに落ちていくはず・・・・。 何と、何個置いても落ちません。 これは不思議・・・・・・。 |
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これは、ある一点から見ると、形が異なって見える錯視の一例です。立体で錯視が起こるのが面白いですね。 実物を肉眼で見てしまうと、何の不思議も感じないので、見てもらうときは、カメラを通して見てもらいます。 |
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webカメラを使います。 | コンピューターの画面でカメラ像を見ます。 | |
実際の形は右のとおり。平行なレールではありません。 十字路も実は中心がへこんでいます。落ちないのも当然ですね。 |
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ある一点から見たときに生じる錯視。 その点から、よりリアルに見えるように木材を斜め切りし、何度も見ながら削っていきます。 見た人が驚くことで苦労が報われます・・・・(笑)。 |
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<参考> この2つの作品は、明治大学大学院 杉原厚吉先生のホームページにある作品です。 YouTube: Impossible motion: magnet-like slopes |
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ピタゴラスイッチ (前田さん) |
広島の土肥さんの作品を参考に作ってみました。 レールと磁石と鉄球だけです。 鉄球を転がすと、U字型磁石の形に添ってU字形を描きながらゆっくり下っていき、最後に下の磁石に引き寄せられ止まります。 動きがゆっくりで、なんとなくユーモラスで、見ていて面白いですね。 でも、最後の位置にきちんと到着させるには、U字型磁石の位置、レールの位置等、かなりの試行錯誤が必要です。 |
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強力ファンで運動の法則 (前田さん) |
季節の移ろいにあわせて、夏に高価だったUSB端子を電源にして回るコンピュータ用(?)ファンが、値段を下げてきていて、1つ300円程度になっています。 結構強力なモーターがついており、部品取りでもお値打ちファンです。 これを使って、運動の法則を確かめる装置を作りました。 |
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台車の上に、ファンを載せて回します。 徐々に加速していきますが、この加速度を測ろうというものです。 駆動はファン1つで、おもりをいくつか載せて、質量と加速度の関係を調べます。 |
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次は、ファン3台の、力の大きさと加速度の関係を調べる装置です。 |
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ファン1台動作中。 | ファン2台動作中。 | ファン3台動作中。 |
一定距離を走る時間を測定して、加速度の大きさを求め、加速度が力に比例するかどうか測定してみました。 1台のファン:5.8秒 2台のファン:4.5秒 3台のファン:4.0秒 理論では時間の2乗が力に反比例するはずですが、うまく一致しません。 車輪の摩擦、動き出しのスタートの判定等、ファンの特性等を考慮した測定が必要なようです。 |
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